12日、朝から木曽川体育館へ。本日
「木曽川連区敬老会」。
町長就任2年目に、3つの小学校の体育館で行われていた「木曽川町敬老会」を、
体育館に1本化して開催することにしました。
芸能好きな
親父を連れて毎年敬老会に行って、こんなことを感じていたからです。
1.どの会場も
出席者が少ない。各学校の体育館はがらんとした感じです。
2.
お弁当が出るのだが、欠席者の分は、町内の役員さんが出席を確認した上で各ご家庭に配って歩かれる。これが
大変な労力。中には、お友だちの分も含めて弁当だけを取りに来られるお年よりもある。
3.だから受付が忙しくて、会場のお年寄りに気を配るのが難しい。
こんなことから「
年に一度の敬老のお祝い、
町中のお年寄りが一堂に会して長寿を喜び合う」という会にできないものかと考えたわけです。
そこで
1.
木曽川町体育館に一本化する。
2.
バスで各町内から会場まで来ていただけるようにする。
3.
「テレビで見たことがある」タレントを呼んで、楽しんでいただく。
4.それらの経費を捻出するために、
弁当を廃止する。
さいわいこれが受け入れられて、会場は
1000人を超すお年寄りでいっぱい!という状況になりました。
うれしかったのは、急な変化に対応してくださった人々の活躍、特に
ボランティアのみなさんの力! 各町内の臨時バス停にも人が張り付いて乗降を介助、体育館前にバスが着くたびにおおぜいのみなさんがワッと迎えに出て館内までご案内。館内では
中学生のボランティアが100人以上も待機していて、
「こんにちは!」と会場にご案内。
孫に手を取られてという感じで幸せそうなお年寄りを、写真好きのみなさんが待ち構え、一人ひとり
記念撮影・・・全部みんなで
アイディアを出し合って自発的に行われたんですね、これらが。のちに
「福祉の町木曽川」といったり言われたりするようになったこの町、こういう自発的なボランティア精神があったればこそと、今思いますねえ。
ところが、2年目だったか、出演してくれた漫才の
庄司敏江・玲児さん(字が違うかなあ?)が、軽い乗りで
「いらん」ことを言ってくれましてねえ。漫才を聞いているおばあちゃんが膝の上でごそごそと何かをいじっていました。それをみつけた敏江さんが語り掛けました。おばあちゃんと漫才コンビのやりとりです。
「おばあちゃん、それなんや?」
「お菓子」
「誰にもろてん?」
「町長」
玲児さんが受けて
「おまえとこの町長、ケチやなあ!」
会場
爆笑です。爆笑はいいけど、当初からくすぶっていた「弁当廃止」に対する
批判を増幅することになりましてねえ。あちこちから
「弁当がもらえないなんて、お年寄りがかわいそうだ」「町長はお年寄りの一番の楽しみを奪った」という声が押し寄せてきて・・・町長室に談判にこられた方もありました。
でも、それまでの何倍というお年寄りが会場に来られて、ステージにも大いに満足しておられる・・・弁当は復活させませんでした。
ただ「おまえとこの町長ケチやなー!」というのがお年寄りの気持ちの中にしみこんでしまったようなので、対策を考えました。予算は増やせないとすると・・・
そうだ、
尾張ではいただくものの値打ちは「重さ」で決まる!
というので、明くる年のお菓子袋に
「ういろう」を入れました。そうしたら、準備をする役員さんからは「重い」と不評で・・・
笑い話のようだけど、こんなこと
真剣にやったんですよ、担当職員と額を寄せ合って・・・今考えると、いい役所でしたねえ。
といことはさておいて、
「アクテノン」とは一体何なのか?
敬老会を途中でゴブレーして、
『ぞうれっしゃがやってきた』の練習に名古屋は中村区稲葉寺まで駆けつけたのですが、その練習会場がアクテノン。もとはといえば
「配水塔」(水道施設)なのですが、それが今では演劇など
舞台芸術の練習場として利用率99%を誇っているという・・・。
しかも、いきさつが良い。当時の
名古屋市長と名古屋の演劇人の話し合いの中で出てきたアイディアが「じゃ、そうしよう!」とばかり実現されたのだそうで、
「粋」というか
「センス」というか、行政もなかなかのもんだ・・・というお話しはまたあとで。保育園にでかけなければ!

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