2016/3/6

ドストエフスキー・トリップ  MOVIE

先日、「はじまりのうた」を
レンタルDVDで見たところ
お決まりの「新作情報」のなかでちょっと気になる映画が

それが本日の映画
「嗤う分身」

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です。

なにしろ予告編にはこんな言葉が使われているのです。

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昭和歌謡=昭和時代に流行した日本のポピュラー音楽の総称

流れる曲は
ジャッキー吉川とブルー・コメッツ「草原の輝き」。

何故?!

これは見て確かめずにはいられません。
いざゆかん、TSUTAYAへと。




主人公は「大佐」が経営する
地球上で最強の情報処理システム会社に勤める
サイモン・ジェームズ(ジェシー・アイゼンバーグ)。

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若くして「実はできる人」と云う役が多いジェシー・アイゼンバーグ。

それなりに実力も野心もあるのですが、
消極的性格が災いして社内での評価は決して良くありません。

とにかく要領が悪く
空席だらけの通勤電車で
見知らぬ他人に座席を横取りされ、
最寄りの駅で下車しようとすると、
ホームから次々と荷物を押し込まれて
なかなか降りることができず
発車ベルぎりぎりにようやく降りられたと思ったら
電車の扉にIDカードを入れた鞄が挟まれて
そのまま持ち去られてしまいます。

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通勤電車あるある。
降車口でもたついているうちに外からどんどん人が入ってきて降りられない。


7年間も勤めているのに
会社の受付には顔も名前も覚えてもらえず
IDカードを失くしたと申告しても
入館許可書を再発行するまで社内に入れてもらえません。

直属の上司パパドプロス(ウォーレス・ショー)からの
覚えも非常に悪く
新しいプロジェクトについて画期的な提案をしても
耳を貸してもらえませんし、
片思いの相手で同じ会社に勤めるコピー係の
ハンナ(上スパイミア・ワシコウスカ)には相手にもされません。

積極的なアプローチができない代わりに
ハンナのアパートの向かいに居を構え
彼女の部屋を望遠鏡で覗き見し、
時々彼女が描いては破り捨てているスケッチを
拾い集めて修復しコレクションするのが
日課となっています。

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養老院に入っている実の母親にさえ面会のたびに低能扱いされています。

ある夜、いつものようにハンナの部屋を覗き見していると
彼女の部屋の1つの上の窓から
こちらを双眼鏡で見ている男の姿が…。

サイモンに向かって手を振るので
つられて振り返した途端、飛び追い自殺を図る男。

そのことがきっかけで目撃者であるサイモンは
ハンナと個人的に話をする機会を得ます。

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相談に乗る振りをしてデートにもこぎつけることができました。。

ハンナの話によると、
自殺した男は彼女のストーカーだったようです。

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こんなことをしているサイモンもストーカーですが、本人は露とも思ってもいません。

毎夜、ハンナの部屋を覗き見しているサイモンも
似たようなものですが、
そんなことは知らないハンナは、ただの同僚として
翌日開かれる「大佐の会」にサイモンを誘います。

ハンナからの誘いにすっかり舞い上がるサイモン。

一大決心をして部屋の中で唯一金目のものであるテレビを
質に出すと、彼女への贈り物を買い
意気揚々として「大佐の会」に出かけます。

ところが、その会場でも受付に社員として認められてもらえず
中に入れてもらうことができません。

自分のことを待っているハンナの後姿を見つめつつ
警備員に追い出されてしまうサイモン。

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すぐそばまで来ているのにルイスに気づいてもらえません。

いくら影が薄いとは云えあまりの仕打ち。

ていうかこれもういじめですよね?

そして、翌日彼と同じ部署に新人が入ってきます。

名前はジェームズ・サイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)。

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ジェームズに見られるチャラさこそがジェシー・アイゼンバーグの本領発揮。

自分と瓜二つであるジェームズの登場に
サイモンは激しく動揺しますが、
他の社員は特に気にならないようです。

何が何だか判らないサイモン。

顔は同じでもサイモンとは違い
社交術に長けたジェームズは
あっという間に他の社員の心を掴んでいきます。

その反面、
同じ容姿のサイモンに面倒な適性試験を
自分の代わりに受けさせ
そのお礼としてサイモンの恋を手伝うと
口では云っておきながら
デート中のサイモンと途中で入れ替わって
ちゃっかりハンナをお持ち帰りしてしまいます。

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誰が誰でもおんなじなのよ。くれるって言うなら何でも貰うわ、全部。

その後もサイモンが作成したレポートを
自分が作ったとパパドプロスに報告し手柄を横取りし、
さらには、ハンナ以外の女性を連れ込むため
サイモンの部屋の鍵まで要求します。

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コンガラガってコンランざんす。

そのことでハンナから問い詰められ
会社からも見捨てられたサイモンは自殺を決意。

ところが、最期に一目姿を見ようと
ハンナの部屋を覗き見したところ
ベッドに死んだように横たわる彼女を発見し
病院に運び込みます。

ハンナもまたしれっと浮気を続けるジェームズに
絶望し自殺を試みたのでした。

その自殺をくい止めたことで逆恨みされ
すっかりハンナから嫌われてしまったサイモン。

失意の中、養老院から母親が亡くなったという連絡が入ります。

急いで墓地に駆け付けると、
そこにはすでに喪主を務めるジェームズの姿があり
サイモンは怒りに任せ、彼に襲い掛かります。

そして、ようやくサイモンはあることに気が付きます。

ジェームズが傷を負えば
自分の体にも同じところに傷ができることということに…。


ということで、以前見た「複製された男」と同じく
ドッペルゲンガーを扱った作品となっています。

原題も英語で「ドッペルゲンガー」を意味する
「The Double」です。

予告編を見たときは
「昭和歌謡が彩る」に気を取られていて
目に入っていなかったのですが、
この作品って原作が
フョードル・ドストエフスキーの
「分身(二重人格)」ですってよ。

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原作を読もうとしたら「岩波文庫」ですよ!敷居高っ!

ドストエフスキーと云えば
「罪と罰」、
「白痴」、
「悪霊」、
「未成年」、
「カラマーゾフの兄弟」。

一番名前の知られた「罪と罰」でさえ
手塚治虫の漫画でしか読んでいない私にとっては
それだけで腰が引けてしまいます。

と云っても映画のストーリー自体は難しくなく
流れる昭和歌謡をはじめとするノスタルジックな挿入歌や
いかにも原作が書かれた1849年頃に予測した
近未来感且つアナログ感溢れるオフィスのセットなど
耳や目には楽しい映画です。

ただし、
小心者で引っ込み思案、劣等感に苛まれながらも
自意識と承認欲求だけは異様に高く
他人にどう見られているかが、やたら気になるのに
そういうそぶりは見せたくない
というサイモンの姿につい自分を投影してしまい
モニターの前で髪をかきむしり
ウギャアアアと叫びそうになる映画でもあります。

「自分のドッペルゲンガーに出逢うと、しばらくして死ぬ」
と云われていますが、
その言い伝えが効いているのか
本作でも「複製された男」でも
ラストにどちらかが死ぬことになります。

サイモンにとって
「なりたい自分」「こうあるべき自分」の姿が
ジェームズだとすれば
客観的に見たとき
「なりたい自分」ほど自分の心をかき乱し
殺意を抱かせる存在は他にはいないと云うことでしょうか?

と、無理やり結論付けてみましたが、
深いようなそうでないような?



 
 
 

 
 




ああ、賢くなりたい。
頭が良くなりたい。




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