2015/10/15

地球の歩き方 ニッポン  MOVIE

本日の映画は

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「ギャラクシー街道」です。

BBT(富山テレビ)HP上で試写会の案内が出た直後、
「これは試写会で見ておかなければ…。」
と、応募締切迄まだ優に2週間もあると云うのに
その日のうちに往復はがきをポストに投函しました。

それも当選率を少しでも上げるため
30分ぐらいかけて描き上げたカラーイラスト入りで。

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この絵を模写しました。

話題作が次々と公開を控えている2015年秋、
例えレディースデーであろうともこの映画に
1000円以上のお金を支払う気など毛頭ありません。
故にこちらも必死です。

試写会に外れればたぶん劇場では見ることはないでしょう。
かといって話題作だけにDVDやテレビ放映を待つのは
なんだかやりきれないのです。

日本人が苦手な(コテコテそうな)コメディ映画。
映画ファンが苦手な三谷幸喜監督。
キャストだけがいつも通り無駄に豪華。
(豪華と云っても他の三谷作品と比べるといささか地味?)

予告編を見る限り
60、70年代のアメリカのテレビドラマ(シットコム)の
スタイルを保ちつつ
演じているのが変なカツラやメイクをしている日本人であるため
見た目「吉本新喜劇」です。

それも
「ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃー」
「大阪名物パチパチパンチや」
「今日はこのくらいにしといたろか〜」
などのお決まりのギャグを何一つ知らないまま
素で見る人生初の「吉本新喜劇」。

だいたい登場人物全員が(日本人が演じる)宇宙人
と云う触れ込みの映画、誰が見に行くと云うの?
ターゲットとなる客層すら見えてきません。

そもそもシットコムって1話30分のテレビドラマだから
良いのであってこれを2時間見せられてはたして面白いの?

と、まあ、どこを取っても不安要素しかありませんが、
試写会で一人頭52円(試写会はペア招待)で見る分には
頭も使わず無駄な感動もせずさらっと見れるはず…。

そんな思いのたけを書きつづったコメントと
イラストが功を奏したのでしょうか、試写会は無事当選。

それから、9日後の10月24日(試写会は15日)
本作「ギャラクシー街道」が全国約350館で
一般公開されました。

蓋を開けてみるや、不評酷評どころの騒ぎではなく
読むレビュー読むレビュー、判で押したかのように
「『ギャラクシー街道』今年のワースト当確!!」
「忠告する。絶対に見るな!」
の嵐です。

この土日に劇場で見ていると云う事は
最安価格でレイトショー1200円、
真面に支払えば1800円で見ているのですから
このような結果となっても仕方ありません。

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どんな御馳走が出るかと正装して訪ねたらマクドが出されたと云う感じですね。

同じ日にフジテレビ系で放映された
「すてきな金縛り」が土曜プレミアム枠で放送されるなら
本作は
テレビ東京金曜深夜1時枠の深夜ドラマ
午後のロードショー枠ですらない
フジテレビ系土曜深夜ドラマ枠(土ドラ)で
ひっそり放送されるのは相応しいように思える作品ですから。

このような深夜ドラマ(本作は深夜ドラマではありません)は
明日は学校や会社も休みということで
見るならだらだら見るもよし
つまらないと思ったら潔くテレビを消して
とっとと寝るに限ります。

今の段階で結論を申しますと
本作ほど試写会で見ておいて良かったと思った映画はありません。
ありがとうございます、BBTさん!

そんな私の試写会での感想は


「想像に難くなく可もなく不可もなく
まあこんなものだろう。」
と、割と冷めたものでした。

そもそも
老巧化が激しいスペース幹線道路『ギャラクシー街道』の脇にたたずむハンバーガーショップを舞台に、そこで働く人々と客たちが繰り広げる騒動
に何を期待しろと?

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「SMAP×SMAP ギャラクシー街道スター軍団勢揃いSP!!」で
終始ふてくされたような微妙な表情の監督。眼が死んでます。


それでも
肝心の会議部分が全然痛快でなかった
「清州会議」よりはまだましなような…。

おかげさまで「清州会議」を踏まえた上で
「オリエント急行殺人事件」を経て、
三谷作品に対していかに私のハードルが下がっていたか
今更ながら実感できました。
(なにしろ「清州会議」も試写会で見ているのに
レビューすら書いていないのです。)

本作は一見すると

やまなし
おちなし
いみなし

所謂「やおい」です。
ですから「つまらない」と思われても間違っておりません。

ただ、物語に起伏がないゆるゆるな映画
(例「楽園の瑕疵」「フリック」とか)が好きな私には
他の方が苦言されているほど
この映画、見ていて苦ではありませんでした。

さらに最初から日本のコメディ映画、
それも三谷幸喜作品と肝に銘じて見ているので
笑えなくても」それほど気にもなりません。

だって、ねえ
「これ…ひょっとして
作り手だけが面白いと思っている…んじゃ…?」
みたいなコメディ映画に今年だけでも
どれだけぶち当っていると思ってんの?!

監督自らが臆面もなく
「爆笑間違いなし」なんて宣伝している映画は
たいてい観客以前にまず監督が面白い
と思い込んでいる可能性が高いのですから。

どうしてそういう作品に限って大言壮語を吐いて
自らハードルを上げてしまうのか…。

この作品で
どのくらい作り手と受け手でズレがあるかと云うと
作り手は遠藤憲一をやたらプッシュしているのに
レビューで褒められているのが
押しなべて小栗旬と云うくらい開きがあるのです。

その小栗旬パートのネタバレも
公開前テレビで安易に披露してしまうお粗末さ。
ここは公開後まで出し惜しみしておきましょうよ。

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を劇場公開5日も前にテレビに出したらあかんでしょ!

予告編でも後姿や顔だけ登場していますが、
全体像のチープさダサさが良いんだから
そこは最後まで隠し通しましょうよ。

でも、このキャプテンソックスの造形もそうですが、
舞台となるサンドサンドバーガー・コスモ店のセットも
絶妙に古臭くて私は好きです。

50〜60年代のアメリカンダイナーの内装を
参考にしてそうなのに何故か調度品が日本の喫茶店。
そこはかとなく漂う昭和臭。

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結構こだわって作られているセット。客席にはルーレット式おみくじ器もあります。

下北沢の劇場ザ・スズナリが外装や名前もそのままで
申し訳程度飾り付けられた状態で出てくるのも好きです。

確かにこの作品が映画ではなく舞台だったら
数ある劇場を抱える下北沢(または本多劇場グループ)でも
「ザ・スズナリ」で公演しそう…
と、思わず頷いてしまいました。

そのくらいしっくりきます。

ズレと云えば、映画の最後の最後に
三谷監督云うところの「超人気俳優」がちらっと登場してきますが

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Youtubeでもくどいほど宣伝活動にいそしんでいます。

「みんなが大好き」とか「超人気」とか
臆面もなく云っちゃうところがまた…。(*)

監督の自己満足、過大評価にこちらが赤面してしまうわ。

これに限らず公開前から
三谷監督が云っていることって針小棒大しすぎて
「そ、そうですか〜?」
と首を傾げることが多いのです。

例えば、この映画
「宇宙を舞台にしたロマンティックコメディです。」
と仰っていますが、
ロマンティックなところはありません。
というか私の知っているロマンティックはこれではありません。

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香取慎吾のノアと綾瀬はるかのノエ夫婦はこのアニメほどラブラブではありません。
後、ステキな夫婦でもありません。


監督のみならず出演者が挙って「爆笑です!」
とアピールしていますが、
先ほどから何度も書いているようにこれも大変微妙です。

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主演男優の建前。むしろ建前なのにこれって。

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ベテラン女優の本音。三宅正治アナも暢気に笑っている場合ではない。

一般公開された今では微妙どころか
観客から全面否定されています。

後、「登場人物全員宇宙人」と云うのも嘘です。

香取慎吾も綾瀬はるかも一応地球人に分類されています。
他にも石丸幹二、秋元才加や阿南健治、段田安則
あたりもおそらく地球人で
登場人物の4割くらいが地球生まれです。

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こんな頭してますが、優香も地球人(ハーフ?)にカウントされています。

それに関しては、公開数日前
たしか「めざましテレビ」だったと思いますが、
「地球人も宇宙人です」
と云う文章がずっと画面に右端にテロップされていて……

おぃぃぃぃぃぃぃ!!
それ云うたらあかんやつやぁぁぁ!!

だいたいテレビ局制作映画では
「のだめカンタービレ」しかり
「テレマエ・ロマエ」しかり
「王妃の館」しかりで
平気で外国人の役を日本人に演じさせていますが、
この映画ときたらしれっとオール日本人キャストで
ろくろく仮装せず素の顔を見せて
「登場人物全員宇宙人」とか云っているんですよ!?

…ええ、ええ、だいたいにおいてこういう姿勢の映画です。

公開1週間前あたりから宣伝のため
出演者と共にワイドショーやバラエティー番組に
顔を出している三谷監督、
異様にテンションが低いし
なにより目が死んでいるような…。

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実は公開前から超投げやりだった三谷監督。

もしかすると監督自身も自分が期待していたほど
この映画が面白く思われないことに気が付いているのでは?


そんないい加減な映画ですが、
遠藤憲一さんが劇中で妊娠するというのが
本作いちばんの見どころとなっており
生まれた子供たちはあるCG加工(?)されて登場してきます。
ところが、
どういうわけか後姿は加工がなされていないという
「そこ!そこはちゃんとしようよぉ。」
みたいな手の抜き方を平気でしてくるあたりも
実は好きだったりします。

この試写会を前後して
「図書館戦争 THE LAST MISSION」の
試写会もあり、
こちらの方が前作を見ていないからと云う理由で
応募しなかったのですが、
公開直後の月曜日(10月26日)段階での
Yahoo映画での評価は
「ギャラクシー街道」1.83点(5点中)に対して
「図書館戦争 THE LAST MISSION」は
4.4点と高得点。



…う〜ん、でも、後悔はしません。
例え時間が戻っても私は
「図書館戦争 THE LAST MISSION」ではなく
「ギャラクシー街道」の試写会に往復葉書を郵送することでしょう。

余談ですが、
私の隣で試写を見ていた女性は
ギャグと思われるシーン1つ1つに
それはそれは丁寧に反応されておりました。
レビューを書くほど映画好きな方はともかく
試写会で映画見れて得したわぁ
ぐらいに思っている観客は
意外と面白く見ているのかもしれません。

かく云う私もこの作品が30分ドラマとして
週末深夜に2クール放送されていたら
喜んで見ていたかもしれません。




【注釈と追記】

(*)
ネタバレ&私事で申し訳ございませんが、
この映画で自分が「後頭部を見ただけで佐藤浩市が判る」
人間であることを初めて知りました。

まあ、これはどうでも良い話ですね。

追記として妄想をさらに暴走させると
この映画、昨今の訪日観光需要拡大で
アップアップしている今の日本を描いているようにも
見えてしまうんですよね。

内容は同じセットなのにチーズバーガー「に」つくか
チーズバーガー「が」つくかで値段が違うことに
「それはそういうもんなんだよ。」
と、会社の意向を疑問とせず鵜呑みにしたり
いきなり初対面で顔を舐められても
「これが私どもの挨拶の仕方で」
なんて云われると「そういうもんか」と信じてしまう
ノア夫婦が私たちと同じような日本人で
そんな「地球の常識は通じない宇宙人」が

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常識がないんでナゲットを今流行りの「爆買い」します。

中国人観光客をはじめとする外国人、
寂れゆくギャラクシー街道は
五輪後、外国人観光客が減った日本に
と、つい置き換えて見たりして。

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日本マクドナルドでもこんな感じの料金設定がされているそうです。



【さらなる追記】

他の方のレビューを読んでいてようやく思い当ったのですが、
私、この映画をコメディとしてではなく
「ああ、いるよね。こういう人。
腹立つけどいるわ、こんな人。
…ていうかこれ私のこと?!」
と云う日本あるあるネタ、ちょっと困ったニッポン人見本市
としても見ていたようです。

その人格に対して映画を見た人が皆「不快」と感じる
七三眼鏡姿のいかにもTHE 日本人なノエ。

異星間交流したいけど病気は怖いし
結局大きな冒険はできず
自分とよく似た人種を択んでしまう歯科医。

そんなノエが経営する寂れた場末のバーガー屋で
生きていくため働かざるおえない
アンチエイジングでそうは見えないけど
実は後期高齢者であるパート店員。

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昭和生まれですもの煙草はピース缶です。

あるある。

確かにノエの行動を見ていると
差別的でむかつきます。

客に対してこんな態度をとる店長なんて人として許せない
って気持ちにもあります。

ただし、自分のことに置き換えれば
ハンバーガーを美味しく食べようと口に運んだところで
隣の席の客が床に水たまりができるほど
体液を流しているのを目にしたら
店長にそれとなくクレームをつけるか
勢い余って食べログ(かSNS)で
その店をけちょんけちょんに叩くかもしれません。

そんな苦情のことを考えるとと店長だって
自主規制が働いてそれとなく入店お断りするかも…。

やっぱりいるわ、こういう人。
ていうか私自身がなりかねない。

特にこの時のノエは店の閉店と妻の浮気疑惑という
問題を抱えていてイライラしてましたし。

ムタ(石丸幹二)に対しても差別的と思いつつも
未知の宇宙人相手ではやはり病気とか心配になりますもの。

でも、人間とはおかしなもので
そんなノエやムタの対応に腹立ててつい勢い余って
「こんな不快な映画、お前ら見るな!」みたいなこと
友人限定のSNSとかに書いちゃうんですよね(テヘペロ☆)

すみません。私も典型的な日本人なので…。


……う〜ん。
この映画、日本人よりこれから
「お・も・て・なし」を期待し日本を訪れる
外国人観光客にある程度の心構えとして見せた方が
良くないですか?

さすればこの映画公開後の顛末も含めて
日本は「失敗を許さない社会だ」
と実感してもらえることかと。


【さらにさらなる追記】

後日、三谷幸喜監督は著作の中で
「これは第1話じゃなくて
第235話のつもりで作ってください」と指示した
と記述されているテレビドラマ
「HR」の第1話だけを見てみました。

おそらくこれが「ギャラクシー街道」に
作りも製作意図も一番近いと思います。

そう考えるとこの映画も
30分ドラマ「ギャラクシー街道」の
「第235話 ノエが浮気!?ノアの元カノ来店で大騒動」
「第236話 異星人とHがしたい」
「第237話 さようならキャプテンソックス」
「第238話 ノエの子供を妊娠しちゃった?」
の4本をまとめて映画化しちゃったという感じ?

深夜に放送されたら実験的作品として
それなりに評価を得られたかも。

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この店を舞台にした30分枠シットコムで見たかった!
 
 
【これで最後にしたい追記】

「『ギャラクシー街道』にファンからも失望の声」という
タイトルを掲げたネットニュースなど
批判寄りの感想を読んでいると思うのは
映画内でストーリーが入れ子構造になっている映画は
結構ありますが、
映画内と映画の外側で入れ子構造になっている
と感じる映画はこの作品が始めてだなあということ。

映画を見る前、見た直後はそれほどでもなかったのに
公開後映画を見たと云う酷評が出てくるたびに
いろいろ考えさせられるところが非常に面白いです。

例えば、SNSでの酷評は
宇宙に放出された卵を救おうとして
思うように救えないキャプテンソックスに対する
「期待外れ」「役立たず」と云った
他の登場人物の罵声を思いだせますし、
三谷幸喜のロマンティックコメディを期待していて
「ただの下ネタじゃん!」とがっかりする様は
宇宙人のセックスを楽しめなかった歯医者さんのよう。

とまあ、過去の三谷幸喜作品は別にして
この作品は「最低最悪」とげんなりしている方にとっては
それまでメロメロだった恋人レイのハンバーガーの食べ方が
実は怖ろしく汚かったこと
(しかも本人はその時は気づいておらず
6年後、汚い食べ方でも楽しく一緒に食事してくれる
男を択ぶのです。)
を目の当たりにした時のノアと同じ気分なんだろうな
と思ってしまいます。

ところで、
他の方のレビューを読むと、
難産の際潤滑剤として
ここぞとばかりにカエル星人の体液を使わなかったことで
三谷幸喜を非難している文章をいくつか目にしましたが、
その方々は自分や自分の妻が出産するとき
このような事態に陥った時
どこのだれか判らないおっさんの体液を使用しても
それはそれで平気なんでしょうか?
私は嫌です。
断固拒否します。
この2択なら迷わず昆布を択びます。
 
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