2015/4/13

インドの平和は私が守る!  MOVIE

本日の映画は「クリッシュ」

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というボリウッド映画です。

DVDスルー、加えて「TSUTAYAだけ!」という
大変市場の限られた映画ですので
いつも以上に宣伝に力が入っております。

なにしろ、DVDパッケージに
これ見よがしにレイアウトされた

「全世界の映画賞を席捲!
9部門受賞×22部門ノミネート」

「ニート兼スーパーヒーロー」
「カレーの国から参上。」


の宣伝文句。

一目でインド版のスーパーヒーローものと判ります。

まあ、惹句やタイトルロゴのセンスの無さには眼を瞑るとして
そのなかでも眼を惹くのは
「全世界の映画賞を席捲!」という煽り文句。

生憎日本のWikipediaを閲覧しても
詳しい情報が載っておらず
どのような賞を受賞したのか簡単には判りません。

しかし、そこは天下の「TSUTAYAだけ!」、
抜かりはありません。
同時期にレンタルしてきたインド映画
「チェンナイ・エクスプレス〜愛と勇気のヒーロー参上〜」
(これもDVDリリースは「TSUTSYAだけ!」)
に収録された日本版の予告編によりますと

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一般に日本で紹介される「最新全米映画興行成績ランキング」はTOP10までです。

だそうです。

第14位というテレ朝人気番組「お試しか!」において
発表された途端100万円チャレンジ終了となる順位では
凄いんだかどうなんだかよく解りません。

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なのでとりあえず思いつくだけの授賞歴を紹介しています。

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それも2つに分けて。

授賞歴以外にも
思いつくだけの賞賛を詰め込んだ予告編は
それだけでも一見の価値があります。

しかも締めがこれですよ!

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あ〜あ、やっちゃった。

もう、映画業界は金輪際
このキャッチコピーの使いまわしを永久追放しろ
と云いたいですね。

ということで
それなりに期待を持っていざDVDを再生してみると



なんとこの映画
「前作(と前々作)のダイジェスト映像」から始まります。

しかも オープニングロゴが終わるやいなや
何の説明もなくいきなり流れる前々作
「何かが...やって来た(Koi…Mil Gaya)」(2003)
の映像………あれ?
…これ見たことあります、ニ○ニ○動画で。

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あれ?一度見た映画借りてきちゃった?

続編が作られているなど想像だにしていなかったこちらとしては
以前只見した映画「Koi…Mil Gaya」が
タイトルを変えてDVDリリースされたのかと一瞬焦りました。

え?でも、スーパーヒーローものだった記憶がないのですが…。

実はこの「クリッシュ」
原題は「Krrish 3」と云い
シリーズ最新作にあたる映画だったのです。

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インド版DVDでは「3」がタイトルにスタイリッシュにデザインされています。

ん?「3」?
ボリウッド映画にも続編ってあるの?
と、お思いの方、
昨今、ボリウッドもハリウッドの影響を受け、
ヒット如何によっては
シャー・ルク・カーン主演の「DON」シリーズや
「チェイス!」という邦題で全国公開された「Dhoom:3」
のように続編が作られるのがトレンドとなっているそうです。

それはそれで構いませんが、
ボリウッド映画が未だ思いのほか浸透していない日本では
配給された際、どういうわけか肝心の第1作をすっ飛ばして
劇場公開されることが少なくありません。

本作も例に洩れず。

「Koi…Mil Gaya」が
動画配信で視聴することができるとは云え
未だ市場では出回っておらず
第2作目の「Krrish(クリシュ)」(2006)に至っては、
何をかいわんやです。

一応本作の冒頭でも
これまでのあらすじをダイジェストで紹介しているのですが、
シリーズ3作目と熟知しているインドの観客に向けての
おまけ映像ですのでものの1分ほどしか流れません。

まずは第1作目の「Koi…Mil Gaya」。
公開時点では続編の予定がなかったためか
インドでは珍しく
「E.T.」や「未知との遭遇」を彷彿させるような
ファミリー向けのSF映画となっています。

ざっくりした内容は以下の通り。

出産時の事故の衝撃で脳に損傷を受けたため
生まれつき知的障害を患う主人公
ローヒト・メヘラー(リティク・ローシャン)は
身体が大人になった今も頭脳は7歳のまま。
同じ事故で父親を喪い母親の女手一つで大切に育てられました。
ある日のこと、ローヒトは自宅の納屋で
天文学者だった父親(ラーケーシュ・ローシャン)の
形見であるコンピューターを見つけます。
試行錯誤の末宇宙と交信を試みたところ、
地球上に不時着した宇宙人との接触に成功。
ジャードゥー(=魔法)と名付けた宇宙人を納屋に匿い、
親友となるローヒト。
ジャードゥーが持つ不思議な力によって
知能と体力が超人的に発達したローヒトは
幼い頃から夢見ていた人並み(以上)の生活を手に入れ
愛する女性ニーシャー(プリティー・ズィンター)とも
恋人同士になることができました。
しかし、ジャードゥーとの別れの日が訪れ
自分の人生よりジャードゥーの帰還を優先したローヒトは
魔法が解け元の障害者に戻ってしまいます。


この1作目には本作の主役「クリッシュ」は
まだ登場していません。

「クリッシュ」が登場するのは、
タイトルに前作の名残が全く見られない続編「Krrish」から。

第2作目では当時ハリウッドを席捲し始めた
アメコミヒーロー映画の影響をモロに受けたようで
作風ががらりと変わってしまい、
と同時に主人公もローヒトとニーシャーの間に生まれた
息子クリシュナ(リティク・ローシャン)↓に移ります。

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続編ではどうやらローヒトは死んだ事になっていたようです。

私は未見ですが、
他の方のレビューによりますと

今は亡き父親ローヒトの血を受け継ぎ、
類まれなる身体能力と高い知能を持って生まれたため
人里離れたインドの山奥で祖母と隠れ暮らしていた青年クリシュナ。
たまたまインドにキャンプをしに来た
シンガポールのテレビ局員プリヤー(プリヤンカー・チョープラー)と
出会い、彼女に誘われ訪れたシンガポールで
死んだと聞かされていた父親が生きており
悪の科学者(!)の組織に囚われの身となっていることを
知ったクリシュナは正体を隠し
仮面のスーパーヒーロー「クリッシュ」となって
プリヤーとともに父親を救い出すのでした。


と云うのがメインのストーリーのようです。

その2作「前日譚(ビギニング)」と「誕生編(ライジング)」
計5時間41分を経たうえで
第3作目として制作されたのが本作「クリッシュ」。

先の2作は残念ながら今のところ
日本ではDVDスルーすらされていません。
(そして、これからもされることはないでしょう。)

しかし、身構えることはありません。
ボリウッド映画は基本エンターテイメントですので
これ1本でも気兼ねなく楽しめるようにできております。

現在、ムンバイで
父親のローヒトと妻となったプリヤーの3人で
仲良く暮らすクリシュナ。(祖母はどうしたの?)

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この映画の父と息子はリティク・ローシャンの一人二役です。

目下の悩みは、スーパーヒーロー「クリッシュ」として
ムンバイの人々の助けを求める声にいちいち応え
職場放棄しては即座に駆けつけるため
仕事が長続きしないこと。

インド総合研究所で働く天才科学者である父親と
テレビ局の花形キャスターを勤める妻のプリヤーがいるため
収入の心配はありませんが、

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公共の電波を使って夫をデートに誘う妻。

これは息子として夫としてインドの男としては辛いところ。
しかし、現実は非情なもの。
今日も今日とて解雇通告を受けてしまいます。

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ヒーローにとってここ一番の現実問題に直面。

解雇されたショックも冷めやらぬうちから
テレビのニュースで旅客機がムンバイ上空で
操縦不能となったのを知り
「クリッシュ」の衣装に着替え助けに向かうクリシュナ。

その助け方たるや半端ではありません。

ビルの屋上から件の旅客機に飛び移ると
(「クリッシュ」は道具もウェブシューターも使いません。)
故障で制御ができなくなった前輪を
自らの体をジャッキ代わりに使って押し上げ

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インドのマン・オブ・スティール。

無事に着陸成功。

「クリッシュ」が例えニートとなろうとも
彼さえいればムンバイは安泰です。

その頃、インドから遠く離れたアフリカのナミビアで
未知のウィルスが発生し甚大な被害を齎していました。

恐るべきことに経口感染して数時間で死に至るウィルスは
生まれつき首から下が麻痺しているもの
強力な念動力を持つ男カール(ヴィヴェーク・オベロイ)が
自身の経営する製薬会社で人工的に培養したものでした。

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未知ウィルスは私が作りました。

自作のウィルスで世界的パンデミックを誘発した後
カール製薬だけが持つワクチンを売りつけることで
莫大な利益を得て、それを資金に適合する骨髄液を発明し
移植することで自力で歩けるようになるのが
カールの幼い頃からの夢だったのです。

そんなカールの身勝手な企みなど露知らず、
カール製薬が完成したワクチンにより
ナミビアでの被害が食い止められたことを
同じ科学を志す者として
「世の中悪人より善人が多いと証明された」
と、素直に喜ぶローヒト。

人が良いためウィルスが人工のものと気づいていながら
カール製薬の自作自演であることに思い当りません。

一方ナミビアでの被害が収まった頃、
クリシュナは、プリヤーから懐妊したことを告げられます。

幸せいっぱいなメヘラー一家。

しかし、一家も知らない因縁に導かれ
カールの魔の手は彼らの目前に迫っていました。

カールの次なる標的となったのは
世界でも人口と信仰する神の数の多いインドでした。

生まれつき障害で苦しむカールにとって
こんな体を授けた神など憎むべき存在。
ウィルスを前に神も信仰も何の役にも立ちません。
そして、「クリッシュ」の力も。

ばたばたと血を吐き亡くなっていくムンバイの人々。

始めて自分の力では人々を救うことができないことを
思い知らされたクリシュナは激しく落ち込みます。

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スーパーヒーローでもどうにもできないこともあります。

ところが、ローヒトの研究により事態は一転。
なんとメヘラー一家のDNAのみに
未知のウィルスの対する抗体があることが判ります。

クリシュナのDNAから造られたワクチンで
パンデミックは一気に鎮火。

ワクチンの生成についてはローヒト父子だけの秘密なので
プリヤーをはじめ人々は知りませんが、
どう転んでもこの映画では
「クリッシュ」さえいればムンバイは安泰です。

ワクチンを売買する前に
ムンバイからウィルスが消えたことを知ったカールは
その元凶となったローヒトの研究所と自宅を
自分のDNAと動物の遺伝子を組み合わせて
作り出したミュータント人獣(マンフル)たちに襲わせます。

さらにローヒトがワクチンを生み出した謎を探るため
妊娠中のプリヤーを拉致し、入れ替わりに
人獣の1人で変身能力のあるカーヤ(カングナー・ラーナーウト)を
メヘラー家に送り込みます。

狂気の科学者兼超能力者兼実業家に
愛する妻とまだ見ぬ我が子を実験体として奪われたというのに
それに気づかない最大の危機に
クリシュナはどう立ち向かうのでしょう?


というわけで、かなり面白いです、この映画。

上映時間がインターバルなしで2時間30分もあるのに
一気に見終わることができます。

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もちろん2時間30分の中にはフルコーラスのダンスシーンも含まれているよ!

見る人が見ればいかにもCGCGしているVFXも
香港映画における「少林サッカー」同様
非ハリウッドなインド映画で使用されると
そこに芳醇な味わいが出てくるから不思議なものです。

前半のビルの屋上から屋上へ空中を舞いつつ
エアバスを追いかけるシーンはあにいわんや。
様々な能力をもつ人獣(マンフル)との
VFXてんこ盛りの戦いを経て
いよいよ最終決戦。

そのVFXの凄まじさたるや
たった2人で高層ビルを次々と壊滅する様はまるで
マン・オブ・スティール」でのラストバトルの如く。
いえ、それ以上です。
ボリウッドの経済力に脱帽。

なにしろ適合者ローヒトの骨髄を移植して
完全体となったカールがあまりに強すぎるため
「クリッシュ」は殆どなすすべなく殺されてしまうのです。

流石のアメコミ映画もそこまでヒーローに
悲惨な試練を課しません。

勿論、主人公が死んでしまっては
話が進みませんので生き返りますが、

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少年ジャンプの人気の漫画の如く主人公が死にます。

30分以上かけて戦ってもなお
カールを倒すことができないのです。
簡単に30分と書きましたが、
マンツーマンでの戦いに掛けるには相当長い時間です。

最強の敵であるカールは誕生の時点で
「クリッシュ」と同じくローヒトのDNAを受け継いでいるため
2人の力は互角。
そのうえ、念動力を持っているため
生き返ったところで「クリッシュ」に毛頭勝ち目がありません。

新たな力を得て死から蘇った後も
カールのいいように甚振られる「クリッシュ」。

決着が付く2分前までこんな状態だったのに

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この10m先でカールはぴんぴんしていて高笑っています。

たった20秒で形勢逆転勝利するのです。

しかも勝因は、この映画のファーストシーンにお目見えした
父ローヒトの発明品でした。

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太陽エネルギーで生命を復活させる発明品のはずが死滅させた失敗作。

出来損ないと思えた発明品と父親の献身的な愛が
「クリッシュ」には新たな命を、カールには死を与えたのでした。

これですよ、これが父親の愛ですよ、ジョー=エル!!
死してもなお息子を護るのが父の愛です。

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衣装といい本家「マン・オブ・スティール」よりよほどこちらが出来が良い。

監督ラーケーシュ・ローシャンと
主演のリティク・ローシャンが
実の父子だからこそできた父と息子の3部作、と云えましょう。

と、天下無双の悪役とそれに立ち向かう父と息子の絆で
観客の心を散々揺さぶった一方で
ラブロマンスで乙女心をキュン死させることも
忘れないのがボリウッド。

色気(ラブロマンス)
笑い(コメディー)
哀れ(涙)
勇猛さ(アクション)
恐怖(スリル)
驚き(サスペンス)
憎悪(敵の存在)
怒り(復讐)
平安(ハッピーエンド)
の「ナヴァ・ラサ」(9つの情感)を余すところなく
1本の映画に織り込んでこそ
「日本よ これがボリウッドだ!」と
胸を張って云えるのです。

しかし、
「出逢った時にはかみ合わなかった2人が紆余曲折の末
ラブラブハッピーエンドに」
という定番のラブロマンスを前作「Krrish」で
済ましてしまい、今や妻の座に収まり
しかも妊娠中というヒロインであるプリヤーに
さらなるラブロマンスを求めるのはちと新鮮味に欠けると
踏んだのか、ラブの要素は敵役であるカーヤの元へ。

本来、カメレオンのDNAを持つミュータントとして
人間らしい感情は持っていないはずのカーヤ。

ところが、プリヤーに化けてメヘラー家に潜入するうちに
カーヤに思いもしなかった変化が…。

変身したカーヤを流産でショックを受けている妻プリヤーと信じ
いつも以上に優しくする夫クリシュナ。
それも家族にだけではなく誰にも分け隔てなく
優しく謙虚なのです。

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今は、これが精一杯。でも、こんな小さな花でも恋心に火をつけるのには充分です。

これが決め手でした。

ミュータントとして生れ落ちて以降、
作戦を遂行してもなんの労いの言葉もなく
ちょっとでも口を挟めば逆切れして即折檻するのが
日常茶飯事なDV親であるカールの元で育ったカーヤは
メヘラー家に潜入してはじめて
世の中には他人から愛される世界もあることを知ったのです。

彼女があっけなく恋に堕ちるのも無理ありません。

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しかも夫はただ優しいだけでなくこの肉体で攻めてくるのです。

カーヤの心はまるまる1曲フルコーラスで
ダンスできるほどクリシュナにメロメロなのです。

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ボリウッド名物、歌とダンスに彩られた妄想タイムです。

やがてお互いの正体がばれる日が訪れ
カールか「クリッシュ」を択ぶことになった時
カーヤは悩むことなく「クリッシュ」を択ぶのでした。

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クリシュナはカーヤの変身を見破れなかったようにカーヤもクリシュナの正体に気づいていませんでした。

創造主たるカールを裏切って
「クリシュナ」をプリヤーのところに連れて行くカーヤ。
そして、カールに裏切り者として殺され
「クリシュナ」の腕の中で息絶えます。

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正義のヒーローを愛してしまった敵方の女性幹部の末路として完璧な流れです。

ラブストーリーはベタだからこそ泣ける
それを知りつくし恥じることなく実践するのがボリウッドです。

インドのスーパーヒーローものだからと
侮ってはなりませんなあ。

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と云いきっちゃうだけのことはあります。

なにしろ主人公の肉体だけでも
もうハリウッドに肉薄していますからね。

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日本人では到底真似できないマッスルボディ。ただしどちらも同じ人です。





…あれ?勝手に3部作と思っていましたが、
ひょっとしてこのシリーズまだ続くのでしょうか?
このまま人気シリーズ化して第2作目の「Krrish」も
DVDスルーしてもらいたいものです。



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