2015/2/7

未来は僕らの手の外  MOVIE

本日の映画は
韓国映画
「タイム・クライム」

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原題は「A.M.11:00」。どんな内容か判らないようなタイトルで勝負しています。

です。

気合いの入っていない邦題からもだいたい察しがつくように
「タイムトラベル」ものです。

ただし、本格派SFです。

お隣の国韓国ではこのような
「サイエンス・フィクションたるものかくあるべし」
と真剣に撮影したSF映画を
公開していることにまず驚かされました。

日本ではどうも正統派SF映画の地位が低いというか
「SF映画」と宣伝したところで
大人(特に女性)の客が呼べないからでしょうか、
ラブストーリーやアクション、コメディー
またはホラーなど他分野の映画の
味付け程度にSFが使われることはあるのですが、
純粋にSFひとすじ映画というとどうしても
子供向けだったり、ファミリー向けに作られ
大人の観客に向けた本格SF映画は
近年殆ど作られていないように思われます。

作られたとしても
「科学的理論に基づいてタイムマシン開発に勤しむ
ちょっと訳ありの中年物理者を主人公にしたSF映画」
なんて日本のシネコンではまず上映されません。

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同じ年(2013年)に日本で撮られたタイムトラベル映画がこれです。

しかも、この映画が異色なのはそれだけではなく
他のタイムトラベルものでは
王道となっているテーマ
「過去は変えることができるか?」
をちょっと捻って

「未来は変えることができるか?」

と追及していることなのです。

この映画では
一旦タイムマシンで「過去」に戻って
そこから「未来」にあたる「現在」を変えようとするのではなく
「現在」という時点から来るべく「未来」を変えようとするのです。

どうしてそのようなことになったかと云いますと、


時間移動を研究している物理学者
チョン・ウソク(チョン・ジェヨン)は
深海エネルギーを利用したタイムマシンを開発するため
ロシア人のスポンサーを説き伏せ、海底深くに
時間移動プロジェクト「ENERGIE J」を設立します。

しかし、一向に実験の成果が現れず無駄に年月が流れ
クリスマス休暇を目前に
とうとうスポンサーからプロジェクトの打ち切りを
云い渡されてしまいます。

資金提供してくれる後ろ盾が無くなった
科学者ほど弱いものはありません。

スポンサーから指定された撤収日を2日後に迎え
進退窮まったウソクは他の仲間が反対するのにもかかわらず
言葉巧みに多数決では「賛成」に転ぶよう扱ぎつけ
助手であるソ・ヨンウン(キム・オクピン)と共に
翌日最後のテストを敢行します。

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ウソクとヨンウンは師弟関係にありヨンウンの父親とウソクも師弟関係と云う間柄。

隠し芸的なバラエティ番組において
練習では一度も成功していない技も
本番では無事成功し、視聴者を感動させるがごとく
後のないテストは見事に成功し、
ウソクとヨンウンは24時間後の世界(翌日の午前11時)に
タイムリープを成功。
しかし、そこで彼らが目にしたものは
廃墟と化した無人の研究所でした。

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24時間後のウソクとヨンウンに贈る記念写真を撮る残りクルー。
まさかあんなことになろうとは…。


元々、タイムパラドックスを避けるため
クルー全員が研究所を撤退した後到着するよう
タイムリープしたので、所内が無人なのは納得できるものの
照明はつかず、一部の施設には爆破した痕もあり
室内はどこも泥棒に荒らされたかような有様です。

…たった24時間のうちに一体何が?

システムの都合上
未来の世界の滞在時間は15分と限られているため
ただちに原因追究を開始したウソンはヨンウンとの別行動中
背後から何者かに襲われます。

かろうじて難を免れ、急ぎ防犯カメラのデータをインストールし
タイムマシンに戻ったウソンでしたが、
遅れて戻ってきたヨンウンが
あと一歩というところでマシンに搭乗できず
一人だけで元の世界に戻ってしまいます。

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こんなフラグの立った約束なんかするものだから…。

ウソン一人だけが戻ってきたことに驚く仲間たち。
特にヨンウンの恋人であるユ・ジワン(チェ・ダニエル)の
ショックは並々ならないものでした。

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テスト実験前いちゃつく2人ですが、実はヨンウンの心は…。

ところが、その後タイムマシンの点検に当たっていた
パク・ヨンシク(パク・チョルミン)が
機内にあるはずのない生命反応に気づきます。

なんとハッチから気を失っているヨンウンが見つかったのです。

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ウソンの目の前で乗り遅れたはずなのに何故?

その頃、防犯カメラのデータの再生に当たっていた
ナムグン・スク(シン・ダウン)は
データが強力なウィルスに侵され
開くことができないことに気がつきます。

ウイルスを除去するワクチンファイルのパスワードを
知っているのはヨンウン一人。

ところが、目を覚ましたヨンウンは頑なにパスワードを
教えようとはしません。

仕方なく一部ウィルスに犯されていなかったデータを
開いてみたところ
爆破する倉庫の映像が映っているではないですか。

映像に記された時刻は翌日の午前5時。

未来の研究では一体何が起こっているのか?

ようやくヨンウンを説得し
残りの防犯カメラの映像を再生すると、
そこには次々と事故や殺人で死んでいくクルーの姿が…。

すでに日を跨ぎ、何の対策も思いつかないまま
7人は最初の爆発が起こる午前5時を迎えます。

果たしてウソンらプロジェクトメンバーは
未来を変えることができるのでしょうのか?


という映画です。

こんな内容の映画、
自主映画ならともかく全国劇場公開なんて
日本ではまず無理(>_<)

無理(>_<)は大げさですが、
興行収入は見込めそうにありません。

配給会社も良くこの映画の
日本での一般公開に踏み切ったものです。
(ヒューマントラストシネマ渋谷とシネリーブル梅田で劇場公開済み)

日本でもFCがあるチェ・ダニエル目当ての
女性客を見込んでのことでしょうか?

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私はこの映画で初めて知りました、チェ・ダニエル。

と云ってもチェ・ダニエルが主演ではありません。
チェ・ダニエルはあくまで3番手。

ギターの腕を披露してそれなりに目立つポジションではありますが、
「未来」を知って慌てふためき抵抗を試みる他のクルーと比べると
比較的冷静な人物なので面白みに欠けます。

個性的なクルーの中には
恋人同士が2組いたり
博士課程を取っていなかったため
学歴にコンプレックスを抱えた科学者がいたりと様々。

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こういう捻た人物がいたりクルー同士で仲が悪い者がいたりいろいろ。

防犯カメラの映像を見た事によって
それぞれが未来を変えようと躍起になります。

なにしろ、未来で待っているのは
己や愛する人の死なのですから。

「過去は変えられないけど、未来は変えられる」
なんてよく云われますが、
彼らが変えなくてはならない未来は
まだ起こっていない未来ではなく
既に起こってしまい映像に収められた未来です。

そう簡単にはいきません。

防犯カメラが捉えた断片的な「未来」を手掛かりに
必死で足掻くものの
恐怖と云う感情や無力感が
次第に彼らから理性を剥ぎ取っていきます。

私はSF小説を進んで読むこともなく
SF映画も人より見ていないので
SFに精通している方が
この作品をどう評価されるか判りませんが、
全体的に甘いところはあると思います。

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なんだか取ってつけたようなラストシーン。
「未来を変えられたか」信じるか信じないかはあなた次第。


しかし、作品の出来はともあれ
韓国が自国でSF(それも実写、オリジナルで)を
撮ろうとしたことだけで
「その意気や良し!!」
とエールを送りたい気持ちになります。

「未来を変える」アイデアだけでなく
登場人物の人間関係も地味に面白いので
ストーリーの補完し甲斐があり、
そういう云う意味で
こういう映画こそ「リメイク権」を取って
リブート映画を製作してもらいたいものですが、
ハリウッドが撮ればただのどこにでもある
SF映画に成りかねませんし、
日本が撮ったら撮ったでオリジナルを越えるとは
到底思えないので難しいところですね。
 
 
 







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