2014/7/8

夢見る少女じゃいられない  MOVIE

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」に
引き続きTOHOシネマズ劇場招待試写会にて
ジブリ最新作「思い出のマーニー」を見てきました。

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原作はイギリスの児童文学ですが、
日本の子供たちに見せるので
「借りぐらしのアリエッティ」同様
舞台を現代の日本(北海道)に持ってきています。

主人公は13歳の少女アンナ(杏奈)。
中学生とは思えないほど絵の才能に恵まれていますが、

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車内にこれでもかとものが詰め込まれているところがジブリ。

内気で学校の野外学習でも友達の輪から離れ
一人黙々とスケッチをしているような女の子です。

ただ、時々勢いで毒づいてしまい
周囲をぎょっとさせることもあります。

他人に対し壁を作り、自分から友達は作らないけれども
そういう自分のことも嫌い。

なんてこの年頃には男女問わず普通にあることですが、
まあ、「普通」と云う言葉が
アンナにとっては特別な意味があります。
 
 

それはさておき
そんなアンナは喘息と云う持病を持っています。
野外学習でもちょっとしたことで発作が起こり、
一人、家に帰されます。

自宅にまで往診に訪れた主治医を見送り
母親頼子に
「またお金使わせてしまったね。」
と、呟くアンナ。

父親は単身赴任で不在とは云え
さほど生活に困っているわけでもなさそうなのに…。

頼子の方もアンナに対してどことなく遠慮がちです。

どうにもぎこちない母娘。
これはいったいどういうことでしょう。

違和感を残したまま
療養のため、アンナは夏休みを待たず学校を休学し
母親の知り合いである大森夫妻が住む海辺の町の街で
夏の間、過ごすことになります。

そこでアンナはマーニーと云う少女と出会うことになるのですが…。



この映画は
徐々に謎が解き明かされていく映画です。

テレビスポットで提示されている



マーニーが何者であるか?
と云う謎もそうですが、

何故、アンナは初めて訪れたはずの
海辺の湿っ地(しめっち)屋敷を以前から知っていたのか?

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また、何故、アンナは母親をはじめ
周りの人々と距離をおいてしまうのか?

と云ったいくつもの謎が物語が進むにつれて
少しずつ解き明かされるようになっています。

そういう意味では、
探偵も人殺しも出てこないミステリーのような映画です。

謎を解明するヒントはそこたら中に
とても丁寧にちりばめられてあるので
察しの良い人はマーニーの正体が早い段階で
お分かりになるのではないかと思います。

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このシーンはもしかするとミスリードを狙っているのかもしれませんが、
ここで分かる人には分かると思います。


物語の終盤、アンナはあることで
マーニーを赦すか赦さないかの決断を迫られます。

この「赦し」がアンナの知らないところで
別の「赦し」を意味しているのが、
構成上上手くできているなあ、と泣けました。

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公開直前の予告編でここまで見せていたのには驚きました。

「赦し」のシーンはマーニーの正体が判って見ると
さらに感慨深く見れると思います。

惜しむらくは
この映画の企画はいつごろ立てられたのか判りませんが、
本作にも協力しているディズニーの
「アナと雪の女王」の後
さらには「マレフィセント」の後に公開されたこと。

これは、かなり痛手ではないかと思われます。

Wヒロインと云うだけでも似ているのに
男の子の絡みも申し訳程度。

「今までに会ったどの女の子よりもあなたが好き」
と云うセリフまででてくるのですから
否が応でも「アナ雪」と比較されることでしょう。

思わず口ずさんでしまうような音楽に
お子様が血湧き肉躍ってしまうような冒険シーンも
たっぷり用意されている「アナ雪」と比べると、
心を閉ざした中学1年生の一夏の出来事を描いた
「思い出のマーニー」は
乳幼児には敷居が高く地味で面白みに欠けています。

と云ってもこの映画は、
「女同士の腹を割らないつきあいは結構辛い」
と云う面もちゃんと描いており
そういう意味では「アナ雪」より
同じ世代の女の子が見たら
多少なりとも共感できるところが多いのでは。

余計な口を聞かず一定の距離を保つことで
家庭に波を立てさせないようにするアンナ。
早退したアンナの鞄をわざわざ
彼女の家に届けに来る同級生たち。
札幌から療養に来たアンナの面倒を見ようとし
拒絶されたもののすぐさま態勢を持ち直し
彼女を受けいれようとする地元の女の子信子。

親の目からすればどの子も「いい子」です。

そんな彼女たちも一瞬素を見せます。

気が高ぶると思わず悪態をついてしまうアンナ。
アンナの保護者から学校でのアンナの様子を聞かれ
思わせぶりな態度をとる同級生たち。
アンナに拒絶された出来事を多少「盛って」
親に報告する信子。

「いい子」は彼女たちが身につけた処世術なのかもしれません。

彼女たちは宮崎駿が描く根っからの「いい子」ではなく
今の時代、
普通につつがなく生きていくため
「いい子」を身につけた少女たちなのかもしれません。

家族環境が他人とは異なるアンナは
顔をキラキラさせて恋バナに夢中になる
クラスメイトより少し早く自我に目覚め
思春期を迎えます。

彼女の絵や言葉づかいを見る限り
元々大人びた少女だったのでしょう。

本人はそのことに無自覚なので
自分が「外の人間」だと思うようになり
じだばたするのですが、
そのことを他人に知られることを怖れてもいるので
誰にも話せず解決することはできません。

マーニーと出会って理屈抜きで他人を赦すことができた時
アンナは戸惑うばかりだった思春期を受け入れ
頼子を「母」と紹介し、
信子に対して拒絶したことを謝罪します。

かのジブリ作品ですので
1年後、少なくとも2年後には「金曜ロードSHOW」で
ノーカット放映されるのを待たれる方も多いでしょう。

実際に
単行本で上下巻の話を103分でまとめてあるので
さらっと上っ面だけしか描かれていないキャラクターも多く
内容的にも言葉足らずなところ、ご都合主義なところもあり
大人料金1800円も支払って劇場で見ることはないかも…。

特に現代日本が舞台と考えると
アンナを預かった夫婦の危機感のなさには驚かされます。

大森夫婦はアンナのことを
「預かっている他人様の子供」とは見ていないので
結果的にはアンナにとっては良い環境となっていましたが、
このご時世にあの放任主義は危なっかしくて見ていられません。

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でっかいどう北海道とはいえこの2人の子育てはおおらかすぎる。

アンナがたびたび日が暮れても帰宅せず、
酷い時には道で行き倒れているのに
少し暢気すぎるのでは?

また、「風立ちぬ」の飛行シーンのように
「大画面で見なくては勿体ない!!」
というシーンもないため
「ぜひ劇場で!!」と声を大きくして薦めるには
気持ち的に遠慮してしまいます。

とりあえずアンナと仲良くなろうとして
拒絶されてしまう地元の少女信子ちゃん
(下図向かって右)だけでも
是非今のうちにスクリーンで見てほしいです。

最初に画面に現れた時は年齢不詳で
てっきり近所のおばさん代表かと思っていました。

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母親と散歩している姿はPTAの会合帰りに主婦にしか見えませんでした。

公開前に現時点では
信子ちゃんについては予告編にちらりと出てくる程度ですが
TEAM NACSが声を当てた他の北海道キャラを
プッシュするくらいなら彼女にスポットを当ててほしいものです。

さて、
「アナと雪の女王」「マレフィセント」と比べても
地上波で無料で見ることができる確率が高い映画とは云えども
夏休み映画としてお子さんと見るにはもってこいの映画と
思われているようで試写会でもこれまでになく
お子様連れのお母様が多かったのです。

中には複数のお子様(乳児含む)を引き連れた
お母様、お祖母様が目に見える数いらっしゃって、
連席を確保するのに大変そうでした。

相当な枚数の応募券出したんでしょうね。
お母様、お祖母様も大変!!

時期的に3作品とも夏休み、
お母様とお子様でご覧になるのが
ベストな作品と思いますが、
ここで一つ大きな問題が…。

この3作品に揃いも揃って
「実の母親」がもの凄くないがしろにされていますので
不愉快に思われるお母様もおられるかも…。

その辺はご注意ください。
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