昨日「孤独な老後」を体験した。
イギリスに転居する娘の手伝いで、女房殿は二日前から沖縄。
1、2日目はお仕事で忙しかったけど、昨日はお休み。ぼくひとり。
【朝食】 「莱芙」さんでおいしいパンとコーヒー。
隣のお客さんやマスターと七夕の話などして、明るく陽気に。
午前中、切羽詰まってきたからイギリス行きの用意。
一番の問題は長時間の飛行機旅・・・これで解決。
二番目はお医者さんに内緒だから薬を忘れないこと。10粒入れた。
三番目は向こうの気候。Tシャツ、涼しけれはその上に半袖シャツ、なお涼しければジャンパー、さらに涼しければカッパ・・・なんせ紳士の国だからブレザーとビシッとしたズボンと歩くためだけじゃない靴、あ、帽子・・・これでどうだ!
あとは「リカちゃんお泊りセット」・・・一応ヘアブラシとか整髪料とか歯ブラシとか・・・
【昼食】 カップラーメン・・・
午後、「生うに」をいただいたお礼の似顔絵を描く。大槌町小川旅館のご主人。「漫画チックに」という要望にお応えするべく、気が引けるけどこんな風に描いてみた。
油性ペンというのは、後戻りが効かないからむつかしい。それにしても鼻の穴と目ん玉とほっぺた・・・叱られるかなあ。
それにしても、かつて7人で暮らしていた家に一人でずーっといるというのは・・・何かを感じさせるものだなあ。
と、ここまで「孤独な老後」。午後8時には女房殿帰宅。それから夕食準備。
【夕食】 これが問題
小川旅館さんから送られてきた「生うに」、なんせたった二人の家庭に大きなビン2本分、その上1本分いただいたところで女房殿は沖縄、私は外食と弁当。つまり残りのウニを今夜どうするかが問題。
私はドバっと皿に移して食べ始める。女房殿は「卵類はこの季節気を付けないかんで、せっかくやけど遠慮したほうがいいんやない?」と言う。
(ああ、家で夕飯食やあよかった)(ああ、姉におすそ分けすりゃあよかった)(ああ、名古屋の娘を呼びゃあよかった)・・・貧乏人的反省が走馬灯のように駆け巡る。
たまらずに私は言った。
「わしは自分でええと思って食っとる。横たでつべこべ言わんといてくれ!」
日本では、その食い物が腐っているかどうかは、お父さんが「ちょっと待て、俺が食ってみる」といって判断したものだ。これが家長の責任というものだ!
賞味期限? ちゃんチャラおかしい。 消費期限? おととい来い!
久しぶりに日本のお父さんを演じた私、今朝のオツージはごく通常であった。
そして三陸の雲丹は、以前にも増して旨かった!
かくして私の孤独な老後は幕を閉じた。

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