風呂に入っていてもコーヒーを飲んでいても廊下を歩いていても、演奏の失敗シーンが頭の中に湧いて出て、昨日朝までやりきれない気持ちが続いていた。
やれるだけやって物事に臨まないからだ、だからお前は中途半端なのだ・・・神様の声が聞こえる。
そうだ、11月1日までにやらなければいけないことがある。どうせ間に合いっこないとうしろ向きになっていたが、後悔を繰り返してはいけない。やろう!
ニュージーランド旅行でのスケッチに色をつけて「木曽川町文化祭」に出すと公言してあるのだ。
ただ色をつけるのではなくて、スケッチの鉛筆の線を油性ペンでなぞって「くっきり絵」にして彩色する。
これまでこんなのを描いたことはあるが、こんなややっこしいのではなく、もっと線の動きが自由なやつ。そしてそのうち、白紙にいきなり油性ペンで描けるようにする、その実験。
油性ペンは一発勝負、後戻りができない、つまりきっぱりしている。そう、後悔しない! 男らしいなあ。今私がやらなければいけないのは、これだ!
もともと水彩画は「筆のタッチは一発勝負」という性格のものだから、やろうとしていることはなお男らしい。しかも6,7枚の絵を一日で仕上げようというのだからなおなお男らしい。そんなものを展覧会に出そうというところがもうきわめて男らしい。これで「後悔」を脱却するのだ!
というので、非番の昨日、一日どっこもいかずに描きまくった結果がこれだ。
はははは、なーんだこれか・・・という感じだが、これをなんとか一枚の額につめこんで今日!展示会場に届けなければいけないのだ。
とりあえず「男は度胸」という『寅さん』の心境に達することはできた。
やるしかないんだ!と腹を据えたところへ、ロータリークラブのSAAさんから電話が入った。
「昨日はありがとうございました。みなさん大変喜ばれて、また何かの行事に呼ぼうという声まで出ています。G5出演を企画した私もとてもうれしいです」
私は『三丁目の夕日』のラストシーンを思い浮かべた・・・さあ、元気を出して「絵手紙教室」に赴こう。

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