今回私が
不審者役をやることになった。気が進まなかったせいか、
変装用具を家に忘れてきてしまった。これで誰かが交代してくれると思っていたが・・・甘かった。ちゃんと
サングラスと帽子が用意されていたのだ。
善人の私としては依然として気が進まなかったが、結局
「エンチョウセンセー時間です」という言葉に促されて、変装した。

できればここで
「プッ!」と吹き出さないでいただきたい。
この不審者が
園児を一人連れ出したところでセンセーが
どんな対応ができるか、これが本日のテーマだったのだが・・・
私が選んで忍び込もうとしたクラスの
若いセンセーが、訓練開始時間を知らされていなかったために
真剣にびっくりして、必死に戸を押さえて青い顔で
「だめです!帰ってください!」・・・
火事場のなんとやらで、私の力でも開けられない。
私のほうこそ段取りが違って
びっくりしたが、ま、結果的には
訓練成功だったわけで、それにしても若い先生、かわいそうだったなあ・・・。
いや、もっとかわいそうだったのは・・・この
ピンクの帽子、センセーのものだとばっかり思っていたが実は
園児のものだったようで、その子が、怖いおじさんが自分の帽子をかぶっているのを見て、
ポロポローっと涙を流して
泣いたのだそうで・・・いや、確かめもせずに君の帽子を使ってしまって、
ほんとに悪かった。2才の女の子だもん、わけも分からずに悲しいよね。
そしたらやっぱりばちが当たって・・・その子の5才児の
お姉ちゃんが事訳を知って抗議に来た。
「エンチョウセンセーのあたまくさいから、○○ちゃんのぼうし、くさくなっちゃったんだよ!」
なんとも答えようがなくて、
「いや、頭がくさくなるほど髪の毛ないよ、センセーは。ほら、さっぱりしてるよ」
間が抜けているというか、まるで答えになっていない。
その後センセーに抱っこされて私のところへ来た当の
妹は、じーっと私の顔を見て
(あのふしんしゃはエンチョーセンセーだったのか)と分かったらしく、私に抱っこを求めてきて、ぽろぽろっと
安心の涙を流してくれた。
お迎えにこられた
お母さんに謝りながらそのお話ししたところ、
「はははは!」
でおさめてくださったからいいようなものの、まちがえば(まちがわなくても)
保育上の大問題だ。
市長さんが聞かれたら
「せっかく民営化した園に、誰があんな園長連れてきたんだ!」と、叱られるかもしれない。
次回から、
絶対不審者はやらない!・・・そんなことで挽回できる問題じゃないけど。

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