本日は弦楽器、管楽器、打楽器、声楽の「本戦」。
予選で数百人の中から選ばれた数十人の有志、その力量を審査する・・・
まことにおこがましいこと・・・ともう言ってはいられない。
自分の音楽的直観力、いや「力」といえるほどのものじゃあないが、素直な心の反応を信じるだけだ・・・などと殊勝な思いにふける。
指揮者のリー・チェン先生が審査員室に入ってこられた。さっそく泣きつく。
「・・・DIFFICULT・・・」
リー先生はやさしく、
「・・・INSPIRATION・・・・」
さすが、カタコトで訴える私の心境をキャッチしてくださる。
リー先生は英語しか話されないのだが、この音楽祭を通じてなんとなく仲良しになった私が、どれほど理解できるかをよくご存じなので、常に易しい英語で話しかけてくださる。
まさに“INSPIRATION”的な会話だなあ。
心強い味方は他にもいらっしゃった。
私と同じ立場の「文化人審査員」のもう一人は、かつてラジオの人気番組で若者のアイドルだったという元女性アナウンサー、現在岐阜市の文化協会(名称が違うかもしれない)会長さん。
ジャーナリストとして「NHK岐阜放送局」の局長さんと「岐阜新聞」の副編集局長さん。
大船とはこういう船なのだと、お話ししていて実感した。
が、本線会場に入るとやはり緊張する。
神聖な場所という感じに静まり返っている。
度胸しかない私は故意にエラソーに一番前、リー先生の隣に陣取る。
こんな感じ。
いかに野次馬の私でも、演奏中の写真は撮れない。
午前9時半から午後4時半まで、休憩をはさみながらこの状態で座り続ける。
昼の休憩のアナウンス、日本語。リー先生が聞かれる。
「HOW LONG ?」
「30MINUTES」
「LUNCH ?」
「MAYBE」
ということで、弦、管、打、声、数十人の演奏を聞いた。
さすが、というより、ああこんなレベルの高い演奏の審査を私が、と改めて責任を感じてしまったのだが・・・
私、ほんとにおいしいものを食べたとき、涙が出るんだ、飲んだ時も。そういえば「いい言葉」を聞いた時も。
まずバイオリンの部のある演奏で、なんか変だと思ったら涙が浮かんできている。
チェロでもあった、オーボエでもあった・・・そうだ、これで審査しよう。
脳で理論的に評価できないからと萎縮していたのだが、私は特別審査員、こういうのがあってもいいのだと突然気が楽になった。まさにINSPIRATION!
演奏家のみなさん、ごめんなさい。明日もこれで審査させてもらいます。
さて、5時半から本日分の審査結果発表と表彰があるとのこと。
そうなるとその時の私の役割は、リー先生の挨拶の通訳だ。
これはいかん、明日までにやることがある。必死でみなさんにお願いしてやっと引き受け手を見つけて、矢のように会場を後にした。
「やること」、いや、矢のように家に帰ってやったこと・・・これだ!
今日「ひなたぼっこクラブ」、4月誕生の似顔絵プレゼント、間に合った!

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