2014/8/30

首にかけるにはデカすぎる。風呂の炊きつけにでもすんだな、五ヱ門ブロのよ。  MOVIE

今でもはっきり覚えているのが小学2年のある日。
今日から新番組が開始されるということで
テレビをつけたところ
タイトルからてっきり特撮ものと思っていたその番組が
これまで見たこともない
大人のアニメであったことにすっかり魅了された私は
それ以降そのアニメの虜に…。

幼い私の心を鷲掴みにした
がちがちのハードボイルドだった作風は
やがて演出家が変わり
色気が売りだったヒロインが長かった髪をバッサリ切ると、
ストーリーもそれに合わせ
子供向けのコメディ色の強いものとなり
前半の「殺しの世界チャンピオン」という
主人公にあった凶悪な設定は鳴りを潜め
すっかりマイルド路線に。

何、そのキャラ崩壊は?

そんな「視聴率低下による大人の事情」を醸し出しつつ
そのアニメは23話で終了(打ち切り?)します。

ところが、その内
主人公が衣装の色を変えて新作アニメとして再登場。

こちらは最初から絵柄もストーリーも
子供向けを意識したものとなり
ハードボイルドから
コメディ、
ラブロマンス、
SF、
ホラー、
人情もの、
時には他のアニメのパロディと
何でもござれな作品となっておりました。

この頃、ようやく原作本を購入。
男性器が♂と描かれた漫画的表現で大人の階段を昇った私は
親の目に触れない様、
中2男子のエロ本如く本棚の奥深くに隠す羽目に…。

そうしているうちにアニメの方は
155話で大団円を迎え、
その数年後、前作のイメージを払拭するため
衣装の色をがらりと変えて三度テレビに登場。

その後も劇場映画化、テレビSPと
姿を変え、声を変え、他のアニメとコラボまでして
愛され続けて40年以上。
むしろ半世紀近く。

そんな作品はおそらく他にはないでしょう。


というわけで本日の映画は
賛否両論というか、深く愛されすぎているが故、
公開前から非難の声が甚だしい

「ルパン三世」

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たしかに彼はトランクスじゃなさそう。そういや次元は白ブリーフ派でしたね。

です。

製作前から
監督も出演者も「やりたくない」と溢し
公開前から
原作ファン、アニメファン、映画ファン、
さらには普段映画を見ない人からも
「実写化やめろ!」とシュプレヒコールされる
こんな映画も他にはあるでしょうか?

すでに叩かれる土壌だけはできています。
「ちょっとでも気に入らないところがあれば
叩いてやろう。」
と、手ぐすね引いて待っている人も少なくなさそうです。

他の映画とは違うと云えば

 
 


これだけ有名な作品に係わらず
この作品が他の漫画やアニメと大きく異なるのは
主なる登場人物の年齢、過去、経歴が
明確に描かれてないということです。

驚いたことに
主人公の顔でさえ「素顔」ではないとされています。

つまりは

テレビ第1シリーズ第16話OP
「ルパン三世。怪盗アルセーヌ・ルパンの孫。年齢不明。容姿端麗。知能指数300。職業大泥棒。特技神出鬼没。その他何でもできるので特に記さん。
相棒、早打ち0.3秒の次元大介。
及び何でも真っ二つ、居合の名人石川五ヱ門。
ガールフレンド、峰不二子。ただしルパンの敵に回ることがあるので充分注意されたい。
以後、日本警視庁ルパン三世専任捜査官、銭形平次7代目銭形警部。」

という報告書


ルパン三世による紹介文はこちら。

だけを押さえておけばどうにでも描くことができるのです。

年月の経過とともに
いろいろな設定が加わり
ファンの方がネット上に発表しておられる
メインキャラ・データ出典先一覧表
を見ても作品によって
過去やバックボーンがまるっきり違っていたりしますが、
基本設定は殆どぶれてはいません。

原作を離れたアニメの場合は
脚本家が彼らの過去やバックボーンを
好きに描いているわけです。

キャラクターの魅力だけで作られている作品には
他にも「ゴルゴ13」や「シティハンター」などが
ありますが、
ここまで自由度が高いのは
「ルパン三世」ぐらいではないでしょうか?

そのせいか今回の実写化に当たっても
世間ではキャストがどうのこうの
ロケがアジアだからどうのこうの
アクション、演出、その他もろもろがどうのこうの
と云われていますが、
40年間の変遷とともに育ってきた私からすれば
実写化ぐらい今更屁でもないわ
と、思うのです。

こちとら「ルパン三世 念力大作戦」が
DVDリリースされる以前から
あの作品も「ルパン三世」として受け入れてきたのですから
小栗旬がルパンを演じようが
大泉洋がルパンを演じようが
今更どうってことないのです。

白いスーツの目黒祐樹でも
「俺はルパン三世だ!」
と、主張すれば
それが「ルパン三世」になる
そういう懐の深さが他の漫画にはない
「ルパン三世」の強みだと思っています。

実写化程度で
「『ルパン三世』と云う作品が持つ度量舐めんなよ。」
です。

これが
絵柄が変わろうが、
声優が変わろうが、
作画崩壊しようが、
宮崎駿作品になろうが、
峰不二子がヒロインの座からけり落とされようが
さらには
蛍光ピンクの衣装になろうが
ケツ顎になろうが
ファンが47年間愛してきた作品なのです。

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テレビ第3シリーズでは、これだけキャラクターデザインが変わるのです。

そういう意味では
今回の「ルパン三世」も
良いところも悪いところも含めてこれもまた
「ルパン三世」の1つ。

実写化ありがとうございます!
と、心から感謝しております。

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この程度でガタガタ抜かすファンではございません。
出されたものは美味しくいただきます。


100人いれば100通りの「ルパン三世」がある。
そういう作品だから
そういう汎用の効くキャラクターだからこそ
こちらも小学2年から好きでい続けられたのです。

公開開始からまだ日が経っていないので
おそらく「超映画批評」に限らず
否定的な意見が続々出てくると思いますが、
「ルパン三世」ほど愛されている割には
この40年ほどの間にいろいろな人が手を付けすぎて
もはや原型(=原作)を留めなくなった作品は
他にはないような気がします。

だいたい日テレなんか今では
絵柄の全く異なる「名探偵コナン」と
平気で抱き合わせにしちゃっているし。

原作に近いと評判のここ2、3年のアニメも
主人公がルパン三世その人からスライドしているようですし、
ある程度何をやっても許される作品となっているのは確か。

実写というとファンであろうとなかろうと
過剰に拒否反応が起こる傾向がありますが、
40年培った日テレアニメ版が最終的に行き着いた先は
「名探偵コナン」とのコラボですよ。

それを思えば、何だって赦せちゃいます。

他の漫画の実写化ですと、
普通に「原作→実写化」ですが、
今回の「ルパン三世」は「原作→40年間の積み重ね→実写化」。

もう、何が出てきても吃驚しません。

確かに国民的アニメの実写化と云うと
それだけに期待も要望も大きくなりますし、
キャラクターだけでなくストーリーにおいても
「こうあるべき『ルパン三世』像」が
人によって異なるのも痛いほど判っています。

私のように
「私がこれだと思う『ルパン三世』ではなく
他の人が『ルパン三世』をどう描くのか見たい」
つまるところ
「何をやっても『ルパン三世』」
と思っている人ばかりでないのも。

姿形は知っているけれども年齢も経歴も造形、
性格さえも作品によってまちまちなキャラクター、
必要とあらばいつものルパン一味に仲間だって加わることだって。

ストーリーでさえも
あるようで根幹となるストーリーを持たないから
何だって書こうと思えば書けてしまいます。

それこそ、SFであろうが、
ホラーだろうが、
ラブコメだろうが、
子孫を主人公にしたスピンオフだろうが
何が出てきても不思議ではない作品。

それだけにファンにとっては
「何をやっても許される」
でも「何をやっても許されない」
そんな稀有な作品が「ルパン三世」なのかも。

元々「ルパン三世」自体が
モーリス・ルブランの小説の二次創作であり、
これまで発表されているアニメも
同じシリーズなのに前半と後半ではまるでパラレル。

劇場映画作品だって
第1作の「ルパン三世 ルパンVS複製人間」と
第2作の「ルパン三世 カリオストロの城」とを
比べただけでもキャラクターからして別物です。

その「カリオストロの城」については
原作者であるモンキー・パンチ氏は
このよう
インタビューに答えています。

120円の赤いきつねもフルコースのフランス料理も
どちらも美味しく食べているのが「ルパン三世」。

そんな器の広い作品なのに
実写に関しては実写と云うだけで
見る人の目がもの凄く狭くなっているのは
勿体ないです。

今回の実写「ルパン三世」が
いちいちカッコ悪いという意見もありますが、
幼い頃夢中になり今でも「ルパン三世」と云えば
思い浮かぶ「ルパン三世のテーマ」につけられた歌詞なんて

「真っ赤な薔薇は あいつの唇
やさしく抱きしめて くれとねだる
瞳の奥に 獲物を映して
淋しく問いかける 愛の在りか
男には 自分の世界がある たとえるなら
空をかける ひとすじの流れ星
孤独な笑みを 夕陽にさらして
背中でないてる 男の美学」

ですよ?

大人になってからカラオケでうっかり歌って
顔から火を噴いたものです。

カッコ良いつもりがカッコ悪いのも
「ルパン三世」。

とりあえず、
今回の実写「ルパン三世」では
「ルパン一味の料理担当は次元大介
と云うのちゃんと映像を見れただけで十分満足しています。

五右衛門が貪り食っていた握り飯が
次元は握ったものだと思うとそれだけで微笑ましくなります。

少なくともラストシーンとエンディングロールには
作り手の「ルパン三世」に対する愛と俳優への感謝が
こもっていたと受け取っています。

人によっては
「俺の『ルパン三世』をバカにするな!」
になるかもしれませんが…。





それから「ルパン三世」として見なければ
アクション映画として見れるかも…

と、云うことはおそらくないと思います。

それでしたら
聞いたことのあるようなセリフ
ハリウッドを比べてはいけないアクション
最後は高笑い
と云う点でよく似ている
「超高速!参勤交代」をお薦めいたします。


とりあえず、続編が公開されたら
私は何をおいても見に行きますけど。


(後日談)
この映画のレビューで良く目にするのは、
五右衛門がいつものセリフ
「また、つまらぬ物を斬ってしまった」と云っていながら
道路しか斬っていないことへの不満です。

実際、このシーンを希望通り再現すると
@車(ハマー)が刀で真っ二つに斬られ
A運転手も助手席の人間も無傷のまま
B2つになった車体は左右に分かれながら
C高速道路を走行し続け
D少しずつバンパーやタイヤなどの部品が剥がれ
E最終的に2体の車体は同時に外側に倒れ
F車内の悪役ポカーン
Gという様子を背後に「また、つまらぬ物を斬ってしまった」
という映像をCGをなるべく使わず
撮影しなくてはならないのですが、
(フルCGにするとそれはそれでまた文句が出てくるので)
後処理も含め、これをまともに作ったら
どれだけお金がかかるんでしょう?

誰か、詳しく換算してくれないでしょうか?
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