日曜日、
瑞穂市市民センターまで
『第九』の練習に行った。
お目当ては1年ぶりにお会いする
指揮者のりー・チェンさん。なにかこう
“大陸的”なゆったり感がとても好きで、練習を楽しみにしていました。
リーさんは私のことを覚えていてくださって、
「ナイストゥーミーチュー!」
握手を交わし、
ご無沙汰を詫びました・・・なんていうと会話が成立したように聞こえますが、実は、
「ロングタイムノーシー!」
と言っただけなんです。これでニコニコ通じ合えるところが、ほら、
人間関係ですよ。
去年の練習では、みんなのために私が
ボランティア通訳さんを連れて行ったんですが、なにしろ世界最高峰の合唱をどう歌うかという
高等なやり取りですから、通訳さんも時に窮してしまいます。専門的なことが分からなかったりして。
そういう時リーさんは決まって
私のほうをチラッと見るんです。そうなればそこはトモダチだから当然
助け舟を出す。
なーにね、以心伝心ということもあるけど、中途半端では右にでるものがいない私は「ハハーン?」と
見当つけて通訳するんです。
例えば高い音の部分でソプラノが
にわとりが首を絞められたような声を出す。そこでダメが出れば、
いいたいことは決まってるじゃないですか。
「えー、ここは喉を絞らずに、声が頭のてっぺんに抜けていくように歌ってほしい・・・と指揮者は言っておられます」
というと、リーさんは日本語は分からないけどにっこり納得されて次へ進む、というわけです。通訳さんはたまったもんじゃないですね。
で、私は
非常に快く歌うことができたのです。
なんせ「ベートーベンは
人間の声を楽器と間違えてるんじゃないか?」と言われるほど
音が高いんですが、
それが出ちゃうんです、リーさんの指揮だと。これが快い。
(憎たらしい指揮者だと
“出ないものは出ない!”と知らん顔してるんですけどね)
歌の途中で何度もだめを出されるんだけど、英語はよく分からなくても何を要求されているのか分かっちゃう。これも快い。
(ヤマグチサン、モット
オオサマノキブンデウタッテ・・・
目で分かる)
そこで私、ふとこんな風に思っちゃいました。
「7月2日の本番は“冥土のみやげ”にできるような『第九』になるかもしれない」
去年の打ち上げパーティーでは、みんな言葉の壁を感じてか、なかなかりーさんと
交歓しようとしない。そこで私がそばにいてあげたんですよ。
そんなものはねえ、
お酒酌み交わしてりゃ言葉など要らない。時々
中華風の食べ物を見つけて
「グッドグッド!」とか言ってれば、気持ちが通い合うどころか
「日中友好親善」ですよ。
今年のパーティーも「冥土のみやげ」にしよう!

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