2016/3/20

恰好つけにゃぁ、ならんですけん…  MOVIE

名前と顔を知られている映画コメンテーターに
有村昆(通称アリコンさん)
と云う方がいらっしゃいます。

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この方の自慢話を聞くと映画鑑賞もまた金持ちの道楽だな
とつくづく思い知らされます。


去年のことですが、
この方がテレビのバラエティ番組で
「映画って尺が長いだけじゃない。
時間のパッケージで勝負している。
2時間に人生の縮図が入っている。」
と、熱く語っておられたことがありましたが、
え?そうですか?
あらゆるメディアのなかでも
映画に取られる時間で短くないですか?

だって、人生の縮図がたったの2時間ですよ?!
(この時の有村さんの比較対象になっているのは
たぶん、たぶんだけどCM映像のこと。)

しかも、こちらは何にもせずただ
目と耳をスクリーンに向けていればよいだけのです。
読書と違って費やす時間に個人差もありません。

テレビドラマと比べれば圧倒的に短い時間で
コンパクトにそして濃密にストーリーを楽しめることこそが
私が映画に惹かれる理由の一つです。

ですので、はっきり云って
「おいおい、いったいシーズンいくつまで続けるつもりか?」
と、先が全く見えない海外ドラマは全般的に苦手です。
(唯一見たのがBBCの「SHERLOCK」)

人気次第で延々と終わりが来ない
「少年ジャンプ」の長期連載漫画は
どれも最後まで読めた試しがありません。
(長さ的になんとか続けられたのが「幽遊白書」)

2時間で完結する映画最高!

ところが、そんなコンパクトが売りの映画の世界にも
「シリーズもの」という存在があり
映画の歴史も100年を超えると
「少しばかりヒットするや否や続編が急遽決まるシリーズ映画」、
「風呂敷を広げすぎてまったく先の見えない
マーベル・シネマティック・ユニバースのようなシリーズ映画」、
「前シリーズ公開後数十年ぶりに
続編が製作されるようなシリーズ映画」などが
幅を利かせるようになりました。

そして、どういうわけかそのようなシリーズ映画に限って
一目で公開された順序が判るよう
タイトルにナンバーがふられていてもいいのに
体裁が悪いのかナンバー代わりの副題で誤魔化してきやがります。

これが私にとってはちょっと困りもの。

例えば、GEOの店内で衝動的に
「ハリー・ポッター」シリーズのDVDを
タイトルだけで判断して借りてみようと思いたっても
どの順序で借りてよいものか判りません。

「ハリー・ポッターと秘密の部屋」の次って
「炎のゴブレット」なの?
「不死鳥の騎士団」なの?
となりそうなものです。

これは海外小説やライトノベルなどでも見られる傾向ですが、
私のようなぼんやりさんは
つい二度買いしそうで怖ろしくて手が出せません。

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その点漫画はたいていナンバリングされていて判りやすい。
副題が「之繞」で統一されている「浮浪雲」もナンバーがちゃんと入っている。


映画も同様。

中には「釣りバカ日誌」のように
タイトルにいちいち番号を打ってくれる

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親切・丁寧・安心。見る順番を間違えようがない!
けど順番どおりに見る必要も特にない。


シリーズもあることにはあるのです。

ところが、同じ日本の国民的映画である
「男はつらいよ」シリーズは全48作もあってこんな感じ。

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「TVチャンピオン映画ファン選手権」があったら最終問題に出題されそう。

こんなの
今から公開順で見たいと思ってもなんらかの資料が必要です。
ちなみに全作見ると、時間だけで
NHK大河ドラマ2作分になります。
2話分ではありません。
全52話ぶっ通しで2作品分です。

ギネス世界記録は伊達ではありません。

と、ちょっと話がずれましたが、
ここにも一見しただけでは公開順が判らないタイトルの映画が一つ。



それが本日の映画は
「仁義なき戦い 広島死闘篇」

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チャ〜ン、チャララ〜ン、チャ〜ン、チャララ〜ン

です。




……すみません、前置きが長すぎました。
その分感想は短く済ませますのでご安心ください。

これだけの国民に愛され続けたシリーズともなると
今さら語る事がないというか
新参者が語るには烏滸がましくて
迂闊に口が出せないのが正直なところです。

なので、この映画を観たことがある方なら
大概の方がご存知なことを
予備知識程度にちゃちゃっと並べて
今回は終わらせたいと思います。

さて、前置きでだらだらと愚痴った
シリーズ映画のタイトル問題に戻ります。

この映画「仁義なき戦い」も
深作欣二オリジナルと呼ばれるものだけで5部作あり、
その5作が間をおかず
1973年から翌1974年のたった2年間で撮られています。

それゆえ…かどうかは調べていないので判りませんが、
2作目以降のタイトルは
シリーズタイトル「仁義なき戦い」に
副題がついただけとなっております。

おかげでDVDパッケージ裏の解説文に
「シリーズ第2弾」と書いてなければ
間違って「代理戦争」を借りてくるところでした。
(これだけのことを訴えたいがためだけの
「前置き」でした。長々と申し訳ございません。)

そんな「広島死闘篇」。

前作「仁義なき戦い」の撮影中に
社長の一存でシリーズ化が急遽決定されたため
付け焼刃にサイドストーリーを仕立てあげ映画化したのが
この第2作目にあたります。

アニメが原作に追いついたため
場繋ぎにアニメオリジナルストーリーを作って事なきを得る
と、云った状態でしょうか。

そのため、前回の主人公広能昌三(菅原文太)は
本作ではただの狂言回しとなり
(と云っても前作でも途中から姿を消していたため
主人公と云うのはちょっと…)
実質的な主人公は前作より若い世代に移っています。

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主人公の山中正治。綽名が「殺人鬼」ですが、
どうしても演者の「育ちの良さ」が垣間見れてしまいます。


と、云ったことはwikipediaに
約50,000字もかけて長々と解説されていますので
よろしければそちらを閲覧いただくとして
映画はその新しい主人公山中が賭場でのイカサマがばれて
タコ殴りにされたことを逆恨みし
凶行に及ぶところから始まります。

しかし、残念なことに戦後生まれの私には
ここでどういうイカサマがなされたのか判らず
この段階でおいてけぼりを喰ってしまいました。

映画開始1分で、です。

一応DVDを巻き戻して(?)3回見ても
どういうイカサマか判りませんでした。
それ以前に博打のルールも判りません。

ここはひとつGoogle先生に教えを乞うことに。

「広島死闘篇 冒頭」と云う単語で
検索を掛けてみたところあっさり解決いたしました。

この時賭場で行われていた賭け事は
「賽本引き(さいほんびき)と云い
手本引きが元で、親が選ぶ
一から六のうちの札の数を当てるもので
札の数を賽子の目に依ったものが賽本引き」
だそうです。

で、この時山中が使った張り札は
「コットン」と呼ばれるイカサマ札で、
絵柄(数)を瞬時に変えられるものだったため
賭場が騒然となったようです。

う〜ん勉強になる。…って何の?

まあ、そんなこんなで
違法な賭場で違法に包丁を振り回し大暴れした山中は
当然刑務所行きとなり、
そこでたまたま服役中だった広能と出会います。

ただしこの出会いは、
「本作が『仁義なき戦い』の続編ですよ」
と云う苦しい言い訳に使われているだけなので
2人は一言二言会話しただけで次のシーンへ。

今回脇役の広能は物語上しばらく忘れ去られます。
でも、いつものことです。

やがて、出所した山中は
たまたま村岡組組長の姪で戦争未亡人の
上原靖子(梶芽衣子)が開いている食堂で
無銭飲食をし

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美しすぎる食堂のおねえさん、梶芽衣子。

その場に居合わせた大友組組長の御曹司
大友勝利(千葉真一)とその手下から
おもしろ半分に半殺しの目に遭わされてしまいます。

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絵に描いたような「近づいたらヤバい人」、大友勝利。

ただし大友組は村岡組とは直接関係ないので
このリンチは完全に云いがかりです。

ここは大友勝利のいう若者が
ガチでヤバいことを印象付けるための重要なシーン
となっています。

騒ぎを聞き駆けつけた村岡組員に助けられ
靖子から手厚い介抱を受けた山中はそのまま
村岡組組長、村岡常夫(名和宏)の盃を受けます。

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あ、貰ったのは盃じゃなくて腕時計だったわ。

それもこれもにっくき大友勝利に仕返しするため。
次に逢った時はぎったんぎったんのぐちょんぐちょんにしてやる
と、心に誓う山中。

ここから長きに渡る「山中VS大友」戦が始まるってわけですね!
と勝手に想像し勝手にテンションを上げる私。

ところが、ヤクザ界の中では
掃き溜めに鶴のようなハンサムボーイ山中は
酒に酔った靖子に云い寄られたのをきっかけに
靖子と深い仲となり
もはやむさい大友のことなど後回しです。

しかし、靖子との仲がすぐに周りに知れ渡り
村岡組長の逆鱗に触れてしまいます。

と云っても、この村岡組長、お天気屋さんなので
最初こそは、
「娘のように大事に育てた靖子になにしてくれんじゃ!」
と大変ご立腹でしたが
山中が商売敵である九州の和田組組長を射殺すると
すっかり機嫌を直し、あっさり2人の交際を認めます。

その後、村岡組長のムラッ気に散々弄ばれることになる
山中と靖子。そして、村岡組幹部たち。

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あの日あの時あの場所で「(靖子を)幸せにしてくれ」とか云っていたくせに。

この「仁義なき戦い」はシリーズを通して
一言で云うと
「ダメなトップの下についたら人生オシマイ」
という人生訓を描いているヤクザ映画ですので
例え「黒いカラスを白」と答えようが
「黒いカラスを黒」と答えようが、
下の者は碌な目に遭わないようになっています。

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まあトップも狡賢くないと逆に手下から犬肉を食わされるような目に遭います。

山中も大友なんぞに構っている場合ではありません。
本当に戦わなくてはならない相手は自分の組長です。

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大友が村岡組にかちこみをかけてきても直接対決はいたしません。

しかし、「殺人鬼」と云う綽名が付いている割には
根が真面目で人がよく他人の子供にまで子煩悩な山中は

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人を射んとせば先ず馬を射よってね。

ここぞとばかりに優等生ぶりを発揮し
村岡組長の思いのまま操られてしまいます。

まあ、いじくらしい(富山弁で「はがゆい」)。

そして、反旗を翻すことなくクライマックスに向かうので
鑑賞後に残るストレスは前作以上です。

いやらしさを前面にだした前作の山守組長とは違い
村岡組長の方は下手に良い組長ぶっているため
余計にはがやしい(富山弁で「腹がたつ」)。

ただし、すっかり村岡組長の言葉に騙され
周りの「あ〜あ〜うまく組長に丸め込まれちゃって…。」
という憐みの視線にも気づくことなく土下座する
山中こと北大路欣也の頭頂部が
撫でると気持ち良さそうなのには大変癒されましたけれども。

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ここ!ここの角度!

「仁義なき戦い」シリーズのなかでは
比較的本編との繋がりが薄い作品ですが、
出てくるキャラクターがどれもこれも素晴らしく
むしろシリーズ5作見るくらいならこれ1本見とけ
と、云いたくなるほど。

当事はブロマイドの売上げ俳優部門4年連続No.1のアイドル
千葉真一がイメージチェンジを計った大友勝利をはじめ

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こんなに楽しいそうにライフルで人を撃つアイドル始めて見た。

おそらく女子人気が圧倒的に高いと思われる
成田三樹夫演じる村岡組若衆頭松永弘など
美味しいキャラクターが満載です。

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村岡組一頼れる兄貴ですが、山中からは全く頼られない兄貴松永。

こんなキャラクターのるつぼ、
当事、今のようなコミックマーケット市場があれば
同人女子が放ってはおかなかったはず。

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女子にとっても男同士の絆にときめく場面がたっぷり用意されています。

世間では大変不評だったらしい松永の寝巻姿だって、
見ようによってはなんとも可愛らしいじゃないですか。

基本できる男のはずなんですが、
警察の手からせっかく確保した山中を
目を離したすきに逃してしまう
という失態を2度に渡って冒すような
おちゃめなところもあって好感度非常に高し。

でも、私が心惹かれるのはやはりこのお方です。

前作に引き続き登場する
山守組組長山守義雄の妻、山守利香(木村俊恵)。

この女(ひと)のしたたか振りが見ていて気持ちいい!!

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夫にとって目の上の瘤である広能にもしれっと頼みごとができちゃう凄い女性。

極道の妻たる者こうでなくては。
もう大好き。

利香姐さんを見ているだけでもいろいろ女の勉強になります。

そういう意味でもおススメしたい映画です。





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