2016/1/10

ギリシャ危機  MOVIE

突然ですが、
キルスティン・ダンストという女優さんがいます。

私が彼女を始めてスクリーンで見たのは
他の方もたぶんそうだと思いますが、
世界的ベストセラーとなったアン・ライスの小説
「夜明けのヴァンパイア」を実写映画化した
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」です。

トム・クルーズ、
ブラッド・ピット、
クリスチャン・スレーター、
アントニオ・バンデラスと云った
当時最先端の人気俳優がキャスティングされるなか
ヒロイン(?)役を射止めたのが
当時12歳のキルスティン・ダンストでした。

ロング・ヘアがまったく似合っていない
ブラッド・ピットもなかなかの見物でしたが、
やはり「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」と云えば
あの変身シーン。

ヴァンパイアカップル
レスタト(トム・クルーズ)とルイ(ブラッド・ピット)に
拾われた浮浪児クローディア(キルスティン・ダンスト)が
心ならずしてヴァンパイアとなる場面です。

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最初はぼさぼさのストレートだった金髪が…。

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みるみるうちにくるくるパーマに…。何もここまでくるくるしなくても。

その様子を傍観していたルイが思わず腰を抜かすところを含め
屈指の名シーンとなっております。

しかし、強烈な印象は残したもの
このくるくるパーマが仇となり、美少女と云うには
「悪いけど普通(←友人が私の姪の写真を見て放った一言)」
にしか見えなかった子役時代のキルスティン・ダンストは
あっさり記憶の彼方へと押しやられることとなりました。
(ごめんなさい。これは嘘です。
その後も毎年映画出演し順調にキャリアを積んでおります。)

それから少しだけ時が流れ
キルスティン・ダンストが再び注目を集めたのは
2002年公開された
「スパイダーマン(サム・ライミー版)」でした。

その映画で見事
メインヒロイン役を射止めたキルスティン・ダンスト。

ところが、
主人公のピーター・パーカー(トビー・マグワイア)の
長年の思い人でありながら、ピーターの友人である
ハリー・オズボーン(ジェームズ・フランコ)とつきあい
その一方でスパイダーマンにも心動いている
モテにモテるモテ女という
ヒロイン、メリー・ジェーンへの世間の評価はどう云う訳か
「スパイダーマンのヒロインって不細工じゃない?」と云う
いささか手厳しいものだったのです。

これは演じたキルスティン・ダンストのせいではありませんが、
この印象は後々まで蔓延り、日本では
「キルスティン・ダンストはブサイク」が
なんとなく定着してしまいました。





前置きが長くなりました。

本日の映画はそのキルスティン・ダンストが
再び2人の男を虜にする美女役に挑んだ
「ギリシャに消えた嘘」

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です。

と云ってもキルスティン・ダンストを見たさに
DVDを借りたわけではなく
最近マイミクの1人が
「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」経由で
「オスカー・アイザック沼」に嵌りまして
この映画を大プッシュしていたのを見て
その熱にあてられた結果7泊8日してきました。

ただ、ディスクを再生するまで

主演がもう年が年だけに脱がないヴィゴ・モーテンセン、
共演オスカー・アイザック
であること以外は何の情報も入れていなかったため
キルスティン・ダンストが出てきても
「え〜っと誰だっけ?この女優さん?」
としか思えず

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劇中何度も「親子ほど年が離れている」と云われていますが、
それすらピンときませんでした。


さらには劇中でくどいまでに
「美人」「美人」と云われていることに対して
「…そこまで云うほどか?」などと
思ったことは内緒です。

いえ、ブサイクとは思いません。

ただいますよね、たまに。
世間一般では「美人女優」で通っているのに
個人的には
まあ確かに美人っちゃ美人だけど
そこまで騒ぐほどの美人とは思えない人。

何を以て「美人」と思うかは人それぞれなので
たまたま私にとって好みではないだけのこと。

「…もしかすると外国の人や異性の目から見たら
もの凄い美人なのかしら?」
と、一瞬首をかしげてしまうような美女、
それがキルスティン・ダンストなのです。

そして、この映画では
そのキルスティン・ダンスト演じる人妻を巡って
夫であるヴィゴ・モーテンセンと

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他に男前な画像もありますが、肌着から除く乳首を理由にこの画像にしました。

旅先で出会ったアメリカ人オスカー・アイザックが

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異国の地でちゃちな詐欺をして身銭を稼いでいます。

互いの腹の内を探り合いつつ争うようになります。

ところが、その対象はキルスティン・ダンスト。

こちらとしてはヴィゴ・モーテンセンの心にも
オスカー・アイザックの心にも寄り添うことができず
むしろ
「お前ら2人がくっつきなよ!」
なくらい投げやりな気持ちで見続けていたら

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こんな感じでな。

終盤からはあれよあれよという間に
本当にそういう展開となってしまい逆に吃驚!

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最終的にこの2人だけになります。

そもそも初対面の時、最初に目と目を合わすのは
ヴィゴ・モーテンセンとオスカー・アイザックの2人で
その場にいたキルスティン・ダンストは
眼中にありません。

まずカメラが回り込むような動きで
こちらを見つめるオスカー・アイザックの姿を
映す(下図↓)のですが、
これはオスカー・アイザックの前を通る
ヴィゴ・モーテンセンからの視点ですよね。

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視点を外すことなく見つめ続けているわけですね。

次のカットではカメラが切り替わり
今度はオスカー・アイザックから見た映像となるのですが、
ヴィゴ・モーテンセンとキルスティン・ダンストが
並んで歩く姿を見ているようで
焦点はヴィゴ・モーテンセンに合っているのです。

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要するにお互い見つめ合っているわけですね。

一目あったその日から恋の花咲くこともある

これは私の妄想と云うわけではなく
ヴィゴ・モーテンセンとオスカー・アイザックは
お互いを意識したまま
カフェテラスで再会します。

その際、オスカー・アイザックの方は
デート中の相手に対してこう発言しているのです。

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さりげなく爆弾発言をかまします。

それなのにいつのまにか興味はキルティン・ダンストに…。

この無理やり三角関係という展開が
ヒロインのキャスティングと相俟って
映画の世界に浸ることから私を遠ざけるのです。

オスカー・アイザックは、2人と出会う直前まで
父親の葬儀に出なかったことを責める母親からの手紙を読んでおり
手紙から目を上げた瞬間に
父親ぐらいの年のヴィゴ・モーテンセンが目に入ってくるのですから
実父に対して負い目のあるオスカー・アイザックとの
交流がメインになると思うじゃないですか。

まさか、キルスティン・ダンストを巡って
彼ら2人が戦々恐々となるとは…。

しかも、この映画、男2人の視点から立って見ると
それなりに話が分かったような気になるのですが
同じ女だというのにキルスティン・ダンストの視点に
立って見ると共感どころがなく
心が迷子になってしまうのです。

例えば、オスカー・アイザックの視点で
ストーリーを追っていきますと

1962年ギリシャで
ツアーガイドに扮して観光客相手に詐欺を行い
小銭を稼いでる青年ライダル(オスカー・アイザック)は
ある日、仲睦まじく観光する
マクファーランド夫婦と知り合います。

夫婦の身なりの良さと
夫チェスター(ヴィゴ・モーテンセン)と比べ
親子ほど年の離れた美しい妻
コレット(キルスティン・ダンスト)に心を奪われた
ライダルは言葉巧みに2人に取り入り観光ガイドを勤めます。

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劇中ありとあらゆるところで「美しい」と評される美人妻コレットですが

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夫婦と知り合う前からの恋人ローレンの方が家柄も容姿も勝ってるような…。
演じるデイジー・ビーヴァンは祖父母・両親・兄弟に到るまでの芸能一家出身。


楽しいディナーの後、
夫婦が宿泊するホテルの前で2人と別れたライダルは
コレットがその日夫にせがんで買ってもらったブレスレットを
タクシーに落としていったことに気付き
ブレスレットを届けにホテルへ引き返します。

そこで見たのは、無人のホテルの廊下で
チェスターが意識不明の男を引きずっている姿でした。

意識不明の男を部屋に戻すのを手伝ったライダルに
男は彼を追ってきた私立探偵で妻に乱暴を働いたため
殴ったら気を失ったと説明するチェスター。

そして、土地勘のあるライダルは
追手が迫ったチェスターから
妻ともども逃亡するのに力を貸してくれるよう頼まれます。

これは金になりそうだと踏んだライダルは
うっかりホテルの旅券をおいてきたチェスターのために
偽装パスポートの手配までしてやり
そのまま逃避行に同行することに。

ところが、チェスターはとんだ食わせもので
投資詐欺で大金を巻き上げ組織から追われている上に
正当防衛とは名ばかりで私立探偵を殺害していたのでした。

悪事千里を走るとは良く云ったもので
次第に地元警察やFBIに追い詰められていく3人。

ライダルから夫が殺人を犯したことを教えられたコレットは
次第に夫に背中を向け
捌け口をライダルに求めるようになります。

一気に仲が深まるライダルとコレット。

そして、そのことに嫉妬した夫との些細な諍いから
事故死してしまいます。

しかし、事故の状況が状況だっただけに
殺人容疑は無関係だったライダルに。

どちらが警察に捕まれば
もう一人も逮捕される関係となってしまった
チェスターとライダル。

男2人だけの逃避行が始まります。


これが、キルスティン・ダンストの視点に立つと

投資詐欺を起こして大金を稼いだ夫と
魅惑のギリシャ旅行を満喫中の人妻コレット。

たまたま知り合ったライダルという
蠱惑的な瞳が印象的な美形ガイドの紹介で
ディナーを楽しんだ後は、夫と夜の営みを…

と、思ったところに予期せぬ闖入者が
ホテルの部屋まで押しかけてきて
交渉に当たった夫が部屋に戻ってくるなり
取るものも取りあえずホテルを引き払うことに。

しかもどう云うわけか美形ガイドのライダルまで
同伴することになり
渋い大人イケメンの夫と
エキセントリックな若イケメンとに
愛情を注がれちゃって
ああ〜ん、コレット困っちゃう。

と、内心喜んでいるうちに
うっかり事故で死んでしまいました。


…あれ〜ぇ?


と云った感じなのです。

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コレットの死後チェスターから写真をねだるライダルでしたが、どっちもおんなじでしょ。

夫の裏の顔を知っていながら
お金があるうちは観光旅行にかこつけた
逃避行に喜んで付き合うものの
夫が旅先でうっかり過失致死を犯すと
あっさり見切りをつけ
手近にいた若い男にちゃっかり手を出すコレット。
なかなかに強かな女性です。

夫から買ってもらったばかりのブレスレットを
失くしたことに最後まで気が付いてないところからも
彼女のことは何一つ弁護できません。

老いてもなおフェロモン振りまく
ヴィゴ・モーテンセン、
現在に人気が鰻登りで映画界でも引く手あまたの
オスカー・アイザック、
子役時代から「美少女」「美人」という
褒め言葉が切れることのない
キルスティン・ダンストを起用し
観光大国ギリシャで撮影しておきながら
観光映画としてもラブストーリーとしてもサスペンスとしても
心躍らないのは残念。

確かに各俳優のファンなら見落せない作品とは思いますが、
もっとキャラクターに魅力を!

と、思ったら原作はパトリシア・ハイスミスなんですね。
なんとなく納得。
一見、1人の女を巡る男2人との三角関係を描いているようで
実は女そっちのけで男同士の確執がメインと云うところが
「太陽がいっぱい」のパトリシア・ハイスミス。

かつて、パトリシア・ハイスミス、ルース・レンデルと云った
ミステリーを女性が読むと洗練されたイメージがあったものですが、
現在もその風潮が脈々と受け継がれているようで
観光ガイドを兼ねた2時間サスペンスで
育っている世代にはこの映画は品が良すぎて
入り込めないようです。

「土曜ワイド」なら
「殺意の迷宮〜ギリシャ観光を楽しむ理想の夫婦に近づく現地ガイド。迫る追手。アテナイからクレタへと逃避行。拗れる夫婦に忍び寄る影。やがて遺跡に死体が!蘇る現代のギリシャ神話。」
みたいなタイトルが付けられるかも。

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映画はライダルがガイドするギリシャ神話から始まりその後の展開を示唆してます。

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