2014/11/1

男には負けるとわかっていても戦わなければならない時がある  MOVIE

本日の映画は公開初日まで待てないほど見たかった映画。
でも、初日の翌日が
「TOHOシネマズ ファーストデイ」だったので
700円惜しさに公開翌日に見てきた

「ドラキュラZERO」

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です。

私自身は、劇場にフライヤーが並べられた時点で
「はい、絶対に(初日に)見に行きます。」
と、心に決めていたのですが、
その反面、どういった観客をターゲット層にしているのか
皆目見当がつかなかった映画です。

順当に考えると、
私同様、主演のルーク・エヴァンス目当ての
女性層がメインターゲットとなるのですが、
日本におけるルーク・エヴァンスの知名度が
いまひとつ判りません。

とりあえずメールで友人に
「ルーク・エヴァンスって知ってる?」
と質問したところ
「『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』のアラミス?」
といきなり正解を出されてしまいました。

しかし、それは彼女と一緒に劇場で
「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」
を見たからで一般女性が皆彼女を同じとは思えません。

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私も始めて見たときは「この人アラミス演じるために生まれてきた?」と思いました。

映画雑誌「SCREEN」2014年12月号の特集
「第2回英国男優総選挙結果」では
18位にランクインしていましたが、

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私の中ではジェイソン・ステイサムが暫定1位なのでこの雑誌は買いません。

何とも微妙。

というのもルーク・エヴァンスの出演映画は
これまで何本か見てきていますが、
怖ろしいまでに現代ものが少ないです。
時代がかった衣装が似合うためなかなか現代ものに
出してもらえないようです。

たまに現代ものに出ているかと思うと
人外的な殺人鬼だったりします。
そんなの、女性は相当もの好きか自称映画ファンしか見ないのでは?
(え?なにその偏見?)

女性客が見込まれるラブロマンスの出演も少なく
さらに間口が狭いと云うことに…。

で、実際に客席に詰めていた40人ぐらいの観客の内訳は
カップル   …2
女性客1人  …2
女性客2人組 …2
50〜60歳代の男性1人客 …4
でした。

意外なのは座席のところどころに散らばって
坐っているのが中高年男性というところ。

TOHOシネマズの食べているうちに必ず
床に溢してしまうポップコーンを小脇に抱えて
スクリーンを見つめるこのおじさまたちの目的は、
目的は何?

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映画館の暗闇の中これを溢さず食べるのは至難の技。

何を期待して、ファーストデーのこの日
20本近く公開されている映画の中から
この作品を択んだのか、
人生経験の浅い私には判りません。
 
おそらくルーク・エヴァンス目当てではないと思います。

いや…ないとは言い切れませんが…。
 
 
 


さて、映画の内容ですが、



時代は15世紀。
トランシルヴァニアのワラキア公国の
若き君主ヴラド3世
ヴラド・ツェペシュ (ルーク・エヴァンス)
心痛で胃を痛めていた。


と云う映画です。

この映画では
後にドラキュラと呼ばれるヴラド3世は
終始心痛で胃を痛めています。

事の発端は川岸でオスマン帝国軍の兜が
見つかったことから始まります。

その跡を追うと、なんと領内の山中にある洞窟に
人を喰う魔物が住んでいることが判明。

洞窟に足を踏む込んだ途端、
御家来衆2名が喰い殺され、這う這うの体で
ヴラド3世は洞窟から逃げ出します。

古い書物によるとどうやら
召喚した悪魔との契約に失敗し魔物と化した
「吸血鬼」が棲みついているようなのです。

とりあえずこのことは民衆には内緒です。

川岸で見つかった兜から察するに
オスマン帝国軍の斥候が国内に潜入している恐れがあり
ただでさえ、公宮内がピリピリしていると云うのに
これ以上の厄介ごとはごめんです。

と、問題を先送りにした矢先
秋の収穫祭を祝う公宮に
傍若無人なオスマン帝国軍の使者達がやってきます。

領主に対しても高飛車で野卑な
オスマン帝国軍の態度にイライラ。

あ〜、胃が痛い。
しかし、ヴラド3世はぐっと堪えます。

そんなヴラド3世に使者はとんでもない要求を
突きつけてきます。

ワラキア公国からオスマン帝国へ毎年
数えきれないほどの銀貨を腐るほど献上しているというのに
まだ足りないらしく
かつてヴラド3世も幼年の頃身をもって体験した
「オスマン帝国帝王メフメト2世のために
王の息子を含めた1000人の男子らを兵士として差し出せ」
と云う命令が下ったのです。

その命令は、ヴラド3世とメフメト2世との間で
男と男の約束を取り交わし反古になったはずでしたが、
これまでの殺戮を悔やみ鎧を捨てたヴラド3世を見縊り
調子に乗ったメフメト2世が無茶振りを云ってきたのです。

あ〜、胃が痛い。
しかし、ヴラド3世はぐっと堪えます。

そんな息子の様子に父親のヴラド2世は
「自分もそうしたのだからお前もそうせい。」
とせっついてきて……ちょっと黙れや、親父。

ヴラド2世がオスマン帝国に頭が上がらず
息子たちを人質としてあっさり手放したせいで
今なおヴラド3世は「ツェペシュ=串刺し公」などと
ちっともありがたくない名前で呼ばれているというのに
それでも大人しく親元に戻り
老後の面倒を見ている息子に云う言葉が
それか!

あ〜、胃が痛い。
しかし、ヴラド3世はぐっと堪えます。

一方、ヴラド3世の愛する妻ミレーナ(サラ・ガドン)は
「息子は人質にしないって約束したでしょ!!!」
と、結婚した時の約束まで持ち出して半狂乱。

国の存亡よりも夫の苦悩よりもまずは我が子。
遂には離婚も辞さない形相で脅してきます。

あ〜、胃が痛い。
しかし、ヴラド3世はぐっと堪えます。

もちろんヴラド3世も可愛い息子インゲラスを
やすやすメフメト2世に差し出す気はないので
一瞬の隙をついてオスマン帝国軍の使者達を惨殺してしまいます。

かつての「串刺し公」も
妻の云うことには逆らえないのです。

息子の乱心に憤る老父ヴラド2世は無視して
すぐにでも報復に来るであろうオスマン帝国軍を迎え撃つ
準備に取り掛かります

と云ったもの多勢に無勢。
「串刺し公」を以てしても万に一つも勝てる見込みなし。
そんな息子にそれ見たことかとドヤ顔のヴラド2世。
そして、息子の将来のことしか頭にない妻。

あ〜、胃が痛い。
しかし、ヴラド3世はぐっと堪えます。

そして、考え抜いた末、洞窟に住む魔物の力を
借りることを思いついます。

ところが、魔物は邪悪な上に悪知恵が働き
全く使えないことが判明。
仕方なく
自らは「吸血鬼」となって戦うことを決意するヴラド3世。

にしても
不親切すぎる魔物にいいように使われてはいませんか?

なにしろ
魔物が語った「吸血鬼」情報は

・魔物の血液を飲むと「吸血鬼」になれる。
・「吸血鬼」になると怪我の回復力が早いばかりか以前の傷もなくなる。
・「吸血鬼」は動物(特に蝙蝠)を自由に操れる。
・飲んで3日までは猶予期間なのでその間「吸血」しなければ元の身体に戻れる。
・3日以内に「吸血」した場合は魔物の呪いが解け、その時には「吸血鬼」は魔物の僕となる。

ぐらい。

肝心なことは何一つ教えようとはしないのです。

魔物としての心得は
ヴラド3世みずから体験して身につけるか
古い書物から得なくてはなりません。
そこで判ったのは

・日の光に当たると身体が焼ける。
・場合によっては焼け死ぬ。
・銀を触ると身体が焼ける。
・身体が焼けても日陰に入れば元に戻る。
・心臓に杭を打ち込むと殺せる。

こういうことは生死にかかわるので
前もって教えてよ!
大事なことは何一つ語っていないぞ魔物!
こういう時こそ報・連・相!!

だいたい
魔物は「呪い」が解けた時点で人間に復讐するとか
大きな口を叩いていますが、何の復讐?
復讐する相手なんてとっくの昔に死んでいるのでは?
単なる無差別テロをしてみたいだけなのでは?

ヴラド3世が完全な吸血鬼となり
「呪い」が解けた時点で
自分は太陽の下で生活できるようなことを
云っていた割には、結局は人間には戻れないようですし。

真顔で「さあ、ゲームの始まりだ!!」とか
こっちが赤面するわ。

と云う疑問が浮かぶものの
物語上これ以上重箱の隅をつついても
仕方ないのでスルースルー。

能力の使い方
(目がサーモグラフィになる。
無数の蝙蝠となって空を飛んで移動できる。
1000人ぐらいは一人で殺せる。
天候を自由に操れる。)
は実地で学ぶヴラド3世。

ところが、「吸血鬼」となって2日目で
修道院の修道士に正体がばれて
領民に小屋に追い詰められた上に
小屋ごと火あぶりされる破目に…。

頭おかしいだろ、領民も。
オスマン帝国軍との戦いにおいて
頼みの綱は「吸血鬼」となったヴラド3世だけと云うのに
何してくれてんねん!!

あ〜胃が痛…


流石に切れました。
この仕打ちには流石に切れました、ヴラド3世も。

父王も妻も領民も我が儘すぎるわ!!
自分たちの云いたいことだけ云って
全ての負担丸投げしといてなんたる仕打ち!!

しかし、目前にオスマン帝国軍が迫っているので
すぐに火災もヴラド3世の怒りも鎮火せざるをえません。

どこまでも家族と領民のために
胃と身をすり減らすヴラド3世。

かつて何千人の敵兵、民間人を串刺しにし
つい昨日オスマン帝国の兵士千人を一人ずつ丁寧に
串刺しした人と同じ人とは思えないほど温厚で冷静です。

その間にも「吸血」欲求と誘惑が彼の身体を虫食み
能力が使える時間も残りわずかです。

最終決戦、ほぼ一人戦いを挑み続けるヴラド3世でしたが、
そんなもの一人でカバーできるはずもなく
ミレーナは修道院の塔から突き落とされ
インゲラスはメフメト2世の元に連れ去られてしまいます。

しかも3日目の朝に。

瀕死のミレーナはヴラド3世に最後の我侭を云います。
「私たちの息子を護って。」と。
それは、ヴラド3世にこのまま「吸血鬼」となって
生き続けろと云うことを意味します。

妻の云うことには逆らえません。
そのためにミレーナの血を吸って
完全に吸血鬼化するヴラド3世。

何してくれてんねん、奥さん!

でも、ヴラド3世、悲しいかな
妻の云うことには逆らえません。

ついでにオスマン帝国軍に殺されたヴラド2世をはじめとする
領民たちも吸血鬼をして復活させます。

これでメフメト2世に反撃や!!
となればよいのですが、
オスマン帝国の帝王だけあって
なかなかしぶといのです。

妻の血液を吸ったため魔物も復活してしまうし、
それはもう散々なヴラド3世。

その末に映画も
「さあ、ゲームの始まりだ!!」で終わっちゃうのですから
溜まったものではありません。

というわけで最後に云いたいのは
「魔物の基本設定が雑すぎるだろ!」
と云うことですかね?

ヴラド3世の受難はまだまだ続きそうですが、
続編が作られるかは不明です。

息子として夫として父親としての
日々精進が見ていて辛いわ。

かようにヴラド3世の滅私奉公は
尋常ではなく見ていて痛々しいのです。

最後は心労で(違います)つるっぱげになっちゃうし。

この映画に描かれているのは
英雄の活躍でも悪魔の所業でもなく
1人の中年男の悲哀なのです。

ああ、エンドロールが流れる中
ひっそりと席を立ち出口に向かう
中高年のお父さんたちに
かつての木村奈保子さんのように声を掛けたかったです。

「あなたのハートには、何が残りましたか?」と。

 
 
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