増築の基礎工事のために
「木(シマトネリコ)を引っこ抜いて処分する」「池をつぶす」という話が、工事屋さんから伝わった。
じいちゃんは怒った!
こういうときのじいちゃんはこわい。まるで
ほんとのウルトラマンみたいだ。
「こんな立派な木を処分するとは何事だ! この木がここまで大きくなるのに何年かかったと思っているんだ!」
「池をつぶす? こどもたちが親しんできたメダカやザリガニを、生き埋めにするというのか!」
じいちゃんは年寄りだし、
ほんとうはやさしいのでこんな激しい口調ではないが、それに近いような迫力で
工事屋さんにかみついた。
じいちゃんが町長のとき、
木曽川河川敷をみんなが親しめる
「自然公園」にして、それを
『雀のお宿』と名づけようと考えた。いや、考えただけではなくて実行した。
木曽川町の河川敷は、
50数種類の野鳥が生息し、270種類位の野鳥が観察できるという優れた自然環境だ。
その自然に親しむために
遊歩道など最低限の整備をする。そのためには木を切らなければいけない場合が出てくる。
そこで最初にやったのが、
学校の理科の先生や
「野鳥の会」「自然友の会」の人たちに集まってもらって、野鳥保護のために
切ってはいけない木に印をつけることだ。みなさんとても熱心で、たくさんの木にテープが巻かれた。
ところがだ、 ある日工事現場を見回りに行ったら、幹まわり豊かな
大きな木が切り倒されている! 2本・・・3本! 現場の人に
「何で切ったんやね!」と聞いたら
「重機が入るのに邪魔になったで」という答え。
まあ、じいちゃんは怒ってまって、工事屋さんの本社へ乗り込んだ。
「あんたんとこ、何やってちょーす! 切ってはいかん木を切ってまって! もとどおりにしてちょー!」」
じいちゃんは怒ると
尾張弁になってまうのだ。
規模は違うけど、保育園でも同じ事をやってしまったんだよ。
で、結果はどうなったかというと、さっそく造園屋さんに頼んで
木を移植してもらったんだ。
じいちゃんがワーワー言うほど大きくないけど、5本の幹が寄り合った形の良さ、枝ぶり、それに
真っ白で細かい花がいっぱい咲くんだ。去年の夏は
クマゼミが来たぞ!
そして池・・・
ガーン!ぐちゃぐちゃなところが池で平らなところがシマトネリコが植わっていたところだ。
小さな山になっていて
‘せせらぎ’もあったよなあ・・・
でも、
大丈夫だ。池は他の場所につくりなおすことにして、じいちゃんとイマキセンセーは救
金魚とメダカとザリガニを救出したんだ!
ほら!

金魚は2匹、メダカもザリガニのこどもも10匹以上、中にはこんなやつもいた!
わっはははは、
でかい!
でもこれ、
何食べてこんなに大きくなったんだろう?
自然界の出来事は不思議だ。
というようなことを繰り返しながら工事は進み、沖ノ橋保育園は良くなっていくんだ。

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