ボブ・ゲルドフやったかが、またこんな企てをしとるとは最近まで知らんかったな。正直言って、このようなイベントひとつにしても何かしら胡散臭さを感じてまうんやけどな。
飢餓を救え、なんて言ってもなー。この世界を牛耳っとる奴らが、そんなことしても何の得にもならんと判断しとるんやからね。
いやいや、もっと言えば、そいつらが飢餓を作って、そのことで商売しとるようなもんやからね。
純粋に「Right On!」って拳を高々と挙げる気にはならんわな。
ただ、ニール・ヤングが、カナダ・トロントの会場のトリで出るってのには、関心があった。
何せ、ちょっと前に動脈瘤のオペをやったばっかしやったから、「大丈夫なんやろか?」ってのが、まず第一。それにオペ後、ナッシュビルで録音中というニュースが流れてきてて、サポートメンバーにスプーナ・オールダムやリック・ローサス、チャド・クロムウェルなんて名前が挙がったり、「ゴスペル」なんてニュースが流れて来てたから、「ひょっとして新曲を演るかも…」って期待があった。
何よりもあの「greendale」の次に何をやるのかが、非常に興味があった。
だけど、便利な時代やね。インターネットを通じて、ライヴ映像をオン・タイムで見ることが出来るんやから。
前夜、眠ったのが、3時過ぎやったけど、朝8時には自然に目が覚めた。
LIVE8のサイトに接続して、ニールの登場を待った。
トロントはサマー・タイムなんかな?
9時前になって「ニール・ヤング」ってアナウンス。
ありゃ、あのサングラスの男は、ダン・アイクロイド?
登場したニールは、顎の辺りの弛みが目立った。病後ちょっと太ったんかな?
妻のペギと一緒やな。
持ってるアコースティックギターのボディの縁を見て「あれ、D-18かな」と一瞬思った。だけど、内臓アンプのコントロールバーが見える。
ニールの全身が映った。「あれ、シングル・カッタウェイ?」
いわゆるドレッドノートタイプのシングルカッタウェイ。
しかも、アンプ内臓?
ピックガードの形は、Taylor? ひょっとしてタカミネ?
演奏し始めたのはカナダのイアン・タイソンの「Four Strong Winds」やった。これで持ってたギターがTaylorなら、カナダ尽くしやなー。
ニールがグランドピアノに移った。ベースにリック・ローサスの姿が見える。89年の来日のときに見て以来やなー。
ハモンドの前に座ったのは、スプーナー爺さんか。まだ元気なんやな。
一段高くなった舞台に男女4人ずつ、8人の黒人クワイヤーが出てきた。
「ゴスペル?」
なるほど、これが新曲か。
歌詞は聞き取れないけど、「GOD」という言葉がよく聞き取れる。
ラストはオールスターキャストで「Rockin' In The Free World」やった。
イベントの雰囲気は分かった。
新曲も聴けた。
次の新譜はどんなコンセプトなんやろか?
その楽しみがひとつ増えた。


0