2016/3/25

見せる生の暴力  MOVIE

本日の映画は
「仁義なき戦い 代理戦争」

クリックすると元のサイズで表示します

です。

タイトルにもDVDパッケージ表面にも
ナンバーが振っていないため間違えて
第4弾「頂上作戦」の方を先に借りそうになった
「仁義なき戦い」シリーズ第3弾。

毎度おなじみの
東映のOP映像「荒磯の波」の後には
一度見たことのある「これまでのあらすじ」が流れます。

クリックすると元のサイズで表示します
地球温暖化の影響で迫力ある並みが撮れないので最新の「荒磯に波」の波はCGらしい。

ん?でも、この「これまでのあらすじ」
前にもまるまる同じものを見た記憶が…。

あれ?もしかして間違えて
また「広島死闘篇」借りてきちゃった?
と、慌ててイジェクトボタンを押してみたところ
トレイにはちゃんと「代理戦争」のディスクが収まっていました。

クリックすると元のサイズで表示します
「昭和20年敗戦によって戦場から復員した…」って
前作のOPの使いまわしじゃねえか、このやろ?!


まぎらわしいな、もう!
と、改めて本編を見ること100分。

ああ、「広島死闘篇」はなかったことになっているんですね。
むしろこちらの「代理戦争」が
正統な「仁義なき戦い」の続編なんですね。

ということで、仕切りなおして
前作「仁義なき戦い」から
時は流れて昭和35年。
日本は安保闘争、岸内閣打開、浅沼委員長刺殺事件などの
騒然たる世相をみせていたが、
世界各地でもまた新しい抗争の炎が燃え上がっていた。
これらの戦闘にはすべて米ソ両大国の思惑が関わっていたため
世間はいつかこの局地戦を代理戦争と呼び始めた。
そして戦後の混乱期をようやく脱した
日本のやくざ社会においてもそうした傾向が表れ始めたのである

(冒頭ナレーションママ)」
で始まる第3弾。

本作で一気に勢力図が広がり
出てくる組も組員も増えてくるため
レンタルDVDには特典として
このような「抗争関係図」が収録されています。

そのお心づかい大変ありがたいのですが、
残念なことに1度に観れる映像は
「本編」か「特典映像」のどちらかひとつだけ

クリックすると元のサイズで表示します
でも、たいして便利でもないし、できれば配役名も入れてほしかった。

「本編」を再生中にこの「抗争関係図」を
同時に見れるわけではありませんので
あまり役には立ちません。

いつものように、人物相関で混乱をきたさないよう
wikipediaの「仁義なき戦い 代理戦争」の
キャストのページを表示しながらの鑑賞です。

なにしろ前作、前々作で亡くなったキャストを
主要キャスト、脇役問わず全く別の役で使いまわしてくるので
私のような相貌失認には
DVDを見ながら役名も俳優名も顔も
その場にいながらにしてすぐに確認できるようにしておかねば
頭が付いて行かないのです。

ということであらすじを追いながら
見ていきますと、



事の始まりは昭和35年9月広島市。

呉・広能組組長、広能昌三(菅原文太)、
広島・打本組組長、打本昇(加藤武)、
広島・村岡組長舎弟、杉原文雄(鈴木康弘)
その他1名と云った面々が
仲良く並んで広島の街を闊歩していたところ

クリックすると元のサイズで表示します
その他1名は若松三郎(大前均)と云うプロレスラーです。モデルは力道山。

突如、アロハシャツのチンピラに襲われ
杉原一人が白昼堂々射殺されてしまいます。

クリックすると元のサイズで表示します
周りに凄い野次馬の壁ができています。怖くないの?

村岡組は広島市最大の暴力団であり
当事、病気療養中の組長、村岡常夫(名和宏)に代わって
組の実権を握っていたのが杉原であったため
彼の死は広島ばかりではなく
関西やくざ界に大きな波紋を起こします。

順当にいけば村岡組長から盃を受けている打本が
村岡組を継ぐのでは?と期待されていたのですが、
この打本と云う組長、とんだヘタレで
杉原殺害を裏で手を引いていたと思われる
九州栗山組組長、栗山清(国一太郎)が
杉原の葬儀に姿を見せても仇を討とうと云う気が全くなく

クリックすると元のサイズで表示します
御仏前で盛大に嘔吐する弔問客なんてはじめて見たよ。しかも組長とあろうお方が。

親交のある広能を先頭に
村岡組幹部、武田明(小林旭)や
村岡組若頭。松永弘(成田三樹夫)と云った若い衆が
焚き付けても腰を上げようとはしないため
周りからすっかり呆れられてしまいます。

クリックすると元のサイズで表示します
強面連中に凄まれてこんな表情で誤魔化すしかない打本組長。

と、ここで、ナレーション。
「杉原に次ぐ実力者打本のこの時の弱腰が後に
村岡組の跡目問題を紛糾させ、
やがては西日本最大の抗争事件の目ともなっていったのである。」

これが本作の全容です。
ここまでで上映時間は約8分。

始まって8分でこれから起こる出来事を
70字内で語り尽くしちゃいました。

その後、シャバを肩で風を切って歩いていたものの
実は仮釈放中の身であった広能は

クリックすると元のサイズで表示します
こういう身上書のレプリカをDVDの特典にすればよいのに…。

身元引受人となった山守組組長
山守義雄(金子信雄)の預かりとなり
えらく屈辱的な目に遭います。

クリックすると元のサイズで表示します
山守組長実業界に信用が厚いと云う理由で警察からも一目置かれているようです。
結局世の中金次第なわけですね、はいはい。


そればかりか迂闊に山守組長の下に付いたため
村岡組の跡目争いに否応なく巻き込まれ
気が付いた時には、
広能組以外のヤクザほぼ全員から恨まれ
ほぼ全員を敵に回してしまいます。

「昨日の敵は今日の友」
「昨日の友は今日の敵」
「昨日の敵は今日もなんやかんやで敵」
と云われるように
ちょっとよそ見していたら
アメリカの青春ドラマ「ビバリーヒルズ高校白書」ではありませんが、
仲間内でくっついたり
くっついたと思ったらすぐに離れたり
で、またヨリを戻したり
かと思えば、裏で二又三股していたことがばれて
修羅場になったりと
瞬く間に人間関係が変わり
彼自身は恐ろしいほど周りに気を遣って行動してきたのに
いつのまにか孤立している広能。

クリックすると元のサイズで表示します
今回、この5人(左から槙原、広能、江田、松永、武田)が山守の下で
くっついたり離れたりします。


広能がこんな理不尽な目に遭うのも
全ては組織のトップに原因があります。

その代表格が、山守組長と打元組長です。
どちらも乱暴なことが大嫌い、
好きなものは女とお金です。

女は若くてキレイに越したことはありませんが、
時代が時代だけに今見ると
余り若くもなくキレイでもありません。

クリックすると元のサイズで表示します
諸悪の根源、山守組長。自分の手は一切汚しません。特技は世渡りと金儲けです。

広能自体は中学時代の恩師青木彦次郎(汐路章)から
乱暴者で手におえない若者、
倉元猛(渡瀬恒彦)の面倒を見てやってくれ
と、押し付けられるほど人望が厚いのですが、

クリックすると元のサイズで表示します
客人のおもてなしにカルピスやスイカが出てくるところなんかが時代を感じさせます。

いかんせん世渡りが下手すぎて
やくざもんみんながみんな幸せになるよう
いろいろ根回しをして計画をたてても
うまくいった試しがありません。

広能組のように小さな組を仕切っているうちは
まだ端々に目が届き、組織を動かすことも楽です。

しかし、組織が大きくなればなるほど
裏でこそこそ良からぬことを企む者や
組全体ではなく個人の利益しか興味のない者、
思惑通りに動かない者も現れ
まとまるものもまとまらなくなってきます。

結果、無駄に若い命が散っていくだけです。

結局、跡目争いの方は
広能、武田、松永、そして出所した
村岡組幹部、江田省一(山城新伍)が担ぎ手となり
またもや神輿となった山守組長が村岡組を継ぐことになります。

人前では、下手に出て
「いやいや、私のような若輩者が…。」
と、散々跡目になることを遠慮していた打本組長は
だらしない笑顔で村岡組長の座に就く山守組長を
指をくわえて見ているしかありません。

クリックすると元のサイズで表示します
悔しさのあまり山守の前で泣き濡れる打本。
それよりも山守の隣に座る岡本信人似のホステスの方に目が行ってしまう。


とはいえ、打元組長の腹の中では怒りと恨みが
ぐつぐつと煮えたぎっており、
この恨みはそのまま山守預かりの
広能に向けられることとなります。

親の因果が子に報い。

ゆえに跡目が山守に決まったからと云って
跡目争いに終止符が打たれたわけではなく
むしろここからが本番。

その後、裏切りや手打ちなどなんやかんやあって
山守組は幹部同士の結束が完全に崩れてしまいます。

最終的には病気療養中のところを山守に頼まれ
若頭に復帰した武田と幹部の江田省一(山城新伍)が
山守組を仕切ることとなり
2人に嵌められた広能はあっさり切り捨てられ
組というか広島ヤクザ社会から破門となります。

一方、村岡組幹部で山守組に身を置いていた松永は
そんなヤクザな世界にほとほと嫌気がさして
これまたあっさりと足を洗ってしまいます。

クリックすると元のサイズで表示します
義理も人情も感じなければ辞めて良いんですよ。その方が利巧です。

そりゃそうですよ。

だって火葬場にまでに集団で押しかけて
ドンパチをやらかした上に
遺された母親が見ている前で
遺骨を車で踏みつぶしていくような世界ですよ。

「広島死闘篇」であれだけ男の色気を振りまいて
女心をきゅんきゅんさせてくれた松永さんと
ここでお別れかと思うととてつもなく淋しいですが、
彼の選択は間違っていないと思います。

だからと云って踏まれても踏まれても
仁義に拘りヤクザ社会にしがみつく広能の選択も
間違っているわけではないのでしょう。

山守が他の組からの夜襲に怯えた時に
唯一駆け付けた組員が
広能率いる広能組だけだったと云うのが、
なんだかなあもう。

クリックすると元のサイズで表示します
広能が本当の頭が上がらないのは山守ではなくこの姐さんだと思う。

尽くしても尽くしても相手に思いが全く伝わらない
これはヤクザものの姿を借りたラブストーリーなの?



1



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ