2014/10/30

バラが咲いたバラが咲いた真っ赤なバラが さびしかった僕の庭にバラが咲いた  MOVIE

本日は試写会で一般公開よりも2日ほど早く
「美女と野獣」

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を見てきました。

「美女と野獣」と云うと
古くはジャン・コクトーの映画や
ディズニーのアニメ映画として
有名な童話です。

ですので、いまさら
あらすじもネタバレもないのですが
かいつまんでストーリーを説明しますと

ある所に3人の息子と3人の娘を持つ裕福な商人がいました。
なかでもベルと呼ばれる末娘はその心根の良さと美貌で
街の人々からもたいそう慕われていました。
ところが、幸せな日々は長く続かず
商人が持つ船が海難事故に遭い
全財産を失ってしまいます。
商人の家族は街を追われ、
田舎で百姓暮らしを始めます。
しかし、贅沢に慣れ親しんでいた上の2人の娘は
ぶーぶー文句ばかり言って家の手伝いさえしません。
そんなある日、商人の元に
難破したはずの船が1隻だけ
無事港についたという知らせが届きます。
これでこの貧乏暮らしからもおさらばです。
家族は手を取り合って大喜び。
早速港への旅支度をする父親に姉娘は豪勢なお土産を頼みます。
一方ベルが頼んだのはたった一本のバラの花でした。
結局、そうそう幸運が転がっているわけではなく
債権者に船の積み荷を全て取りあげられ
商人は失意のまま家に戻ることに…。
悪いことは重なるもので、家に帰るすがら
商人は道に迷い遭難してしまいます。
命からがら辿りついた宮殿もすでに廃墟となっており
声をかけても返事がありません。
ところが、気が付くと
広間には出来立ての料理が並べられているではないですか。
空腹だった商人は料理を平らげ人心地が付くと、
翌朝、家に向かって宮殿を後にします。
その時、庭に咲き誇っているバラを目にした商人は
ベルとの約束を思いだし一輪だけ摘み取ります。
途端に商人の前に恐ろしい姿をした野獣が現れ
怒りを露わに襲いかかります。
そして、盗んだバラの代わりに娘のうち1人を
宮殿に連れてくるよう命じます。
約束を破れば、一家惨殺すると告げられた商人は
家に帰って子供たちに我が身に起こったことを話します。
その話を聞いた心優しいベルは、死を覚悟して
父親の身代わりに野獣の元に行くことを決心します。
宮殿に着いたベルを野獣は殺すことはありませんでした。
野獣と暮らすことになったベルは
次第に野獣の優しさに心を赦すようになります。
気を良くした野獣はベルにプロポーズしますが、
流石にそれは受け入れられません。
やがて、愛する父親に会いたくなったベルは、
一週間だけの約束で実家に帰らせてもらうことになりました。
帰宅したベルの幸せそう姿に嫉妬した2人の姉は
ベルが野獣の元に戻るのを邪魔します。
約束の日になっても戻ってくる気配のないベルに絶望し
瀕死の状態となる野獣。
そこに事情を知ったベルが駆けつけ
野獣を愛していることを告げると
野獣は姿を消し
代わりに呪いが解かれた王子様が現れました。
2人は結婚し、末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。


とまあ、みなさまもご存じのはず。

驚いたことにこの映画

この童話のまんまです。

普通、映画化に際して
それもここまで手垢のついた原作なら
なおさらなんらかのアレンジを加えますよね?

ところが、本作は清々しいまでに
何の捻りもなく童話そのもの映画だったのです。

日本では「かぐや姫の物語」
アメリカでは「アナと雪の女王」「マレフィセント」
と、新解釈された童話民話が次々と映画化され
成功を収めているというのに
フランスは何をやっているのでしょう?

映画自体が
母親が子供が寝る前に読み聞かせている
絵本の内容となっていたり、
姉2人だけでなく
兄までもがパラサイトシングルでろくでなしだったりするのですが、
そんな改変など他の童話実写映画化と比べると
大したことがありません。

基本はヴィルヌーヴ夫人が著作した
「美女と野獣」まんまとなっています。

しかしながら、
子供の頃は何も考えず読んでいた童話も
改めて映画を見ると、ベルも含めこの商人家族が
ろくなもんじゃねええええ!!!
ので驚嘆します。

なにしろ
長男:パラサイトシングルで多額の借金もち。
次男:パラサイトシングルで兄のパシリ。
三男:パラサイトシングルで小説家志望。(←伏線)
長女:パラサイトシングルで浪費家。
次女:上に同じ。
全員(ベルも含めて):ニートそしてパラサイトシングル。

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街に行く老父に「欲しいものリスト」を書いて土産を強請る姉とドン引く妹。

商人が破産した際、
債権者たちが屋敷中の金目のものを差し押さえているを
見学中の近所の住民が同情など一切見せず
野次を飛ばしたりせせら笑っていたのも判ります。
今なら判ります。

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全ての失った家族への近所の人たちのこの反応。よほど嫌われていたのか…。

と云っても、原作では
3人の兄はここまでひどくありません。
映画では後々の展開上、
姉ばかりではなく兄ももれなくろくでなし設定
となっております。

そんな子供たちを男手ひとつで育て上げた父親ですから
親の因果が子に報い。

なにしろ、いくら遭難したからと云って
他人様の家に無断侵入し
勝手に人様の食卓に並んだごちそうを平らげ
行きがけの駄賃に宮殿で見つけた宝石やドレスを
黙ってごっそり持ち帰るのです。

そんな意地汚い真似ができるのは
かつてのヨネスケかやや落ち目のグルメリポーターぐらいです。

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愛する子供たちのため無人の宮殿で見つけた宝物を持ち帰る父親。 

そんな悪行を親切心から見て見ぬふりをしていた野獣も
大切にしていたバラを折り取ったとあっては
黙ってはいられません。

怒れる野獣に羽交い絞めされ
恐怖に震える商人が絞り出した言い訳が
「わしは泥棒じゃない!!」。

……。
泥棒だよ!!!
どこに出しても恥ずかしくない泥棒だよ!!

そんな父親を不憫に思ったのか
ろくでなしな兄姉から一刻も早く離れたかったのか
帰宅した父親の話を聞くや
馬に飛び乗り単身野獣の宮殿に乗り込むベル。

原作では3か月くらい悩んでから
野獣の元に行きますが、
これは映画なのでサクサク話が進みます。

馬に導かれ野獣が棲む宮殿に到着したベルは
誰も姿を見せない宮殿内をうろうろ彷徨っているうちに
白いドレスを身にまとったトルソーのある小部屋に迷い込みます。

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たまたまドレスを見つけただけです。

まあ、なんて素敵なドレスなんでしょう!

強欲な2人の姉とは違い
宝石にもドレスにも見向きもしなかったベルですが、
誘惑には勝てなかったようで

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次のシーンではちゃっかりドレスを身につけています。

…何勝手に着てるんだ!!

ここんちは
「黙って目の前に出されたものは自分のもの」
と云う家訓でもあるのでしょうか?!

どうやら無断拝借してしまう血筋のようです。

さらには夕食の時間となり
温かなごちそうが並ぶ食卓に姿を現した野獣に対し、
ドレスのお礼を云うどころか
こんな態度↓をとってしまうベル。

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飾ってあったドレスを勝手に着用していて云うセリフではありません。

その後も、ベルは
バラを盗んだ父親の贖罪のため宮殿に訪れた割には
ことあるごとに強気な態度で野獣を苦しめます。

しかし、野獣にも
「人間の女性に獣の姿ごと愛されなくてはならない」
と云うに云えない目的があるため
ベルを無下に追い出すことはできません。

そんな2人ではいつまで待っても
恋に落ちそうにないと思ったのか
映画はここで強硬手段に出ます。

野獣との生活初日の夜から
不思議な夢を見始めるベル。

それは夢ではなく
宮殿で過去に起こった本当の出来事。

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かつてこの宮殿で起こったことをベルは夢を通して知るようになります。

野獣の殊勝な前妻が
過去にこの宮殿であった愛の記憶をベルに見せることで
野獣を愛するよう仕向けていたのでした。

前妻の目論見どおりたった3日ほどで
ベルは野獣に対して恋心を抱くように…。

ここで致命的な問題が。

本来「美女と野獣」は
ベルが最後まで野獣の正体(=王子)を知らず
外見に関係なく瀕死の野獣の元に駆けつけ、
愛を受け入れるからこそ感動する話。

それがこの映画では、
ベルは野獣の正体が実は王子様であり
人間だった時の容姿も知ってから
瀕死の野獣を助けるのです。

何と云う本末転倒!!

しかも、この映画の王子は
ヴァンサン・カッセル(47)。

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本来の姿がすでに野獣。

もう王子って年じゃねえよ!

王子の取り巻き(+ベルの兄)が若々しい分、
このビジュアルは痛々しいです。

王様ではなく王子様と呼ばれるたびに
見ているこちらがいたたまれなくなります。

一緒に試写を見た後期高齢者の母でさえ
「他にいい人おらんかったんけ?」
と、娘の彼氏を品定めするような口で
訊いてきましたからね。

誰が見てもこのキャスティングには
違和感を感じるようです。

とは云うもののジャン・コクトー版から
ウォルト・ディズニー版と
これまでの「美女と野獣」で一番萎えるのが
「これなら王子に戻るより野獣のままでいた方がなんぼかマシ」
な変身シーンだった私にとっては
このぐらいの方が良いのですよ、お母様。

そのヴァンサン・カッセル(47)が
野獣になったのは

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察しが悪すぎて間違いを犯し呪いをかけられました。

前妻の父親である森の精を怒らせて
呪いをかけられたためです。
呪いを解くには
野獣の姿で人間の女性に愛されならないのです。

…。
呪われることになった原因を考えるとその解除法おかしくね?

父親としては無理難題を押し付けて
嫌がらせをしたつもりでしょうが、
敢えて自分の娘の後釜を作らせようとする父親の呪いに
同じ娘の立場としてはがっかりです。

しかし、海のように心の広い前妻のお膳立てが功をなし
無事ベルは野獣の愛を受け入れます。

ベルがいつ、どういう理由から
野獣に恋したのかはこの映画を見ただけでは
判りませんが、
里帰りから急遽戻ったベルは野獣に愛の告白をします。

その背後では、ベルの兄3人が死に物狂いで
呪いのかかった巨大蔦と戦っているというのに…。

ここぐらいは感動させてよ、もう!

ベルが親元に帰る期間が
原作が1週間だったのに対したった1日だったりと
あまりに急いで話が進むため
時間をかけて育むはずのベルと野獣との愛が
この映画ではあまり感じられません。

今流行りの交際0日結婚を取り入れているのでしょうが、
そのおかげで前妻とのアツアツぶりまでが
安っぽく見えてしまいます。
ベルはともかく野獣は
過去にあんなことしでかしているのですから、
少しぐらい悩んでほしいものです。

後、王子が仕出かした失態の巻沿いを喰った
若き家臣たちのことも少しは思い出してあげて。

彼らにも家族もあったし未来もあったのよ。

ということで、
今年ディズニーが打ち立てた
「真実の愛」≠「男女の愛」と云う公式
に敢えて真っ向から挑んだこの作品。

愛があれば、王子に財産がなくても構わないと云う姿勢は
立派です。

お母様が思わずお子様の目を覆い隠してしまうような
きわどいシーンはまったくありませんので
親子で見るのにはとってもお薦め!!

ただし、どの登場人物にも共感はできないと思います。

まあ、試写会申し込みの往復はがきに
「ヴァンサン・カッセルが好きなので
一日、いえ一分一秒でも早く見たいです。」
とえらいおべんちゃら書いた私が何を云うかですけどね。
(ヴァンサン・カッセルが見たかったのはほんと)
 
 

 
 


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