Was he thinking about my country or the color of my skin?
Was he thinking about my religion and the way I worshipped him?
Did he create just me in his image or every living thing?
When God made me. When God made me
彼は僕の国や肌の色を思い描いたのだろうか?
彼は僕の宗教や彼を崇拝する方法を思い描いたんだろうか?
彼は自分のイメージどおりに僕や生けとし生けるものを創造したんだろうか?
神が僕を生み出したもう時に。
ニールヤングの新曲の一節やな。
70年代のニールヤングは、ジーザスや教会に対する不信感を歌っていた。
Jesus I saw you walkin' on the river
I don't believe you
ジーザス、僕はあなたが川を歩いて行くのを見た
僕はあなたを信じない。
(Soldier)
Churches long preach sex is wrong
Jesus where has nature gone?
What am I doing here?
教会はずっと性は罪悪と説いているけど、
ジーザス、自然の摂理ってのはどこに行っちまったんだ?
僕はここで何をしたらいいのか?
(Love In Mind)
I was talkin' to the preacher, said God was on my side
Then I ran into the hangman, he said "it's time to die"
僕は説教師に話しかけた。「神は俺の味方だ」と。
そして、死刑執行人のところに駆けて行くと、彼は「死ぬときだよ」とぬかしやがった。
(Are You Ready For The Country?)
ところが、21世紀に入って、ニール自身の視点が変わってきてるように思える。
Show me how to live like you,
See no evil, hear no evil,
Feel no evil in my heart.
神よ、あなたのように生きる術を示してください。
僕の心の中で、悪を見ず、悪を聞かず、悪を感じない生き方を
(Two Old Friends)
神に対する不信感や疑問から、むしろ、神の教えを曲解している人間の側に罪があるという視点に変わってきてるように感じるのだ。
神の名の下に戦う愚行を繰り返す人間の側に。
Rollin through the fightin',
Rollin through the religious wars
Mostly came up with nothin'....
A little love and affection
In everything you do
Will make the world a better place
With or without you
戦を戦い抜く。宗教戦争を戦い抜く。たいていは無意味なことなのに…
何に対してでもちょっとした愛と心遣いがあれば、
この世界はもっと良くなるのさ。君がいようといまいとね。
(Fallin' From Above)
欧米人てのは宗教心に厚いと、僕らは思ってる。
確かにそうなんだろう。日本のロック歌手が神について歌うことはほとんどない。
日本人は歌うべき対象の神が明確でない、と言えるのかもしれない。
では、日本人はすべからく無宗教か。
いやいや、日本人には現代にまで連綿と続く確固たる宗教観がある。
何か?
それは「先祖崇拝」やな。
未だに盆や彼岸は年中行事として存在する。墓や仏壇に手を合わせ、正月には神社に詣でる。若者でも強制されることなく、この国に連綿と続く宗教行事に参加している。
米を残せば、バチがあたると言う。この国には八百万(やおよろず)の神が存在するのだ。便所にも、台所にも神がいる。アラーが800万人もいるのだ。
なぜ、この国の民は多くの「神」を受け入れたのか?
それはこの国が、実は単一民族ではなく、多くの移民からなる多民族国家であるからに相違ない。
大和とは、大きく和する。いろんな民族を束ねた朝廷を意味する。
恐らくそれぞれの国を追われた移民がたどり着いた地、それが日本なんだろう。
だから、単一の宗教を国是とできない。全ての神を受け入れる必要があったんやな。それぞれは特定の神ではなく、自分の父祖に手を合わせる宗教観が定着したんやな。
神の裁きではなく、「バチ」であり、祖先の霊魂や恨み、怨念といったものに畏怖する。それがこの国の宗教観なんやろな。
言葉を変えれば、宗教戦争の起こりにくい宗教観なのかもしれないな。

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