胸を張って卒園していくこどもたちを見送ったところで、感慨がこみ上げてきた。
実は今年度限りで園長職を退くことになっている。
あと1週間だ。
卒園式終了後に次の園長さんと引継ぎを行うことになっていたが、なにかこみ上げてくるものの始末をしたい気持ちもあって、うまく進まなかった。
こどもじみた話だが、地域のみなさんへの挨拶まわりを理由に、主任さんに任せて外へ出てしまった。
25日が賞味期限の赤飯饅頭を配るのだから、正当な理由だと言えないこともない。
次の園長さんがその日しか時間が取れないということだから、まんじゅう配りを主任さんに任せても良かったのだが、なぜかそのとき、これまで地域との関係を作ってきたのは自分だから、自分で始末をつけなければいけないという意識が先に立ってしまった。
どなたにも自分が退くということは言わず、「新年度もよろしく」と挨拶をしてまわったのだが、この老体にいつもと違うところを嗅ぎ取って“お別れの挨拶”みたいに感じた人もあったかもしれないなあ。
事実、今日の卒園式のことを初め、こどもたちとの4年間の付き合いのあれこれを思い浮かべながら、普段は車で行くところも歩いて回ってしまったもんなあ。
なんかこう、こんなときってあるじゃないですか。
一つの区切りだからといって「はい、ここんところは受け継いでいってください」「ここんところは新しい方針でどうぞ」「はい、以上!」というふうにすっきり行かないときがありますよねえ。
それだけ卒園式が感慨深いものであったし、そのあとしみじみと、なんつーか“感傷”に浸りたいような気持ちになったんだなあ。男のくせに、というか年寄りのくせに。
その時間に相手の都合で事務の引継ぎを行わなければならないということに「抵抗」を示したわけだ、ははははは・・・笑っている場合じゃなくて、本当に失礼なことをしてしまった。かっこ悪いから謝らないけど「ごめんなさい」。
制度改革の見通しの中で、市行政との関係を強化するという経営者の方針から決められた人事だから、合併を進めるために町長を退いた時のように毅然とした態度で臨むべきところだったが、なんとなくぐずついてしまったのは、このところの天気のせいだろうか?
いや、違う、そうだ、ブログに書くことがなくなってしまうからだ!
そうだ、「じいちゃんの保育園日誌」は廃頁になってしまうかもしれない!
これはさびしい。
卒園式の写真はないが、その後のものを載せておこう。

「そつえんしたぞーい!」

「おわかれランチだ!」

「おいしい!・・・ママ、ピースしといて」

保護者会会長さん、1年間ありがとうございました。

会計さん、1年間おつかれさまでした。

「ほいくえんでいちばんたのしかったことは・・・ママ、なに?」

「しょうがっこうでがんばりたいのは○○○」「ほんとかなあ」

担任の奥村センセーを先頭に、紙ふぶきの中を門出!

「さよなら!」「らいしゅうまたくるよ!」
夕方、お別れの「職員親睦会」が開かれたが、25人中お酒を飲むのは私一人。
なぜかまた中途半端な気持ちになって・・・でも退職や異動のセンセーたちに配慮して会の後半を取り仕切って、インタビューしたら泣いてしまうセンセーもいて・・・私は男だし老人だから泣いてはみっともないし・・・
退職する主任さんがなぜかすっきりして明るくおしゃべりしているのを横目に、「ちょっと次の予定があるから」と言い置いて会場を出て、無理してカッコつけてタクシーで岐阜駅へ。JRで木曽川へ。(木曽川までタクシーを飛ばさないところがいじらしい)
のんべばっかりいる場所へ行ってお酒を注ぎ足したけど、こいうときってやっぱ酔えないなあ。

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