2014/8/19

特技は神頼み  MOVIE

本日の映画は

「インモータルズ−神々の戦い−」


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です。

私事ながらこの4年ほど
それなりの本数の映画を見てきたつもりです。

本作は
映像の魔術師のターセム・シンと


代表作「落下の王国」。衣装担当は日本が世界に誇る石岡瑛子女史。

「300〈スリーハンドレッド〉」製作スタッフが
手を組んで生み出した独創的なギリシア神話の世界を舞台に
壮絶な戦いを描いた3Dアクション・スぺクタル超大作
という触れ込み(公開当時)でしたが、

鑑賞後の正直な感想といたしましては

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この感じは「ウォータームーン」以来でしょうか。こちらの方がまだましですが。

でした。

一応この4年間様々な分野の映画を見てきたつもりです。
しかし、こんなことは4年間おそらく一度もありませんでした。

公式サイトに載っているあらすじにはこのように書かれています。

人間が誕生する遥か昔、“光”と“闇”の神々の戦争が起きた。戦いは光の神が勝利し、闇の神は奈落の奥底に封印された。時は流れ、古代ギリシアの時代。闇の力を手に入れ、世界を支配しようと野望を抱くハイペリオン(ミッキー・ローク)が人類に対し宣戦布告。光の神が造った武器の一つであり、闇の神を解放するための重要なカギ“エピロスの弓”を捜し求めるハイペリオンは、軍隊を結集してギリシアの地を侵攻していく。弓がハイペリオンの手に落ちれば闇の神は復活し、人類の破滅も免れない。ハイペリオンの野望を阻止すべく、光の神の頂点に立つゼウス(ルーク・エヴァンス)が選び出したのは、自らが鍛え上げた人間、テセウス(ヘンリー・カヴィル)だった……。

と。

公式サイトの「あらすじ」ですので
間違ってはおりません。

ここだけ読んでいれば、ギリシア神話を題材にした
英雄譚のように思えます。

しかし、素直に飲みこめない何かがこの映画にはあるのです。
それが「何が何だかわか」りませんが。

そもそも主人公であるテセウス。

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ヘンリー・カヴィルを最も美しく見せる衣裳は裸体という石岡瑛子の持ち腐れ。

ギリシア神話における
クレータ島に幽閉された牛頭ミノタウロスを退治したものの
それに協力したミーノース王の娘アドアリネとの
結婚の約束をあっさり破ったことで有名なテセウスと
同じ名前を持ち
本作でもミノタウロスっぽい被り物をした兵士と戦いますが、
基本殆ど別人ですので、
これからご覧になる際はそのつもりでご鑑賞ください。
 
  
 

ところで、先ほど主人公は
ヘンリー・カヴィル演じるテセウスと申しましたが、
実際のところ、ストーリーを動かすのは
神々への反逆と復讐に燃える
ミッキー・ローク演じるハイペリオンと云う人物です。

神に恨みを抱くイラクリオンの王ハイペリオンは
遥か昔神々との戦いの末敗れ去り
今はタルタロス山の地中深く封印されているタイタン族を
解放することができる唯一の武器
エピロスの弓を何としても入手せんと
ギリシア各地の神殿を破壊しつくしていました。

しかし、そんな大雑把なローラ作戦で
長年行方不明中のエピロスの弓が
易々と見つかるわけがありません。

いい加減、神殿を襲うのにも飽きたハイペリオンは
巫女オラクルの処女パイドラが持つ
予知能力(…え?予知能力?)を使って
お手軽にエピロスの弓を手に入れようと画策します。

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巫女オラクルの4姉妹。個々での衣裳は石岡瑛子の面目躍如。

軍勢を率いて、パイドラの行方を探し求めるハイぺリオン。

何がそこまで彼を掻き立てるのでしょうか?

それは、
彼の妻と子供が病に冒された時
幾度どなく祈りを捧げたにもかからわず
神はその祈りを完無視し
結果2人は苦しみながら亡くなったからです。

「俺の祈りに耳を貸さなかった神許すまじ」
だからです。


………………えっ?

ええっ?!

神様ってそんなに便利に使っちゃって良いものなの?

祈れば何でも叶うとでも思っているのでしょうか?
もしかして神の力を過大評価していませんか?

神自身が「OH!MY GOD!」
と叫ぶレベルの要求を神に叩きつけるハイペリオン。

祈られた程度でいちいち瀕死の病人を片っ端から治していたら
いくら神様でも割が合いません。

しかし、ハイぺリオンは本気です。

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本気と書いて「マジ」です。腹いせに神官を火あぶりにします。

と云うのもこの時代の人間にとっては
世界の常識だったようで
テセウスも普段から信仰心を持っておらず
特に神に祈りを捧げたこともなかったくせに
最愛の母アイトラをハイぺリオンに殺される際には
「神は信仰深い母の命を見捨てた!」と
吐き捨てます。

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随分好き勝手云っていますけど、何故そこまで神がしてくれると思うのか?

人間にどんだけ便利に使われているのでしょう、神様。

そんなハイぺリオンが神々に復讐するため躍起になっている間
神の中の王であるゼウスが何をしていたかと云うと
老人(ジョン・ハート)の姿に化けて人間界に降り立ち
目をかけている人間の青年テセウスに
少年期から青年期にかけて
ずっと剣や槍斧の稽古をつけていました。

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こんな神に期待をかけすぎたのがハイぺリオンの間違いでした。

神様何やってんすか?

と云う疑問が頭に浮かびますが、
そこはそれ。

ギリシアの神々というのは肉体こそ不老不死とは云え、
一度お気に召せば
人間であろうとなかろうと
異性でも同性でも時には近親相姦も怖れず
所構わず手を付けちゃうような俗物な神様です。

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娘のアテネが焼きもちを焼くほどテセウスに肩入れするゼウス。

ですのでどちらかと云うと神頼みに関しては
「恋愛成就ならまかせろ」なのです。

そんな人間臭い神々でしたが、
ハイぺリオンがギリシアのコルポス半島に攻め入り、
刃向ったテセウスを捕え奴隷の身に堕とし
巫女パイドラとその姉妹を拉致すると、
アテナ(イザベル・ルーカス)、
ポセイドン(ケラン・ラッツ)、
アレス(ダニエル・シャーマン)、
アポロン(コーリー・セヴィア)、
ヘラクレス(スティーヴ・バイヤーズ)と云った
天上の他の神々も流石にこれは放っておけないと判断し
「ギリシア人に加勢してはどうか」
と、口を揃えて意見し始めます。

しかし、肝心のゼウスは「神の掟に反する」とかなんとか
尤もらしい言い訳を並べたて真っ向から彼らの意見に反対し
さらには人間に助力することをきつく禁じるのでした。

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ゼウスとアテネ以外は碌に紹介もされないので誰がどの神なのか判りません。

しかし、ゼウスの考えに納得できないポセイドン、
そして、アテナとアレスは内密でテセウスたちに助太刀します。
彼らは、イラクリオン兵を退け
テセウスにはハイペリオンのいるタイタロス山に行き着くための
馬を2頭与えます。
(ただし、テセウスたちのパーティーは3名)

ここでのアレスとイラクリオン兵の戦いは
ラスト20分に起こるクライマックスのバトルシーンに次いで
この映画のハイライトです。

ターセム・シン監督の美的センスが冴えわたっています。

しかし、彼らの所業は
すぐさまゼウスに知れるところをなり
掟を破ったアレスは、罰として炎の鞭で打たれます。

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助けられた人間たちは身動き一つできず仕置きされるアレスを見守るばかり。

ちなみにアテナはゼウスの娘なので無罪放免です。

そもそも助太刀を発案したのはアテナなので
相当割に合わない気がしないでもありませんが、
基本父親は娘に甘いのです。
それは人間も神様も同じなのです。

一方、鞭打たれたアレスは憐れこのような姿に…。

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えええっ?!なにこれ?

ああ、これは死んでますね。
確実に死んでいます。

何と云う厳しいゼウスの処罰でしょう。

ほんと割に合いません。

てっきり、身体に火傷の後が残る程度かと思っていたので、
この理不尽さは少なからずショックです。

まあ、一番ショックを受けて項垂れていたのは
ゼウス本人ですが…。
だったら、あそこまでしなくても良かったのに…。

それなのに
そこまで危険を冒してアレスとアテナが
テセウスらに与えた天上自慢の馬は
タイタロス山に着いた途端
口から泡を吹いて倒れるような代物でした。

あまりの使えなさにテセウスたちも言葉が出ません。

この程度なんですよ、神様の力って。

そのことをつくづく思い知らされた
テセウスとその仲間たちはもう神に頼ることなく
迫りくるハイペリオン軍を迎え撃つための準備にかかります。

ハイペリオンとの和平交渉を提案するヘレネス王を退けると、
テセウスはその場しのぎの演説で
ギリシア軍の士気を高めることに成功し
イラクリオン兵と戦いへと身を投じます。

ところが、
目の前の蠅を払い落とすのに忙しかったのか
テセウスはハイペリオンのことをすっかり失念。
仲間も戦うのに夢中で気が付きません。

そこは忘れちゃダメでしょ。

主人公に相手にもされなかったハイペリオンは
易々と神殿の奥深くに幽閉されているタイタン族の元へ
歩を進めます。

テセウスが軍勢の中にハイペリオンの姿が見えない事に
気が付いた時には既に手遅れ。

タイタン族は解き放たれ
彼らを退治するためにようやく神々降臨です。

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この時点では神々があそこまで血祭りにあげられるとは思いもしませんでした。

これで解決かと思いきや多勢に無勢(25対5)、
タイタン族に次々惨殺されていく神々たち。

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迎え討つタイタン族は5×5=25人なのに殺しても殺しても減らないのは何故?

とうとうかすり傷一つ負っていないのはゼウスのみとなり
思いまわったゼウスは最後の手段とばかりに
神殿もろともタイタロス山を破壊し
生き残ったタイタン族を封じ込めると
さっさと天上に帰ってしまうのでした。

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娘の命すら護れなかった神がどうして人様の妻子を助けられようか。

ついでに命からがらハイペリオンに勝利し
瀕死状態のテセウスも天上にお持ち帰りします。

後に残されたのはテセウスの子供を宿したハイドラのみ。
処女と一緒に予知能力を捨ててしまったハイドラは
今やただの人。
これから面倒を見てくれるはずの夫を
まんまとゼウスに奪われてしまったのでした。

ゼウスというとギリシア神話の中でも
「非常に女癖が悪く浮気性でそして美男子も大好き」
と云う散々な描かれ方をされていますが、
本作のゼウスも良いところがあまり見受けられません。

タイタン族を生かしたままタイタロス山に封じ込めなければ
こんな事件は起こらなかったでしょうし、長じて
アレスもポセイドンもアポロンもヘラクレスもアテナも
そしてテセウスも命を落とすことはなかったのです。

全てはハイペリオンの計画通り。
それなりに妻や子の仇を取ることができたので
死しても満足していることでしょう。

それに比べて
余計な戦いを引き起こしておきながら
掟に縛られ的確な処置を怠ったため
随分多くの神と人間の生命を見殺しにしたも同然なゼウス。

ハイペリオンもなんでこんな神に
困った時の神頼みをしてしまったのか…。

しかも、テセウスを始め
周りは胸筋が異常発達したマッチョマンだらけなので
ルーク・エヴァンスもそれなりに「いい身体」をしているのですが、
どうも見劣りしてしまいます。

最高神より肉体美な人物多すぎ。
ちょっとは最高神ゼウスに気を使え。
てなもんです。

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ゴリマッチョに囲まれ肉体的にやや残念なルーク・エヴァンス。

盗人のスタブロス(スティーヴン・ドーフ)でさえ
胸筋は今一つな細マッチョ(当社比)ですが、
鍛え上げた大腰筋で勝負賭けてきています。

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何をどうしたらそんな腹筋になれるの?

途中からはハイペリオンもテセウスもどうでも良くなり
そんな残念なゼウスから目が離せません。

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ラストカットでも画面に隅にちらっと映っているゼウス。(ここ↑)

終盤などは特にスローモーションを使用した
神とタイタン族の戦いに目を奪われ
メインイベントであるテセウスとハイぺリオンの戦いが
どうでもよくなってしまいます。

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もうこの映画、ここのバトルシーンだけ見てればいいよ!

ただし、もう一人注目すべき人物がいます。

どうしようもない小物感が付きまとう
リサンドラー(ジョセフ・モーガン)、
彼からも目が離せません。

ギリシャ兵と云う身でありながら
イラクリオン軍が攻めてくることを知るや
ギリシア軍で唯一降伏することを提案し
その後他の兵士とテセウスの諍いに首を突っ込んだため
責任を取って軍から離脱させられ
それを恨み味方の兵士を殺し敵に寝返ります。

流石にハイペリオンもこんな人物をむざむざ引き取るわけもなく
顔に消えない傷を付けられた上、
子種を絶やすため男の最も大事なところを
鉄のハンマーで潰されてしまうリサンドラー。

情けなくて涙がちょちょぎれます。

それでも、ハイペリオンに媚び諂うリサンドラー。

何がそこまで彼を掻き立てるのでしょうか?

ハイぺリオンが神を赦せないのと同じく
リサンドラーにも存在自体許せない相手がいたのです。

そう、その相手はもちろん主人公のテセウスです。

最後にはタイタロス山を護るテセウスに
一騎打ちを申し込むのですが

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そう、それはまるでラブコール。

こちらがビックリするほどあっさりを殺されてしまいます。

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丸腰で両手いっぱい広げて迎えいれ躊躇なく殺されてしまいます。

マジか!!

リサンドラーなる人物は
最初から最後までテセウスにちょっかいを出す事だけを
生き甲斐としており
その姿はまるで片思いしているようにしか見えません。

もともとテセウスが娼婦の息子ということで
彼を毛嫌いするギリシア人は大勢いたようですが、
中でも飛びぬけてテセウスを意識しているリサンドラー。

それだったら、
映画の冒頭で水を汲んでいるアイトラにわざとぶつかる人物や
不平等を訴えるテセウスを甚振る兵士、
そして、DVD特典の未公開映像に出てくる
幼い頃、テセウスを「穢れた子」と虐げ
夜中にテセウスの家の家畜を殺しまくった上に
その血で壁に落書きをしたため
堪忍袋の尾が切れたテセウスに耳を食いちぎられる少年も

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このシーンは本編ではカットされていますが、どう見ても後のリサンドラー。

全部一緒くたにして
リサンドラーという設定にしても良かったのでは…。

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残念ながらリサンドラーは両耳が付いています。

そうでもなきゃ、あまりにあっけない最期に
リサンドラーが浮かばれません。


そうそう
エピロスの弓ですが、パイドラの力を全く借りることなく
母の遺体を埋葬していたテセウスが偶然見つけてしまいます。

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はあああああああ?

予知能力者としてのパイドラの存在価値全否定ですか?

テセウスがハイぺリオンと手を組むことになる
という予言も結局かすりもしませんでしたしね。

エピロスの弓の重要性を今一つ理解していないのか
うっかり敵の眼の前に弓を落としてしまい
あっさり奪われるテセウスもテセウスですが…。

幼い頃から虐げられ母子家庭だった割には
あんなプロテイン増量な肉体になるのもおかしいですしね。



……………
何が何だか わからない
……………

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