2014/8/3

執事様のお気に入り  MOVIE

本日の映画は
最寄りのTSUTAYAで
どのスタッフのお薦めかは判りませんが、
面陳列されているDVDにしては
始めて目にするタイトルとパッケージだったため
つい手に取ってしまった

「バーナード・アンド・ドリス」

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です。

見ての通り、
主演は、スーザン・サランドンとレイフ・ファインズ
のお2人。

映画好きなら知らぬ人はいない
豪華とも地味ともつかぬ
心そそられるキャスティングです。

しかも、パッケージの裏をちら見したところ
実存した大富豪と執事のお話のようです。

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実話を元にしていますが、異なる部分もあるそうです。そりゃそうだ。

大富豪の世界を描いた作品と云うと
アメリカ、ハーレクインの世界では、
人気が集中しているのは専ら「シーク」ですが、
ここ日本でのオタクカルチャーの人気は
「執事」に偏っています。

今や多くの女性にとって「萌え属性」として
ベタな執事キャラの法則」が作られるくらい
愛でられている存在の執事。

しかも、本作ではご主人様が女性ということで
どのような「メイちゃんの執事」的展開が…
と思っていたら




執事が女主人に何やら怪しげな注射を打とうとしている
恐ろしげなシーンから始まるではないですか。

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注射の中身はおそらくインシュリン…ではありませんね?

あれ〜?

どうやらこの映画も
終盤で描かれるシーン
(起承転結における「転」か「結」の部分)
を一部だけ切り取って冒頭に持ってくることで
あらかじめ観客にこれから起こることを予見(覚悟)させる
作りになっているようです。

J・POPで云えば「サビ出し」のようなこの演出
「ネタバレ」になることもあれば
「ミスリード」になることも。

そのため、容易に観客の心を掴むことができ
安易に多くの映画で使い倒されているため
ちょっと食傷気味になっています。


園芸家、美術収集家、慈善活動家として名前の知られる
ドリス・デューク(スーザン・サランドン)は
タバコ王の娘として幼い頃から巨額の遺贈を受けた
「世界一裕福な娘」。

父親の死後は着実に資産運営を行い
2度の離婚を経て、悠々自適な独身生活を
楽しんでおりました。

そんな彼女のことですから
ちょっとでも気に入らないことがあると、
平気で使用人の馘を切ってしまいます。

その日も
朝食のメロンが冷たすぎると文句をつけたところ
執事が彼女に断りもなく皿を下げてしまったため
その場で馘にしてしまいました。

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日本では執事は「先祖代々」と思われがちですが、実際は違います。

その後任として面接に現れたのが
リズ・テイラーの紹介状を持った
バーナード・ラファティ(レイフ・ファインズ)でした。

履歴書に書かれた経歴は申し分ないものの
職歴に半年間の空白があることに目を留めるドリス。

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実はアルコール依存症の治療施設を退院したばかりでした。

そこでドリスがバーナードを雇う際につけた条件は
「勝手に私に酒を飲まないこと」。
それだけでした。

以後、ドリスの派手な男関係にも口を挟まず
プライベートなことには立ち入らず適度な距離を保ち
粛々と執事職を務めるバーナード。

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好みの男性がいればすぐに手を付けるドリス。

完璧な仕事ぶりと云う訳にはいきませんが、
それが却ってドリスのお気に召したようで

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奥様の命令なしでは賞味期限が切れた食材でも勝手に捨てません。

他の使用人とは違い
バーナードはその後も馘になることはありませんでした。

やがて、骨折を機に外出を控えるようになった
ドリスの面倒を何から何まで看るようになるのですが…。


ふいとドリスの前に現れまんまと執事職に収まった
バーナードは恐ろしく感情を表に出しません。
いつもちょっと困ったような自信のない表情で
仕事をこなしていきます。

その姿に終始不穏な空気を孕みつつ
映画の中盤を過ぎても
バーナードがどういう人物か
いったい何を考えながらドリスに仕えているのは
読み取ることができません。

刺繍を嗜み
ドリスの留守中に彼女の衣装やアクセサリーを
身体に当てることで
彼がマイノリティーであることは描いているものの
それだけです。

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レイフ・ファインズの演技力が光り輝きます。

心の内までは深く踏み込みません。

ドリスの方も
バーナードの口からわざわざ聞かずとも
彼がゲイであることはそれとなく察しており、
自然に女同士でするような恋バナに
花を咲かせたりします。

普段は、使用人のプライベートには
踏み込まないドリスですが、
休暇を申し入れたバーナードが口にした
「ブラインドデート」から
さりげなく彼が相手を募集した雑誌を当ててみせます。

その時話題に出てくる雑誌「ビレッジ・ボイス」は
演劇、文芸、アート、音楽などの記事が多く、そうした分野に興味を持つゲイやレズビアンの同性愛者の読者も多い、ニューヨークを代表する老舗のフリーペーパー
で「パーソナル欄」と呼ばれる出会い系の掲示板というのが
あったそうです。

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「ホモが嫌いな女子なんかいません」なのはアメリカでも上流社会でも同じ。

主従関係を保ちつつ、余計な詮索もせず、
相手のテリトリーに無暗に踏み込むこともなく
友情を深めていくドリスとバーナード。

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同性同士の友情でもなく男女の愛情でもでないのが良いのです。

ところが、バーナードの方は環境に慣れ始めると
悪い飲酒癖が頭を持ち上げて
徐々にドリスの収蔵ワインに手をつけはじめるように
なります。

やがてそれはドリスの知れるところになりますが、
時はすでに遅し。

ドリスにとってバーナードはなくてはならない
唯一の人物となっていました。

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岩井俊二監督の表現を借りると「惹かれあう孤独な魂」という奴です。

友人でもあり弁護士でもあるタフト(ジェームズ・レブホーン)が
ドリスを心配し散々忠告しても聞く耳を持ちません。

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ドリスだってそんなことは判っていたのかもしれません。

腰の骨を折り身体が不自由になると
自分の世話の一切をバーナードに任せます。

そして、映画は冒頭のシーンに。

ドリスの死後、新たに作成された遺言状により
バーナードは遺言執行者に指名され
彼女の遺した慈善事業を引き継ぎます。

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ドリスの死後、それまで株だった彼女が育てた蘭の花が一斉咲き綻び
亡くなったドリスの代わりにバーナードが世話を続けます。


映画はそこで終わり
後のことはテロップが簡単に紹介しています。

実際のドリス・デュークは1993年10月28日、
ファルコンズ・レアの自宅で死去しています。
享年80歳。
死因は進行性の肺水腫からの心拍停止でした。

ところが、彼女の最期を看取った
執事のバーナード・ラファティが遺言執行者に指名され
死因も彼のスポークスマンによって発表されたため
疑問を感じたドリスの親戚との間に訴訟が起こりました。
彼女の死因と遺言状を巡り
かなりごだごだがあったようです。

実際の2人の関係を描こうとすれば
「ザ!世界仰天ニュース」や「奇跡体験!アンビリバボー」の
番組後半に放送される再現ドラマのような話に
いくらでもなるところを
この作品は不思議な友情物語に仕上げています。

一見浅く描かれているドリスとバーナードの人物像ですが、
それゆえ様々な憶測を生み、深みを与えています。

実際にこの2人の間に何があったかは
当事者にしか判らないもの。

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注射に関してもドリスの同意に基づく安楽死だったのかどうか判りません。

メディアが面白おかしく、もしくは真剣に流している報道が
視聴者(読者)にとっての事実となっても
当事者にとっての真実とは限らないのです。

実はこれは劇場映画ではなく
アメリカ合衆国のケーブルテレビ放送局であるHBOが
製作したテレビドラマです。

大富豪の世界を描いている割には
セットにお金をあまりかけていないように感じられるのも
そのためのようで
スーザン・サランドンとレイフ・ファインズの
演技力で押し切った作品になっています。

HBOは
「セックス・アンド・ザ・シティ」
「OZ/オズ」
「バンド・オブ・ブラザース」
「ゲーム・オブ・スローンズ」
で有名ですが、
スティーブン・ソダーバーグ監督の
「恋するリベラーチェ」を製作し
テレビ映画でありながら
カンヌ国際映画祭でプレミア上映されたことから
映画レベルのクオリティを持つドラマを作るテレビ局として
近年映画ファンにも注目されているのだとか。

要するに昨今の
レンタルDVDショップから
映画DVDを押さえ込んで
ドラマDVDが幅を利かせるようになった一因が
このHBOと云えるのかも。

そういうところが製作したドラマですからね。
これからもこのような形で映画界に
どんどん参入してくるようになるかもしれませんね。




1



2014/8/28  12:17

投稿者:あゆか

8月21日に拍手コメントをくださった方へ

凄く嬉しいコメントありがとうございます。
これからの励みにします!!
出先でコメントを拝見したため
思わす心の中で小躍りしてしまいました。
自宅に帰ってから本格的に小躍りさせていただきます。

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