2014/12/6

クリスマスが今年もやって来る悲しかった出来事を 消し去るように  MOVIE

試写会は戦いである。

ただあてずっぽに往復葉書もしくは応募用紙を投函して
いとも簡単に当選する方もおられるかもしれませんが、
経験上ある年齢を過ぎると、
一気に当選確率がダウンします。

しなかった方もいらっしゃるでしょうが、
私はしました。

そうなると10枚出して10枚とも
外れるなんてこともあり
「そんなことなら葉書代1000円投資する代わりに
素直にレディースデーに見ておけば良かった!」
と、後悔することととなるため
2、3年ほど試写会から離れていたのですが、
数年前からいくつかのコツをつまみ
今では打率5割6分まで持ち直すことができました。

ところが、試写会の中には
端っから「およびでない」
戦う前から負けている応募条件のものもあるのです。

その1つが今回の映画
「渇き。」

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でした。

地元テレビ局による招待試写会は
学生限定試写会110組220名。

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こんなにがっかりした試写会告知ははじめて...○| ̄|_。

学生限定とありますが、
この映画の場合R15指定のため
小学生並びに中学生は除外されます。

さらには公開初日の2014年6月27日から
7月8日までの8日間、
学生1000円早割キャンペーンと大盤振る舞い。

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見た学生に片っ端から「あなたのハートには、何が残りましたか?」と訊きたい。

元々、TOHOシネマズは昨年の6月から
高校生の映画鑑賞料金は一律1,000円となっていますので
実際に恩恵に預かるのは「大学生だけ」なのですが、
未だかつてない学生優遇措置に踏み切った配給会社の
意図を尊重してか
市内で1軒しか上映していないシネコンまでもが
上映スケジュールも学生が行きやすい時間に合わせ
平日会社で働く社会人は割を食う形で
手を拱いているうちにそのまま上映終了に…。

今回DVDリリースされたので
遅ればせながら年内に見ることができました。

感想は



オープニングタイトルが超カッコいい。

大事なことですからもう一度書きます。

オープニングタイトルが超カッコいい。

ただこれ、個人的な感動ですので
あまり真に受けてもらうと困るのですが、
公開時に見れなかったことで
ネタバレサイトを片っ端から読んで
映画の内容はだいたい把握していたものの
オープニングについて書かれてあるレビューには
殆ど出遭っていなかったので
これは非常に嬉しいサプライズでした。

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俯瞰して見ると映画本編にはあまりそぐわないオープニング映像。

あれだけ今の10代学生に向けて
押せ押せの宣伝をしている映画にしては
何、このダサさ。このチープさ。この古臭さ。
昭和か!!

はっ!そういや主人公の名前が昭和だわ。

昔のアメリカギャング映画っぽい
レトロチープな感じが
昭和生まれ昭和育ちには見ていて楽しく
ぶっちゃけこのオープニングタイトルだけで
満足してしまったと云うか
ここが私にとってのこの映画の最高潮と云うか。

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いきなり使用されるスプリットスクリーンも車の車種もシブくてうっとり!

オープニング映像が終わり
「PINPON!」の画像とともに本編に入った途端
至福の時間が終わってしまい
一気にガクッとテンションが下がる思いがしました。

どう考えてもこの後に続く本編が
今のオープニングのテイストで
撮られているわけがないのですもの。

そんなことしたら1000円早割キャンペーンでも
学生は食いついてきませんもの。

と判っていても私的には学生受けしそうな
「でんぱ組.inc」の「でんでんぱっしょん」が流れる
ドラッグパーティシーンより


パーティシーンでも日本だとやはりじめっとした感じになるんですね。

オープニング映像のダサカッコよさを支持しますので
どなたかyoutubeあたりにこの部分だけ切り取って
アップしてくれると私が喜びます。

ただ
ここでこの映画アメリカ(ギャング)映画っぽい!
と云う印象を植え付けられてしまった所為か

本編に入ると

高校生が親の目を盗んで
薬や売春に手を出してやくざに目を付けられることになっても
陰険ないじめに悩まされていても
父親がいきなり家庭ない暴力に走ってよその奥さんをレイプしても
警察組織がグダグダでも

「ああ、これアメリカ映画だから。
舞台は日本かもしれないけど
基本アメリカ映画だから、これ。
アメリカ映画じゃこんなことも日常的にあるから。」

と、云う冷めた見方をしてしまってもう大変。

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50代男性がこんな衣装を着て普通に街を歩けるのもアメリカ映画だから。

セックス、ドラッグ、ヴァイオレンス
さらには
同性愛、性的虐待、スクールカースト
と聞くと頭に浮かぶのはまずは典型的なアメリカ映画ですもの。
それらの要素のすべてがこの映画にあります。

勿論、これと同じアメリカ映画はおそらくどこにもありませんが、
これと似たようなアメリカ青春映画なら何度か
見たことがあるような気がしてくるから不思議です。

さらには、キャッチコピーにもなった
「愛する娘は、バケモノでした。」なヒロイン
藤島加奈子(小松菜奈)を筆頭に
「クソが!」以外のセリフはあってないような
あ、結構あるか、な加奈子の父親藤島昭和(役所広司)、
加奈子の通う高校を暴力とクスリで牛耳る松永(高杉真宙)
加奈子の行方を追っているヤクザの咲山(青木崇高)
敬虔なキリスト信徒の刑事愛川(オダギリジョー)
などなど、出てくる人物出てくる人物、
その殆どが常軌を逸しているため
「自分の子供を愛してはいても実のところ何も見ていない親」
「親との距離感をうまくつかめず接触を断つ子供」
と云う現代日本において深く巣食っている親子問題や
若者たちの間にファッション感覚で出回っては
非ファッションな事件となっている危険ドラッグ
をテーマを扱っているのに
「自分のこと」「自分たちの国のこと」として
真剣に受け止めることなく
あくまでフィクションとして
蚊帳の外から見られるようにできています。

そんな誰もが「バケモノ」に見えてしまう
登場人物のなかで特に際立っているのが
藤島昭和の刑事時代の後輩である浅井刑事(妻夫木聡)。

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日本映画においていい年してチュッパチャプスをしゃぶる男には気を付けろ。

彼のバケモノ度はちょっと異様です。

そのため、より一層
この映画から現実味が失せていくような気がします。

大木こだま師匠ならば
「そんな奴おれへんやろ〜」と一蹴しているはず。

加奈子にしろ藤島昭和にしろ
松永の腹を開いて土足で踏みつけるような咲山にしろ
内臓が外に出ている状態で藤島昭和を挑発する松永にしろ
その行動には彼らなりの何らかの理由や利害があるのですが、
浅井刑事にはそれが見られません。

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おそらくはこのロト7のCMでの柳葉敏郎のような上司だったのでしょう藤島昭和は。

浅井刑事は映画の比較的早い段階、
藤島昭和が娘の失踪事件に首を突っ込む前から
全てを把握したような顔をして登場します。

その後も弱り切ったところをついて
藤島昭和の前に現れては彼をいらだたせます。

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今年最高の邪悪な笑みを浮かべる妻夫木君。「悪人」の時より悪く見える。

しかし、所詮は脇役。

そんな元部下の偉そうな態度にブチ切れた藤島昭和が
車ごと浅井刑事の乗った覆面車にツッコんで
左リアガラスもろともこんな有様に。

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死に至らずとも頚部捻挫は確実な衝突事故(事故ではなく故意)です。

ところが、こんな事故に遭っておきながら
こめかみに絆創膏を張る程度で済んでいる浅井刑事。

その後、何ごともなかったかのように再登場し
裏で人殺し稼業をしていた刑事、愛川を

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この愛川刑事も思いのほか不死身です

他の刑事が逮捕するため押さえ込んでいるところに
いきなり銃を発射して「自殺」で済ませてしまいます。

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チュッパチャプス大活躍。

しかし、これ、いくら「自殺」と云い切っても
銃痕から浅井刑事の銃から発射された弾丸
と判ってしまうのでは?

そんな心配をよそに他の刑事たちは
愛川刑事の息子が現場を目撃しているのにも係わらず
浅井の凶行を黙って見ているだけ。

一応、その場にいた全員が同意しているとしても
この浅井刑事の行動をどう理解すれば良いのか判りません。

しかも、この後
再度藤島昭和の車に跳ね飛ばされる浅井刑事。

もはやギャグにしか見えません。

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どうして人が跳ねられるシーンはギャグっぽく見えるのでしょう?

地面にベシャンと落下しながらも
この笑顔!!

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ロト7第6話で柳葉部長を呼び捨てにしたとき見せたあの笑顔です。

凄いよ、妻夫木聡。

私はオープニング映像と
このブラック妻夫木を見れただけで
とても楽しかったのですが
やはり学生、特に高校生の観客に尋ねたいものです。

「あなたのハートには、何が残りましたか?」
と。





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