2014/12/15

ちからと技と団結のこれが合図だ  MOVIE

本日の映画は
「女子ーズ」

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です。

監督はご存知福田雄一。

福田雄一監督と云うと「ゆるい」映画です。

テレビドラマはあまり見ない私から見ても
深夜ドラマのノリで映画を撮っている
印象のある映画監督です。

残念ながら
1998年公開「踊る大捜査線 THE MOVIE」の
大ヒット以降
昨今の日本映画の傾向といたしましては、
タイトルに「劇場版」もしくは「THE MOVIE」
と云う言葉が付く
テレビドラマの特別編でしかない映画が
邦画全体のかなりの割合を占めています。

そのような映画は、
2時間テレビドラマスペシャルでは考えられない
豪華な特別ゲストや
海外ロケ、お金のかかったオープンセットを投入することで
箔をつけ「劇場映画」として
邦画興行収入ランキングに貢献してきました。

そうこうしているうちに
視聴率の良いゴールデンタイムに放送される
ドラマだけではなく、
コアなファンしか見ていないような深夜ドラマでさえ
劇場映画となる時代が訪れます。

中には、そこから派生して
テレビドラマからの映画化でもないのに
通常料金1800円を支払うには惜しい
低予算なセット、
人気だけはある若手俳優、
もしくは知る人ぞ知るコアな俳優陣、
そして、ゆるいストーリーをもってして
平気で勝負をかけてくる映画もあります。

そのような映画は、たいがい
クオリティの面では
2時間ドラマスペシャルとどっこいどっこいでありながら
ゴールデンタイムに放送したところで
視聴率を稼がないのは火を見るより明らかなため
「だったら劇場映画にしてさっさと打ち切らせた後
DVD化して少しでも元を取るか。」
(要するに劇場公開がDVDの宣伝?)
みたいな映画となっています。

深夜枠に2時間ドラマ枠があれば
万事解決するのですが、
深夜に2時間もドラマを見る気力なんて
お茶の間の皆さんにはなかなかありません。

2,3週間で打ち切られた後は
二次媒体で稼ぐ気が見え見えの劇場映画が存在します。

そして、そういう映画はどうも
福田雄一監督にオファーが行くようです。

深夜枠に2時間ドラマ枠があれば
何も劇場まで足を運ぶこともなく
そちらを見れば良いわけで万事解決するのですが、
深夜に2時間もドラマを見る気力なんて
お茶の間の皆さんにはなかなかありませんし
テレビ局にもそこに予算を投入するような
賭けに出る気もないのでしょう。

だからと云って、劇場公開されると
一旦話題は呼んでも、堅実な映画ファンからは
「こういう映画が日本映画の質を落とす。」
と、罵倒されたりするので難しいところです。

で、そんな難しい映画の1つが
今回見た「女子ーズ」。

一応、地元でもシネコンで公開されましたが、
いつ公開されいつ上映終了になったか
全く記憶にございません。
 
今回改めて 
 








福田雄一監督作品(だけでなく宮藤官九郎脚本作品にも)に
思うことは

「自分が面白いと思うことは他人もきっと面白いに違いない」
「だから、とにかく俺が面白いと思うことを詰め込んでやったぜ!」
と思っているんだろうな

ということです。

そういう意味ではこのブログも同じことが云えるため
「お前が云うな。」と思われるのを覚悟で
こういう「まず作り手が面白いと思っている」作品の場合
監督や脚本家の感性と観客の感性が合致すれば
ヒットにつながるのですが、
それに失敗すると
「何を見ても笑えない」
と云う非常に悲惨なことになりかねません。

特に福田雄一監督の本領は
国民的ドラマや漫画のパロディに発揮され
同じ時代を生きてきた世代を
過去に見聞きしてきた小ネタで笑わせるのを得意としています。

この手の「判る人には判る」小ネタは
ちょっとしたオタク心も充足させてくれ
ここ数年書籍界に出回っている「○○あるある」シリーズ
ニーズとも一致しているというわけです。

本作「女子ーズ」も例にもれず
昭和50年の「秘密戦隊ゴレンジャー」の登場以来
脈々と受け継がれた戦隊シリーズを元ネタとしています。

戦隊シリーズと云えば
40年近く続いている人気シリーズだけに
幅広い世代が基本設定を熟知しており
そのためパロディもこれまで数多く作られている分野。

それだけに
よほどの事がなければ他と大きく差をつけることができません。

そこで新進気鋭の福田雄一監督が用意したのは
女子だけの戦隊ものです。

それも可愛い女子だけの戦隊もの。

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お笑い系もブサイクも非モテもメタボもアラサーもいません。
なぜなら(監督にとって)女子とは、そういうものだからである




う〜ん、それって

…完全に監督の趣味じゃねえか?


なんですけども、
先にも書いたように
監督としては
「自分が面白いと思うことは
他人もきっと面白い!」
ので、この方向性決して外してはいないはず。

故に
インタビューでもこのようにお答えになっています。

「<戦隊モノなのにまちまちにしかメンバーが集まらない>っていう設定が面白いんじゃないかと思ったのがきっかけなんです。どういうメンバーだったらそうなるだろうと考えた時に、全員女子だったらそうなるんじゃないかと。女子の友情って薄っぺらいじゃないですか、怖い発言ではありますが(笑)。うちの奥さんもそうですけど、11時に友達とランチの約束をしているのに10時50分になっても顔洗ってたりする。<遅れるやん>って言ったら<あ、みんな遅れるから。なかには来ない人もいるし>って、男じゃ考えられないですよ。」

じゃあ、男は故意に遅刻しないのか?
待ち合わせやバイトをドタキャンしないとでも?
と云う疑問はさておき
そんな監督が考えたストーリーは以下の通り。

世界征服を企む怪人たちから地球を守るため
一般人の目に触れる前に倒して行った正義の戦隊たち。

ところが、彼らが任期満了となり
後を継ぐ戦隊メンバーに選ばれたのが

地球の平和より仕事優先のOL
女子レッドこと赤木直子(桐谷美玲)

地球の平和より美容優先のアパレル店員
女子ブルーこと青田美佳(藤井美菜)

地球の平和よりバイト優先の肉体労働者
女子イエローこと黄川田ゆり(高畑充希)

地球の平和より舞台優先のアングラ劇団員
女子グリーンこと緑山かのこ(有村架純)

地球の平和より恋愛優先の財閥のお嬢様
女子ネイビーこと紺野すみれ(山本美月)

といったどこにでもいるような(ただし美女)
普通の女の子。

何故なら
司令官の説明によると
その採用条件は
ただ名前に色がついているというだけという
安易なものだったから。

おかげで昨日まで侵略者の存在すら知らなかった彼女たちは
否応なく変身スーツをまとって怪人を戦う破目となったのですが、
そんな付け焼刃な戦隊、女子であろうとなかろうと
上手くいくはずがありません。

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戦隊をまとめる司令官チャールズ(佐藤二朗)。
「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏様とやってることは同じです。


だいたいいい年した大人は
恋に仕事に忙しく怪人と戦うほど暇じゃないんです!


ということで

「選ばれし5人の女たちが揃ったとき、
最強の戦隊が誕生する!
が、なかなか揃わない。
なぜなら女子とは、そういうものだからである」
本作のキャッチコピーにもあるように
実際に5人が揃うことはまずありません。

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映画開始1分30秒で既に揃っていない!!

事情は
「マツエク中」だったり
「ヤボ用」だったり
「バイト中」だったり
「彼氏との別れ話の真っ最中」だったり
「芝居の稽古中」だったり
「一大プロジェクトのプレゼン中」だったり
とそれぞれ異なりますが、
マツエク中はともかく
そりゃ、バイト掛け持ちや仕事持ちなら
男性メンバーだって集まりませんよ。

集まらない理由の最初に
もっとも女子が云いそうで
もっともくだらない
「マツエク中」を持ってきた時点で出落ちじゃないですか?

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メンバーが足りないたびにレッドが「何っっ!?」と驚くのも見どころの1つ。

そもそも
戦隊もののヒーローは一応無職(?)みたいですから
どんな時も5人全員揃って戦えるかもしれませんが、
20代男性(正社員)ならなおさら
仕事中にいきなり招集をかけられ戦えますか?と云う話です。

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しかもちょっとした怪人ならこの子たち4人で楽に倒せます。

むしろ、女子ーズのメンバーは全員
なんだかんだ云っても根が真面目なため
本人たちの意思とは関係なく
怪人と戦いに身を投じさせられたのに
律儀に(しかも無給で)戦っているのです。

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怪人がいつも同じ場所(荒地)に現れ肉弾戦で倒せるほど弱いから良かったもの…。

どうもこの映画、監督がふとひらめいた
「なかなか揃わない。
なぜなら女子とは、そういうものだからである」
が最大にして唯一のテーマとなってしまったため、
他に出てきても不思議ではない
「女子にしか判らない悩み」
「社会人にしか判らない悩み」
「戦隊にしか判らない悩」みが
全く語られず
そのためか
「戦隊ものあるある」
「女子あるある」
を期待してみると
なんか物足りない思いをすることになり
非常に勿体ないのです。

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女子だから安易に女子会というのも…

ていうか、
監督の「女子あるある」は所詮
奥さん基準奥さん発信の「監督の奥さんあるある」
なので仕方ないのかもしれません。

女子ーズが奥さんの化身ならば
監督の化身である怪人の方は
全員がオジサン気質(?)である為
可愛い女の子相手に強く出れず
女の子たちの戦隊ものにあるまじきKY(死語)な態度に
タジタジとなってしまいます。

そういうところもこの作品の面白さらしいのですが、
基本的にはそのやり取りを
90分間何度も繰り返しているだけ。

それもいつも同じ場所で。

もしかすると、
もしかするとなんですが、
今放送中の「烈車戦隊トッキュウジャー」の1話分の方が
お金かけて作っていたりして。

…いやいやそんなことは。

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今旬の可愛い女優さんを並べて見たい人にはおススメ!

まあ、私個人といたしましては
福田雄一監督作品「アオイホノオ」が
2014年でもっとも楽しみにしていたドラマだけに
同じノリで映画界に進出してくるよりは
テレビ界で頑張って欲しいと思ってしまうのは
いささか失礼でしょうか?

 

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