近頃1、2歳児の部屋の前を通ると
「エーエーエーエー!」「エンヨーエンエー!」と声がかかる。2人・・・いずれも男の子だ。
「エンヨーエンエー」・・・どうも
私のことを呼んでいるようだ。ほかのセンセーもそうだろうという。
そしてその声がかかると、まだ「あー」とか「うー」としかいえない子らも集まってきたりする。
低年齢児の部屋は、ガラス戸を開けても
「柵」があるから、その柵越しに「エンヨーエンエー!」である。何人かが柵につかまってこちらを指差したりしている。なんとなく
動物園の光景に近いものを感じたりする。
そんなこどもたちの
「群れ」に手を振ったり声をかけたりしていて、ふと考えた。
「どっちが柵の中なのか?」
そしてすぐさま結論を得た。これは、こどもたちが動物園でそうするように、
「あ、ゴリラだ!」
といってみんなで柵まで走っていく、あの光景なのだ。つまり、
私の方が「柵の中」なのだ。
残念ながら、そう考えると彼らの気持ちがよくわかるだけに、悔しい。
「ジイジ」から「ジイチャン」そして「エンチョーシェンシェー」と、めまぐるしく成長していったあの女の子が、幼稚園に転園して初めての夏休みを迎え、今、
一時保育でわが園に来ている。
「わたし、おじいちゃんがふたりいるよ」
「ようちえんにもエンチョーシェンシェーがいるよ」
などとお話してくれたあと
「お手紙」をくれた。

お手紙、ぎっしりだ。ありがとう!
ひとこと言葉が言えるようになると、それをきっかけに一気に
「おしゃべり」になってしまう子もいる。今、そんな子のうちの一人が、
ないしょだけどクラスのセンセーの目を盗んで職員室に来て、ひとときおしゃべりを楽しんでいく。何の話だかよくわからないけど、本人は
満足そうに帰っていく。なんとなくこちらも納得してしまうところがおもしろい。
こんな「年頃」のこどもたち、今日も元気だ。


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