満員電車の中の広告に若狭の鯖街道の記述があった。
だからってこともないのだけれど、今日、昼飯を食おうと券売機の前に立つなり、鯖の塩焼き定食590円也のボタンを押してもた。
ほんの直前まで、口は焼肉ビビンバ定食になってたのにな…。
魚は好物のひとつである。
秋刀魚に鯖、この背の青い連中も例外ではない。
昔、師匠と飲んでて、「お前に食われたら、秋刀魚も本望やろな」と言われたことがあったっけ。
鯛や鰤のアラなんてのを食べるとものの見事に骨格標本を作っちまう。
僕の秋刀魚の食い方は、シシャモの食い方と同じなもんで、以前勤めてた会社の部下は、吃驚して僕が秋刀魚を頭からむしゃむしゃやるのを見てたっけ。
今の勤め先の総務の課長は、40歳ほどなのに、魚を食うのがヘタである。
香住の民宿に蟹を食いに行ったとき、翌朝の朝食に出た干物を不器用そうに食ってるので、「よこせ」と言って全部骨ごと平らげた。たいそう美味くて朝から飯を5〜6杯食った。ビールも美味かったな。
しめ鯖やバッテラの類も好物である。
特に相合橋の正宗屋のしめ鯖は脂が乗って最高に美味い。
酢のしめ具合が抜群にいい。不味いとこのんは、脂も抜けてかすかすやからな〜。
この正宗屋は板さんこだわりの料理もあるし、何せ黒門市場が近所にあるので、肴は抜群に美味い。
一昨年、アメリカを1ヶ月余り旅した。ジョージアからフロリダ、南部の大味な料理を食べ続けて半月ほど経って、ワシントンDCの中華料理屋で渡米後、初めて日本のビールにありついた。もっともカナダ醸造のサッポロやったけど…。
9月12日にニューヨークに移り、和食だかなんだか分からんブロードウエイの無国籍料理屋に辟易してた頃、「EAST」という日本料理の店に行った。
「鯖の塩焼きが喰いたいなあ」
とダメ元で言ってみると、なんとっ!!
出てきたのですよ、見事な鯖の塩焼きが。
皮をはしでつついてみると、プシュッと音を立てて脂が飛び散った。
皮の盛り上がり具合を見ただけでも脂の乗ってる様が見て取れる。
塩加減も抜群。キッコマンの醤油ともよくあう。ヘタな日本のチェーン居酒屋より絶対に美味い。
まあ、アメリカに行って、和食屋に行く意味もないのかもしれんねんけど、みなさん、ニューヨークで和食が恋しくなったら、ぜひっ。

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