2016/4/23

もっと楽しいことしよ?  MOVIE

本日の映画は
WOWOW「映画工房」の王子ナカイこと中井圭さんが
昨年の秋にご自身のツイッターにおいて
「『ピエロがお前を嘲笑う』(9/12公開)は、
物事の核心に触れる情報が流通する前に
観ちゃうことをオススメします。
何も入れずにどうぞ。」

と、紹介されておられた
「ピエロがお前を嘲笑う」

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です。

最初「映画工房」で見たときには
「『王子ナカイ』?王子?え?胡散臭っ。」
などと思っていたのですが、
この方のtwitterを読むにつれ
全面的な信頼をおくようになり
中井さんのおススメであれば間違いなかろうと
何の情報も入れず準新作になったところで
DVDを借りてきました。

有難いことにTSUTAYAにて
先行レンタルが開始されてから3ヶ月ほど経っていますが、
いまのところ
「物事の核心に触れる情報」はさほど流通されておりません。

女性を中心に人気が高まりつつある
イギリス映画や北欧映画と比べ
いまひとつ出遅れた感のあるドイツ映画だからか、
キャッチーな邦題や挑発的な宣伝文句の割には
よほどの映画通でないとご覧になっていないようです。
(第2次世界大戦関連の映画が多いのも
ドイツ映画が日本で大ヒットにつながらない理由の1つかしら?)

主演は、トム・シリング。

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ちょっとジェームズ・マカヴォイに似ていますね。



ネットで検索して見ると、どうやら
今、日本で最も注目されているドイツ人俳優のようです。

ドイツ人俳優というとパッと頭に浮かぶのは
未だに名前を空で云えない
ティル・シュヴァイガー、
モーリッツ・ブライプトロイ。

このお二方ともなるとすでに
ベテランの域に入っていると云えましょう。

若手では(でも30代)15歳で映画デビューして以来
毎年コンスタントにスクリーンに顔を出している
ダニエル・ブリュールもそうですね。
後、有名どころではミヒャエル・ファスベンダーもいます。

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ドイツ系アイルランド人なのでアメリカや日本では「マイケル」が一般的です。

……。

…どうもドイツでのイケメンは
俳優ではなくモデルやスポーツ選手に
ごっそり引き抜かれているようです。

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こういうハンサムが俳優ではなくサッカーとかしてる。

そんなお国事情のなか、
ドイツ人俳優の新星とも云えるのが
本作の主演トム・シリング(34歳)のようです。

フィルモグラフィーを遡ってみると
以前見た
素粒子
に出演していたそうですが、全然覚えていません。

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あ、この子か。(もちろん左側の子)

2013年主演した「コーヒーをめぐる冒険」が
ドイツアカデミー賞作品賞、
監督賞を含む主要6部門受賞したことで
日本でも一気に知名度が上がったようです。

12歳で映画デビューし今年34歳。
それなのにいまのところ
日本のwikipediaには単独記事が載っていません。
(2016年7月現在)

それもそのはず
ドイツ俳優いう希少価値以前に
出演映画のDVD(劇場公開もDVDスルーのものも)が
悉くレンタル店(一部大型店舗を除く)に置かれていないのです。

一応、これまでに出演作10作品ほどが
何からかの形で日本で公開されています。
(ドイツ本国では短編も含め50作品以上に出演)

ところが、今回
TSUTAYAの「エンタメ作品情報ポータル」を使って
ざっと調べたところ、市内のTSUTAYAでは
本作「ピエロがお前を嘲笑う」と「素粒子」と「コーヒーをめぐる冒険」
の3本しか入荷されていませんでした。

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今twitterで流行っているめけぽんビンゴ
にするとこんな感じ。


昨年末から今年にかけて
「黄金のアデーレ 名画の帰還」
「フランス組曲」
と云った出演作品が公開されたので
今後レンタル店で目にする機会がぐっと増えてくるでしょうが、
これはちと淋しい。

そんなトム・シリングの
(日本における)今後の活躍がかかっている
と云っても過言ではない本作品。

フライヤー(下図参照)によると
「マインドファックムービー」の決定版だそうです。

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なかなか大きく出ましたね。

この耳慣れない「マインドファック・ムービー」とは
いったいなんぞや?

配給会社もようもまあ次々と
映画の新しいジャンルを作ってくるものです。

「ガジェット通信」での説明によりますと
古くは『エンゼル・ハート』
『メメント』
『シックスセンス』
『ファイト・クラブ』、
最近でも『インセプション』や
『グランド・イリュージョン』など、
頭が混乱するような作りや
映画全体を覆す仕掛けや
どんでん返しが用意されている作品のこと。

だそう。

予告編やテレビスポットでくどいくらいに
「あなたは騙される!」
「けっして騙されるな!」
「ラスト○分のどんでん返し!」
と云う煽り文句が出てくるような映画が
「マインドファック・ムービー」らしいです。

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こんなふうに煽られると却って身構えて見ちゃいますよね。

一応私も
「エンゼル・ハート」
「メメント」
「シックス・センス」
「ファイト・クラブ」
「インセプション」
「グランド・イリュージョン」は見ていますが、
「マインドファック・ムービー」なんて言葉は
今回初めて目にしました。

確かにそういう挑発的な宣伝文句に人は心を動かされます。

でも、観る前からそんなふうにやたらめったら煽られると
却って受けて立たなければ
と云う気になって素直に映画を楽しめなくなりませんか?



ということで、
本作のあらすじを簡単に紹介すると

映画は
殺人容疑で指名手配されているハッカー集団
CLAYのメンバーである
「WHO AM I」
本名ベンジャミン・エンゲル、
通称ベンヤミン(トム・シリング)が
警察に出頭してきたところから始まります。

ベンヤミンは、取り調べに当たって
欧州サイバー犯罪センターの捜査責任者である
ハンネ・リンドベルグ捜査官(トリーヌ・ディルホム)を
指名すると、
彼女だけにCLAYが犯した事件の真相を語り始めます。

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ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」で皇太后を演じていた女優さんですね。


父親に捨てられ、精神病を患った母親が自殺した後
唯一の肉親である祖母に育てられたベンヤミン。

そういう生い立ちのためか
他人とうまく接することができず
恋人はおろか友達もいない孤独な日々を送っています。

女手一つで育ててくれた祖母も
今では施設に入れなくてはならないほど耄碌してしまい、
リアルな世界には楽しいことは何もありません。

でんでんから
「お前もボディを透明にしてやろうか!」
(参照:「冷たい熱帯魚」)
と、凄まれる以前に
世間から見れば「透明」な存在のベンヤミンです。

しかし、14歳ではじめたパソコンで
一旦ダークネットを呼ばれる仮想空間にアクセスすると
話は別です。

得意のハッキング技術で一目置かれる存在となった
ベンヤミンはやがて
ハッカー界のスーパーヒーロー「MRX」の存在を知り
猛烈に憧れるようになります。

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私も含めコミュ障にとっての魔法のアイテム、インターネット。

「MRX」のルールは3つ
その1 安全なシステムはない
その2 不可能に挑め
その3 サイバー世界と現実の世界を楽しめ

こういう「3つのルール」を課しているところも
ベンヤミンの琴線に触れたのでしょう。

いずれは自分も「MRX」のようなヒーローになりたいと
渇望するベンヤミンですが、今はまだ足元にも及びません。

そんなこんなでもやもやしていたところ、
バイト中、中学時代の片思いの相手、
マリ( ハンナー・ヘルツシュプルンク)と偶然再会します。

ところが、マリはベンヤミンのことなどまったく覚えておらず
単なるピザを配達してきたアルバイトとしてしか見てくれません。

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メインヒロインと云うにはちょっと残念な感じのマリ。

大学生活をエンジョイしているマリの姿に
すっかり気押されたベンヤミンでしたが、
ピザの受け渡しの際、
マリの試験対策が上手く行っていないことを知り
ならば彼女にためにと、得意のハッキング技術を使って
大学に忍び込み試験問題を盗み出そうとします。

しかし、計画は失敗。

過去に犯罪歴のなかったため50時間の奉仕活動の軽い刑で済み
作業中マックス(エリアス・ムバレク)と云うハッカーと
一緒になります。

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ベンヤミンにとっては初めてのお仲間です。というにはちょっとチャラすぎますが。

自信家でカリスマ性のあるマックスは
その日のうちにベンヤミンをホームパーティに誘うと
同じくハッカー仲間である
シュテファン(ヴォータン・ヴィルケ・メーリング)と
パウル( アントニオ・モノー・Jr)を紹介し
仲間に率いれます。

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マックス以外は新メンバーのベンヤミンも含めお仲間はほぼコミュ障。

最初はベンヤミンの加入を渋っていたパウルたちでしたが、
ハッカーとしての腕を認めると
お揃いのマスクを用意し
CLAY( Clowns laughing at you)
と云うチーム名でメンバーそれぞれの得意分野を生かした
ハッキング活動を開始します。

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この格好で行動します。人目のある公道でも。

4人は手当たり次第サイバー攻撃し、
あっという間にネット上におけるCLAYの人気は急上昇。

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ドイツだからなのかWEBデザインもシンプルで幾何的なイメージ。

ところが、欧州サイバー犯罪センターは
目下FR13NDS(フレンズ)と呼ばれる
ロシアのサイバーマフィアを追っており
新規参入のCLAYのことなど気にも留めません。

そのことを憧れの「MRX」に指摘され
(ネット上の)公衆の面前で
バカにされたCLAYのプライドはズダズダです。

何としてでも「MRX」を見返すためベンヤミンは
ドイツ国内で最も高度なセキュリティを誇るドイツ連邦情報局を
ハッキングすることを決意します。

当初の計画では、局内のプリンターをハッキングし
宣戦布告を記した紙をばらまくだけだったはずが、
土壇場でベンヤミンが暴走。

「MRX」に自分の才能を認めてもらうため
勝手に連邦情報局のデータを盗み出し
それを「MRX」に進呈したため
CLAYは思わぬ事件に巻き込まれることになります。

連邦情報局ハッキングの成功を祝い
マリを始め知り合いを呼んだパーティで大騒ぎした翌朝
フレンズというハッカー集団のメンバー、クリプトンの死体が
発見されたことをテレビのニュースで知る4人。

クリプトンは連邦情報局の潜入捜査官であったため
容疑はデータを盗んだCLAYにかかります。

「MRX」に嵌められたことを知ったベンヤミン。

彼のミスでCLAYメンバーの素性も居場所も
「MRX」に掴まれてしまったため
身の危険を感じたマックスたちは
それまでたまり場としていたベンヤミンの祖母の家に火をかけ、
一旦ホテルに身を隠します。

しかし、「MRX」に反撃するため
ベンヤミンがインタポールに侵入している間に
ホテルに籠っていた仲間3人が何者かに惨殺されてしまいます。

次に殺されるのは自分だ。

完全に行き場を失ったベンヤミンは
欧州サイバー犯罪センターに出頭し、全てを自白することに…。

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身の破滅より身の安全を優先しました。

と、これまでの経緯をリンドベルグ捜査官に
自供したベンヤミン。

しかし、リンドベルグ捜査官は
彼の供述に妙な違和感を感じます。

やがて、裏付け捜査でベンヤミンの供述に隠された
意外な事実が明らかになります。



ということで
前もって
「この映画に仕掛けられたトリックは100%見破れない」
と、釘を刺されてたにもかからわず
真相は見破れませんでした。

完敗です。

最終的なネタバレまでに
セリフや小道具(角砂糖など)を使って
いくつもヒントが出されてはいるので

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ヒント:ベンヤミンの部屋に貼られた映画「ファイトクラブ」のポスター。

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ヒント:ベンヤミンの通う精神科の診療室に飾られたルネ・マグリットの絵。
「Not to Be Reproduced(複製禁止)」


一応第1関門は突破できましたが、
まさかその後に第2関門が用意されているとは…。

第1関門を難なく潜り抜けたところで
仕掛けられた罠を突破したと思っていたので
すっかりしてやられちゃいました。

第1関門が第2関門のミスリードになっているのには
気が付きませんでした。

推理していく経過がリンドベルグ捜査官と
殆ど同じでしたので、
すっかり監督・脚本のバラン・ボー・オダー監督の
手の内で踊らされてしまいましたよ。

トリック自体は頭脳戦なので
派手な見せ場はいっさいありませんが、
ハリウッドがリメイク権を獲得するだけのことはあります。

映画的には
ドイツの真面目で少しお堅いイメージに合っていると思うので
別のハリウッドでリメイクして貰わなくても…
と、思ったりもするのですが、

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パッとしないヒロインも含めこの配役が良かったのですが、リメイクでは誰が?

あれほど怖れられていた「MRX」が
ベンヤミンの捜査協力であっさり捕まり
その正体も「あんた誰?」で済まされたのには
正直拍子抜けでしたので
リメイクではもう少し大物感が出ていると嬉しいです。

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日本でリメイクしたらCLAYのキャストはこんな感じかしら?

バラン・ボー・オダー監督にとっては
長編2作目に当たる作品のためか
多少粗が見えるところもあり
その辺もキレイにリメイクされていることを期待します。





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