一昨日の夜はサドルバッグスの二人とスタジオCASBAに入った。
たまにLAZYHORSEのリズム隊抜きでスタジオ入りすることあるねんな。全員がスタジオで揃う前にそれぞれのパートで確認作業をやっておくのは、当然なんやけど、意外とスタジオ入りしてから、「よっこらしょ」と復習から始めるバンドも結構多いからね。
そんなバンドのリハは、ほんまにテンションが下がってまう。
その点、LAZYHORSEのスタジオワークはかなり面白い。
初めての曲なんかは、たいていの場合、僕がギターで弾き語り始めてそれにバンドがからんでくる。原曲のニュアンスを伝えることもあるけど、実際の音作りは、オリジナル曲をやってるのとなんら変わらない。
全体の骨格が固まりだしたら、チェック作業が始まる。曖昧な部分、ちょっと面白いアレンジを入れたところ…、ちょっとしたリズムの変化でも、その部分だけを延々とチェックする。
「千本ノック」って僕らが呼んでる練習やな。わずか4小節に小1時間ぐらいかけることはしょっちゅうある。
2時間の間、1、2曲しかでけんことも頻繁にあるな。
実際、来月11日の原宿クロコダイルでのライヴは、20数曲を用意してるんやけど、まだ全曲を通して演奏してない。明後日ぐらいには、始めないとね、って感じやな。
基本的にリハでは、徹底的にきっちりやる。かちっと固める。
それをライヴではぶち壊す。それがおもろいし、レイジー流やな。
そんな練習やから、個人レベルでの予習・復習は欠かせない。
サドルバッグスとのボーカルパートの練習は、ピアノがあれば、何とかなるんで、小部屋でも十分やからね。時には、ミキシングルームを借りたりすることもある。
歌だけの練習なら、カラオケボックスのほうが安く上がる…。
そりゃ、そのとおり。実際、昔、お遊びでやってたユニットなんかの時は、カラオケでやったこともあった。
だけど、それでは、「生活発表会のためのお稽古」にはなっても、「ショーのためのリハーサル」にはならん。
譜面台を立てて、マイクを手に歌うのなんざ、ロックのステージやない。
特に今回は、東京向けの新たな趣向を練る必要もある。
午後8時から約2時間。たった1曲を歌い続けた。
ちょっとしたブレスの入れ方、音節の切り方・伸ばし方、発音やアクセント…。実際のところ、どの「音」で歌うかより、どの「リズム」で歌うかの方が、コーラスを編み上げていく中では十分に時間を割かなきゃいけない要素やな。
こんなスタジオワークを重ねていくと、だんだん、バンドに新たな試みを入れたくなってくる。
2本のエレキギターとベースにドラム。4人で始めたLAZYHORSEも、女性ボーカルが加わり、スティールギターが加わり、ピアノが加わり、ハモンドも加わった。
演奏を重ねていく度に、無数の「やらなきゃならないこと」を発見し、それ以上に際限なく「やりたいこと」が生まれてくる。
うるるとムー、二人で始めたサドルバッグスにも、「やりたいこと」が芽生え始めている。
まだまだ時間はかかりそうやけどね。
You know, it takes a long, long time.


0