2015/4/18

線路は続くよどこまでも  MOVIE

本日の映画は

シャー・ルク・カーン&ディーピカー・パードゥコーンの
恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」コンビが贈る
ロードムービー形式のラブストーリーもの

「チェンナイ・エクスプレス 〜愛と勇気のヒーロー参上〜 」

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DVDジャケットでは拳銃を構えていますがそんなシーンあったっけ?

です。

それにしてもこの日本版のDVDジャケット、
いったいどうしたものでしょう。

オリジナルのイメージビジュアルと比べると
配給会社の苦心の痕が窺い知れるようです。

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インドのポスターの一部。これで一部です。それだけ力入ってるの?

日本のDVDジャケットだけを見ると
これから見る映画はおそらくは
列車を舞台としたB級アクション。
(いや、インド版宣材も相当アクション映画っぽいのですが。)

うっかり、このような映画↓を
想像してしまうのではないでしょうか?


ケイシー・ライバック!!

しかし、そこはシャー・ルク・カーン主演ですので
女性の皆様はご安心を。
中身はベタベタのラブストーリー仕立てとなっております。
そこのところは私のようなことにならぬよう
くれぐれもお間違えの無いように。

では、映画のストーリーを追っていくといたしましょう。

 

本作の主人公、ラフール(シャー・ルク・カーン)は
8歳の時に両親が他界して以来祖父母の手で育てられ、
現在は祖父の経営している人気菓子店
「YYミターイーワーラ」を手伝っている40歳独身男性。

特に頭が冴えているわけでもなく腕がたつわけでもない
ただのいい年をしたおじいちゃんっ子ですので
基本ヘタレです。

どれだけヘタレかと云うと
祖父の厳しい(特に恋愛方面)監視の眼を怖れて
女性に手を出すことができず
すっかり婚期を逃してしまったほどです。

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40歳で「お兄さん」と呼ばれるだけまだましですよ。

その祖父が100回目の誕生日を祝う会の最中に他界。
亡くなったとは云え天寿を全うしたわけですし
これでようやく羽が伸ばせると喜ぶラフールでしたが、
祖父の遺言に従い遺骨をガンジス川と
四大神領の一つラーメシュワラムに
二手に分けて散灰することになります。

ガンジス川には祖母が出向くこととなり
ラーメシュワラムへの散灰を任されるラーフル。

しかし、悪友のボビーとサリムにそそのかされて
祖父の死後直後から
インドのインド西海岸の観光地ゴアへの
ナンパ旅行を計画していたラーフルは
祖母には鉄道でラーメシュワラムに向かうと嘘を吐き
乗り換え次第で行き先の自由が効く
チェンナイ・エクスプレスに乗り込みます。

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本来に目的地ラーメシュワラムはゴアとは反対側の東海岸にあります。

勿論、そのままラーメシュワラムに行くつもりなどありません。
途中下車しボビーとサリムの車でゴアに向かう気満々です。

ところが、
ボビーとサリムと合流するカルヤン駅で降車した直後
列車の網棚に遺灰の入った壺を忘れてきたことに
気が付いたラーフル。

慌てて今降りたばかりの列車に戻り壺を回収し
再びホームに降りようとしたところ
列車に向かって死にもの狂いで走ってくる美女の姿を目にします。

彼女が列車に乗り込むのを手伝うラーフル。

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ここは「シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦」のパロディだそうです。

ところが、その後を追うように屈強な男たちが
1人、2人と列車に向かって走ってくるではないですか?

そのたびに手を貸して
車内に乗り込む手伝いをするラーフルですが、
この男たち、誰がどう見ても
最初に手助けした美女を捕まえようと追いかけてきてますよね?

と、云う考えはラーフルにはこれっぽっちもなかったようで
まんまと美女誘拐事件に巻き込まれてしまい
疾走するチェンナイ・エクスプレスから
降りるに降りれなくなってしまいます。

ラーフルが期せずして知り合うこととなった美女の名前は
ミーナ・ローチニ・アドハグ・サンダラム
(ディーピカ・パドゥコーン)。

列車での長い道中、ただの誘拐にしては
拉致したミーナの命令には
従順な男たちの姿を見て不思議に思うラーフル。

それもそのはず、誘拐を命じたのはミーナの父親で
南部地方コンバンを牛耳っている
ドルゲーシュハラと云う大物だったのです。

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ミーナを誘拐した男たちは南部の生まれなのでヒンディー語が通じません。

と云っても北部の生まれのラーフルには
ピンときません。
判るのは彼女の父親が南部を仕切る怖い権力者ということだけ。

ミーナはタンガバッリと云う男と望まぬ政略結婚を強いられ
それが嫌で
これまでも父親の元から何度も逃げ出していたのです。

列車がコンバンに着いたところで(映画的には1/4を過ぎた頃)
タイトルロールの「チャンナイ・エクスプレス」の出番はおしまい。

意外とお早い退場です。

チャンナイ・エクスプレスが駅を去ると
父親を対面したミーナがその場しのぎのでまかせとして
出迎えに来た大勢の村民を前に
自分が本当に愛しているのはラーフルだと紹介したため

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ミーナの地元は日常会話はタミル語なので
ヒンディー語圏出身のラフールには何を云っているのか判りません。


ラーフルはタンガバッリと勝ち目のない決闘する破目になります。

それ以降は結婚したくないミーナと
ミーナの父親と婚約者に殺されたくないラーフルとの逃避行
となるのですが、
この手の話は
最初のうちは自分の目的のため相手を利用するつもりで
嫌々一緒に行動していてもそのうち本当の恋に堕ちるのが定石。

この映画もご多分に漏れず。

逃避行中ミーナへの愛を確信したラーフルが
逃げることを止め、正々堂々と彼女の父親とタンガバッリに対し
彼女を愛していることを宣言しインド流の筋を通したことで

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この父親に向かって正式に交際を求める流れも「DDLJ」と似ていますね。

最後2人は結ばれます。

めでたしめでたし。

…え?意外にあっさりしすぎているような…?
基本に則りすぎてストーリーに面白みがないというか
ちょっと物足りない気が…。

と、それもそのはず。

たしかに40年間の人生で初めて真剣に愛する女性ができ
彼女のためにボロボロになりながらも戦うラーフルの姿は
胸を打ちますし、それなり面白く見ることのできる映画ですが、
悲しいかな、この映画
インドの国土、地理、言語、風習、
そして、ボリウッド映画を知らずして見ても
本来の面白さが半減してしまうだけなのです。

知らないなりに

「ああ、インド北部と南部での言語や習慣の違いが判れば
もっと面白いのに。」とか、
「このシーンって、何かのパロディですよね?」とか

云ったことをおぼろげに察することができるのがまた…。

インド映画通ならともかく
生まれも育ちの日本国の只の映画好きには
ちと敷居が高いのです。

この映画では
ヒンディー語しか喋れないムンバイ出身のラフールが
いきなりタミル語が主要言語のインド南部に
連れてこられたため、言葉が通じず四苦八苦する姿が
最大の見所となっております。

落語での「金明竹」のようなものです。

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ですのでこれが「サゲ」となります。

江戸と大坂の言葉の違いを知らずに「金明竹」を聞いても
面白さが半減するのと同じことです。

また、パロディの方も
「シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦」を
劇場で見たのが、約15年も前になるため
全く内容を覚えておらず、
パロディであることは後で他の方のレビューを読んで知りました。

唯一、私でも判ったのが
コンバンのミーナの生家で
ラフールがミーナと今後のことについて相談するため
父親の眼を盗んで夜密会しようと書いた投げ文が
なかなかミーナの元に届かずたらい回しとなって
最終的に関係ない人物まで密会場所に集まる
と云うシーンが
流石に日本でも大ヒットした「ムトゥ 踊るマハラジャ」の
パロディ(オマージュ?)だということぐらいで
後はもう全然。

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ん?こんなシーン昔見たことがあるような。

でも、なんで
「ムトゥ 踊るマハラジャ」?
と思ったこともすっかり頭から抜け去った頃には
映画は無事ハッピーエンドで幕を降ろします。

残るのは
「なんか今一つ楽しめなかったなあ。」
と云う思いだけ

と、思いきや、ここからがこの映画の本領発揮。

上映時間も残り4分を切り
後はエンディングロールというところで
これまでのストーリーを覆す
想像だにしなかった驚愕の展開が待っていたのです。

むしろ、それまで見てきた2時間17分よりも
この4分弱の映像こそがこの映画の本編ではなかろうか
などと思ってしまいましたよ、私。

それがこれ

なぜかスクリーンいっぱいに
「ロボット」のラジニ・カーントの姿が。

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何故こんなところにチッティが?

狐に抓まれたかのようなマヌケ面で画面を見ていますと

そのままスーパースターラジニカーントを
称える歌と踊りが始まります。

なぜにWHY?


と云っても本作にはラジニカーントは出演していません。カメオ出演もしてません。

勿論、この映画本編にはラジニカーントは0.1秒も
出演していませんし、
ストーリーにも係わっていません。

しかし、本作の主演とヒロインは
まるまるエンディングロールを使って
ひたすらラジニカーントを崇め奉るのです。

インド人もびっくりではなく
インド映画の懐の大きさにびっくりです。

こんなエンディングロールを作ってしまう
シャー・ルク・カーンに頭が下がります。
(ローヒト・シェーッティー監督のアイデアかもしれませんが)

15年後には「シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦」同様
内容もストーリーも忘却の彼方に行ったとしても
流石にこのエンディングロールだけは忘れないこととなるでしょう。

最後の最後にこんな隠し玉が用意されているというのに
いくつかあるレビュー記事の殆どが
エンディングロールについて一切触れていません。

見たら最後
「この驚きをあなたにも!!!」
と、なるとは云え下手にネタバレできない
このある意味「衝撃のラストシーン」。

いやあ、いいもの見せてもらいました

ただ、
ここまで読まれた方にはすっかりネタバレをしてしまい
大変申し訳なく思っております。


 
 

 
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