俺、自慢。かつぎ桶太鼓編−その2  太鼓

かつぎ桶は、獅子踊(ししおどり)や韓国のチャンゴのように体に太鼓を固定させて叩くわけではないので、いかに太鼓をコントロールして身体との一体感を作るか。

よく訓練された中型犬のようにお散歩できるか(笑)

叩き方も正面に構える太鼓と異なり、左手の使い方が難しく、その稼働範囲も狭いので、アクセントや大きな音を出しにくい。

しかも、上から打面を見ても表面は薄いお皿のようにしか見えないし、裏面に至っては見えない(笑)

見えない面にバチを当てていくなんて普通じゃないよね。

体育会系のノリで裏面を叩き始めたけれど、次第に自分では付けているつもりのアクセントが弱いなどの理由から音楽的なアプローチへと変わっていった。

体を捻りながら左ももで太鼓をけり上げるように正面に持ってくると、裏面が引き寄せられ叩きやすくなる。

そして、左手の稼働範囲も格段に大きくなり、音だけでなく視覚的なアクセントも付けられるようになった。

自分が踊るように叩けば、太鼓も踊って見える。

な〜んて、言葉で説明しても分からないよね。

ガハハハハハハ!!!

そう、実はかつぎ桶がそれまでのパフォーマンスを激変させたのは、こういった奏法だけではないのだ。

叩き手の「表情」が加えられたのだ。

それまでは太鼓に向かって無心に叩くことが美徳とされていた和太鼓。

それを「叩くのが楽しい〜!」という歓びをそのまんま顔に出して、かつぎ桶を叩く奴が登場したのだ。

そう、お前だよ!お前!(俺だよ・笑)

‘80年代初め、これはちょっとした物議をかもした。

「笑うな!まじめに叩け!」とか、「お前の鼓童じゃない!どうなっているんだ、鼓童は!」とか。

昔から応援して下さっていた鼓童ファンや太鼓屋さんまでもが私を非難した。

その一方、昔から舞台を支えてくれていた外部スタッフは、「いやあ、アンコールがやっと祭りらしくなってきた。今までは葬式だよ・笑」とか、海外のお客さんからは「初めて笑うニホンジンを見ました」とか。

ぶっちゃけ、当の本人はあまり気にしていなかったんだけどね。

人を意識してそうしていた訳でなく、自然と笑って叩く自分がいて(笑)

要は、状況に応じてってことなんじゃないのって。

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Photo: Kazunori Hashimoto



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