2008/11/23

SLIDE AWAY、SLIDE DOWN.についての1考察  しばいデイズ


もうじき大阪公演ですね。
あれからもう、10日経ったんですね。

それで、ふと思ったのが、






何故、宮崎は猟銃をサークルボックスに持ち込んだのか?
と、云うことです。

その答えは劇中、宮崎自身の口から語られています。
・これから上映するスライドの中に小道具として出てくるため。
・臨場感を出すため。


…というのは、勿論作者による「後付」です。

作品のなかで
この銃を使って秋宮は前畑と宮崎を撃ち殺します。
しかし、その銃は空砲だったので
死んだと思っていた前畑と宮崎は生きていたという結果で終わります。

わざわざ「猟銃」がサークル室に持ち込まれるのは
単に作者の覚王山さんがこの流れを作りたかったからです。
まずは殺人未遂という「結果」ありき。
そこからなんとかつじつまが合うように話を作っていますが
結果としてはいきなり出てくる「猟銃」があまりに不自然すぎて
以降の話の流れが見えてしまいました。

なぜ「猟銃」なのか?

殺したはずの人間が死んでなかった。
こういうことができる凶器と云うのは限られてきます。

犯人が相手を殺したと勘違いできる凶器。
ナイフのような刺殺や手ぬぐいなどによる絞殺では
「万が一本当に殺してしまう」という危険性があります。

殺したという手ごたえがあり、なおかつ未遂で済ますことができる凶器
これが「猟銃」です。
何故なら、込められている弾丸が実弾とは限らないから。

宮崎が猟銃をサークルボックスに持ち込んだのは
スライドの中で使っているからでも
臨場感を出すためでもなく
作家が「秋宮にそれを凶器として使わせる」
ただ、それだけの為に用意されていたからです。

ですから、秋宮は一旦は宮崎を
サークル3周年の記念手ぬぐいで絞め殺せたのに
それを貫徹せず、銃で宮崎を撃つことになってしまいます。

これに関しても、ここで凶器をして「手ぬぐい」を使うのであれば、
それはそれで使う相手を間違えていたと思います。

猟銃以外に手ぬぐいを使った理由として、
「手ぬぐいがスライド研究会の友情の証だったから」
とラジオで語られていましたが、
それならば、この日まで手ぬぐいの存在すら
知らなかった宮崎に対して用いるのではなく、
「手ぬぐい」で殺されそうになっても
持ち前の「演技力」で死んだフリもでき、
さらに「手ぬぐい」の由来も知っている前畑先輩に対して
使うべきだったと思います。

この作品でもっとも大事な殺人未遂シーンですが
・未遂にしたいから、誰かが「猟銃」をサークル室に持ってくる
・友情の証で殺したいから手ぬぐいで一旦は絞め殺そうとするけれども、それでは本当に殺してしまいかねないから結局最後は「猟銃」で撃つ
という「無理やり」感が出てしまったことがちょっと残念です。

「名探偵コナン」のように探偵がそこにいるから事件が起こるみたいな現象は
あまり褒められたものではありません。

そもそも、横領事件から逃れるために強盗殺人を犯すにしても
サークル室使用の申請を大学側に提出しているでしょうし
(つまり、大学側は少なくともこの日この部屋を誰が使っているか知っている)
土曜と云うことで学内に他の学生も存在している中
「銃声」を響かせるなど云う犯罪を犯すのは、
リスクしかないので
いくら精神的に追い詰められていたとは云え
ストーリーとしては「バカ」すぎるのですが…。

話を面白くするために
観客を驚かすためだけに
銃を用意したり、殺人事件を犯させたり
舞台を見ている殆どがザ・プラン9ファンだからこそ
「心温まる素敵な話だった。」と、感動してくれますが、
ただの作品として見ると、違う意味でドキドキです。


このことを持って覚王山作品が久馬作品より劣るかと云うと
そうではなく、これと同じことが、「室内の人々」にもあります。


それは、お誕生日会を欠席した坂本の2つの携帯電話です。

なぜ、2つ持っていたのか?

たしかに2つ携帯電話を持っている人はいるでしょう。
しかし、この場合、普通は用途に応じて使い分けしませんか?
例えば、1つは仕事用、1つはプライベート用。

携帯電話の機能の1つにグループ分けと云う機能があります。
安井の部屋で行われる誕生会に出席するのはかつての同級生です。

ところが同じグループであるはずの安井の携帯番号と杉の携帯番号が
それぞれ違う携帯に登録されていたことになります。

安井と杉の携帯番号をなぜ、それぞれ2つの携帯に別々に登録しなければならなかったのか?
そもそも、何故、坂本は2つ携帯を持っていたのか?



かつて、ミステリー小説に嵌っていたせいか、どうもこういう細かいところが目についてしまうようです。



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