2014/12/18

そういや私、女子だった!  MOVIE

本日の映画は
「女子ーズ」ならぬ「尼〜ず」が
活躍する映画
「海月姫」

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です。

今年最後となる試写会で見てきました。

「尼〜ず」とは、
異性にもオシャレ(それ以前に身だしなみ)にも縁がなく
定職にもつかず親からの仕送りのみで生活し
自らを「腐った女子」と称しては
趣味の世界だけに生きる
オタク女子の集まりのことです。

メンバーは
和物オタクの千絵子様(馬場園梓)
三国志オタクのまやや様(太田莉菜)
鉄道オタクのばんば様(池脇千鶴)
枯れ専のジジ様(篠原ともえ)
そして最年少の
クラゲオタク倉下月海(能年玲奈)20歳の5名。

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「女の腐ったような」と云う意味とも違います。


彼女たち「尼〜ず」は、
全員が全員ニートと云う身でありながら
千絵子様の母親が管理している
風呂なし共同トイレ、男子禁制という古風なアパート
「天水館」でそれはそれは楽しく暮らしておりました。


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驚きの再現度。

こんな↑身なりの彼女たちですが、
今年流行りの女子を拗らせているわけでも
女を捨てているわけでもありません。

女を磨くより大事なものがあるだけなのです。

それぞれ興味あるものは違えども
趣味にかける情熱は同じです。

むしろ同じ趣味のオタクが集まる方が
意見のくい違いで仲が拗れることがあったり
オタク歴の長さでヒエラルキーができたり
ちょっとしたことがやっかみを呼び
「混ぜるな、危険!」と云えましょう。

「天水館」には
女子特有のマウンティングも格付けも
毎朝の面倒なメイクも
無駄なダイエットもエイジングケアも
婚活もありません。

あるのは、
他人の話を半分しか聞いていなくとも
人を羨むことも蔑むこともなく
人目を気にすることもない
楽しくも穏やかな生活だけです。

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ここはパラダイス。

ただ腐ってはいます。
いえ、建物ではなく住人が。

と書くと
「ちょっと待って。
こいつら単なるオタクで腐ってないじゃん!」
と、本当の意味で腐っているお嬢様方に
ツッコミを入られそうですが、
ここでの「腐っている」は
趣味に没頭して無駄に女を腐らせているという意味ですので
何ら問題はありません。
(ちなみに彼女たちは仕送りが切れると
BL漫画家のアシスタントをして身銭を稼いでいますが
BLにはさほど興味がないようです。)

何故、趣味に没頭することが
女を腐らせることになるかと申しますと答えは簡単。

世間的には
元来、女は太陽であり
女は常に身だしなみを気にし
男と他の女の眼を惹き
恋に生きていなければならないからです。

なぜなら女子とは、そういうものだからである
からです。

うっかり
「私の人生、おしゃれも殿方も必要ありませんわ。
私には○○がありますし。」
なんてことを口にし街中をすっぴんで歩こうものなら
世間様には
女失格の烙印を押され、腐っていると陰口を叩かれるのです。

あな怖ろしや、日本の女性観。

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しかし、私を含め世間には「尼〜ず」な女子が相当数棲息しているのも事実。

「ありのままに〜」などと
呑気に歌っている場合ではなかったのです。

さて、そんな彼女たちの前に天敵が現れます。

彼女の名前は稲荷翔子(片瀬那奈)。



天水地区の再開発を担当しているデベロッパーであり、
「尼〜ず」が男性の次に苦手とするオシャレ人間です。

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ただし、彼女も彼氏はおりません。自分から縁遠くしています。

しかし、彼女も「尼〜ず」の面々とは違う意味での
「女を腐らせている」匂いがしています。

腐るというよりとなんか発酵しています。

プロジェクト成功のためなら
地元選出議員鯉淵慶一郎(平泉成)の長男
鯉淵修(長谷川博己)に取り入り
必要とあらば、薬を持って
セックストーションを仕掛けるくらいはなんのその。

女を武器にしている辺りは
「尼〜ず」とは違いますが、相当(性根の方は)腐っております。

当然、「尼〜ず」や彼女たちに肩入れしている
鯉淵慶一郎の次男であり
女装家でもある鯉淵蔵之介(菅田将暉)には

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この映画の最大かつ最強のセールスポイントです。

蛇蝎の如く嫌われていますが、
そのがむしゃらさが可愛いではないですか。

どちらかと云うと
完全に「尼〜ず」寄りでジジ様に生き写しな私ですが、
稲荷さんのこと嫌いになれません。

取り壊しになる天水館を買い取るための
資金作りとして開かれたファッションショーに
いち早く駆けつけ、
ステージから客席に放り投げられた
ブーケを奪い損ねて舌打ちした後、
誰も彼女のことを見ていないのに強がるところとか。

この人も頑張っているんですよ…。

そういうところ、部下の男どももちゃんと見ていろよ。

稲荷さんは彼女なりに仕事として
天水地区の再開発に奔走しているだけなのです。

天水地区は
再開発説明会にも若者が殆ど集まらず
たまにフリーマーケットやファッションショーを開くと
普段は姿を見せないオシャレ女子が
どこからともなくわらわらと出没するくらいで
普段は集客率ゼロのような熱帯魚があるような
物静かで小さな街です。

ですから、再開発の話が本格的になると
他の住民は次々と立ち退きに応じてしまいます。

稲荷さんにとってこのプロジェクトは
赤子の手を捻るくらい簡単なものでした。

ところが、
外界の敵(=オシャレ人間)に悩まされる心配がなく
ぬくぬくと引きこもるにはうってつけの場所を
奪われたくない!!!!だけの「尼〜ず」と
その居心地の良さに天水館に居つくようになった蔵之介の
猛烈な反発により再開発計画は頓挫の危機に。

働きもせず親の仕送りで
好きなものに囲まれて悠々自適生活を続けたいから
立ち退きません
などとふざけたことを云う「尼〜ず」なんて
終日身を粉にして働いている稲荷さんにとって
都合の良い甘えにしか聞こえません。

しかも「尼〜ず」の8割は
団塊ジュニアつまりはアラサー女子なのです。

女装を趣味としている蔵之介の提案で
重い腰を上げ
ファッションブランドを立ち上げることに成功したとは云え
現役議員の接待から
地区民の買収工作
汚れ仕事
と、稲荷さんの地道な仕事っぷりと比べたら
まだまだですよ。

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このドレスが上手いこと人気が出たから良かったものの…。

なんと稲荷さんは立ち退きの条件に使うため
必要とあらば
ファンでさえ入手困難な
「イ・ビョンホン ファンの集い」の
良席チケットまで用意するのです。

稲荷さんの異常なまでの追い込みと
蔵之介の魔法で
徐々に認識を改めていく月海。

そう考えると、稲荷さんの負の存在は大きいわけです。

ただし、他のメンバーは?
と云うと進歩があまり見られず、
最も一皮むけるチャンスに恵まれたまやや様も
ファッションモデルを無事勤め上げたことで
がたいの良さと眼光の鋭さというコンプレックスを
吹っ切れたかと云うとそんなことはなく
ショーの後はいつものジャージ姿に戻ってしまいます。

なぜそこにまた戻るか?

月海もせっかく蔵之介に変身させて貰っても
元のメガネとおさげの地味な少女に戻ってしまいます。

少しは成長してくださいよ。
まだ今は親の仕送りを当てにできるかもしれないけど
いつまでもそのままでいられるわけがないんですよ。

彼女たちの人としての腐り度の高さには
稲荷さんじゃなくても
(後、蔵之介じゃなくても)
締め上げたくなっちゃいますよね。

そんな「尼〜ず」の面々ですが、
意外と女子力が高い事が判ります。

なにしろたった1週間ほどで
クラゲをモチーフにしたドレスを8着も縫い上げてしまうのです。

普通、この手のオタクVSリア充の話の場合、
オタクはそれぞれの得意分野を
生かして敵に立ち向かうものなのですが、
この作品では、
デザイン担当の月海と和裁ができる千絵子様以外のスキルが、
ドレス作りに活かされることがないのが面白いところです。

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この人がいなかったら月海はデートにも行けなかったのね。

ただし、趣味とは関係ない裁縫の腕だけは確か。

むしろキャリアウーマンを気取っている
稲荷さんのほうが料理も裁縫もできなさそう…。

稲荷さんの「女子力」は所詮
身だしなみにまつわる女子力ですから、「尼〜ず」の方が
本来の女子の持つべき女子力=家事においては
上なのかもしれません。

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稲荷さんにとっての女子力。こういう稲荷さんが好き。

敢えてオタク力ではなく女子力で勝負をかける
「尼〜ず」+蔵之介。

「尼〜ず」が得意とするオタクを封印している以上
いわばこれは新たな
専業主婦(自らは働かず家中心の生活)と
キャリアウーマンとの戦いの図?!

こういう流れは面白いのではないでしょうか?

それにしたらばんば様の貢献度のなさはあんまりですけどね。

もしかすると「尼〜ず」の6割を占めるメガネ、
そして同じく6割を占める目元まで伸びた前髪は
彼女たちなりの「メイク」なのかもしれません。

男を寄せ付けるメイクもあれば
男を寄せ付けないためにするメイクがあってもいいじゃない。
所詮、すっぴんになれば皆同じ。

稲荷さんはこの人しかいないな
片瀬那奈さん以外のキャストでは
イケメンベンツおたくの鯉渕家運転手
花森よしおを演じた速水もこみち氏も素敵でした。

本当の意味で腐っている女子から見れば
最終的にはシュウシュウとくっつけばいいのに…。


ちなみに監督の川村泰祐と云う方は
他にも
「L・DK」
「映画 ひみつのアッコちゃん」
「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 勝どき橋を封鎖せよ!」
「のだめカンタービレ 最終楽章 前篇・後編」
(見事なまでにマンガの実写化ばかりですね。)
を撮っておられる監督です。

これらの作品名を見て
ピンと来られた方は、
くれぐれも劇場でご覧にならない方がよろしいかもしれません。
念のため。


それにしても長谷川博己さんは
ブレイクのきっかけとなった
「セカンド・バージン」の反動からか
映画では10歳以上年下の女の子と
絡むことが多いですね。


 
 
【後日談】
今はこういう女子を「童貞女子」というそうです。

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私も含め私のリア友みんなこんな感じだよ!!

なるほどニッポン!


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タグ: 海月姫



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