2014/5/21

好きになる相手がみんなと僕は違うんだと  MOVIE

本日の映画は

「ただの友達?」

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と云う韓国のクィア映画です。

「少年、少年に会う」(14分)
「愛は100℃」(22分)
「ただの友達?」(29分)

3本の短編映画から成り立っています。

メインはDVDタイトルにもなっている
「ただの友達?」
という短編映画で
この作品のメイキング映像並びに舞台挨拶映像が
特典映像として収録されています。




軍の面会日、
入隊中の彼氏に逢いに行くバスの中
どうにも気持ちが落ち着かない女の子。
たまたま隣に座った男の子と仲良くなります。

女の子は彼氏に差し入れるシュークリームを
男の子に見せます。
男の子もお菓子を持参していますが、こちらは手作り。
シュークリームの方はお店で買ったものだったので
次第に口数が少なくなり俯いてしまう女の子。

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女子力で既に隣のハニカミ王子に負けている女の子。

男の子の名前はソク(イ・ジェフン)。
バスの中では突然周りを巻き込んで
合唱するほど浮かれていましたが


実はこの映画、主題歌を合唱するミュージカル(カラオケ)から始まるのです。

軍の施設に到着し
面会カードを記入しはじめると
どんどん表情が暗くなっていきます。

面会者との関係の欄に一旦「恋人」と書いた文字を
塗りつぶし、「友達」と書き換えるソク。

少し離れた先でバスで同席した女の子が
久しぶりに会う彼氏といちゃついています。

ようやく、面会相手であるミンス(ソ・ジフ)が
入室してきてほっとするソク。

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と云っても女の子のように人目もはばからずはしゃぐことはできません。

ソクとミンスは相思相愛の同性カップルなのです。

しかし、この映画は日本のBL映画ではないので
同性同士の恋愛はまかり通っておりません。
つまりばれると大変なことになります。

ストレートかどうか確認しなくても
カップルが成立し
周りもそれを不思議とは思わず温かく2人の恋を見守る
日本のBL映画のようにはいきません。

ましてや片方は兵役中の身です。

日本のBLならば
同性だらけの軍隊が攻やら受やらの温床になっても
不思議ではありませんが、
これはおとなりの国、韓国のお話です。

恋人同士の2人がこの場でできることと云えば
テーブルの下でコッソリと靴先を絡めることぐらい。

それでもソクが持ってきた差し入れを取り出して
とってもいい雰囲気になったところに
同じく息子の面会に来たミンスの母親が
2人の前に現れます。

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面会日に訪れるのは何も恋人だけとは限りません。

面会後はあれもしたいこれもしたいと思っていた
2人は出ばなをくじかれるものの
わざわざ田舎から泊りがけで出てきたミンスの母親を
無碍にするわけにもいかず
彼女が泊まるホテルでくつろぐことに。

男の子なら経験があると思いますが、
母親の息子に対するアンテナと云うものは凄いもので
息子が親に隠れ何かエロいことをしようとすると
たちまち察し目の前に現れるようにできているのです。

まさか、彼氏の母親に「貴女の息子の恋人です」とは云えず
「小学校の頃に転校した友達」と自己紹介するしかないソク。

それを聞いて母親は
「(2人は)玉友達ね。」と受け入れます。
玉友達と云う言葉に受ける2人。

へ〜っ。
韓国では幼馴染のことを「玉友達」って云うんですね。
なんて腐女子ホイホイなネーミング…。

ところで、もしソクが普通に女の子だったら
「友達です。」
と、紹介したとしても
額面通り受け取ってはもらえず
「息子の彼女」としてふさわしい人物か
を見極めるため
根掘り葉掘り質問される羽目になるのでしょうか?

それはそれで嫌だなあ。
と思ったりして。

ソクとミンスは母親の目がある手前
したかったことは何一つできず
時間ばかりがどんどん過ぎ去り
とうとう帰りのバスの時間になってしまいます。

ところが、最終バスの運行時間が思いのほか
早い時間に終了してしまったため
間に合わず乗りそこなってしまったソクは
帰るに帰れなくなってしまいます。

宿を探そうにもこの日に限ってどこの旅館も満室。
仕方なく、ミンスの母親の好意に甘えて
一緒の部屋に泊めてもらうことになる2人。

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一緒に枕を並べているのに何もできないとは…。

まんじりともしない夜が明け
翌朝、信心深い母親がホテルの付近で見つけたという
教会に祈りに出かけた隙に2人は
ようやく昨日の夜にしたかったこと(=H)をするのですが、
財布を忘れて取りに来た母親に見られてしまいます。

この母親のアンテナはすこぶる感度良好です。

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異性相手でも気まずいというのに…。しかも朝っぱらから…。

ショックを受けた母親はそれ以降口もきいてくれません。
母一人子一人で育てられ生粋のお母さんっ子のミンスも
これにはかなり落ち込んでしまいます。

落ち込んでいるのは彼らばかりではありません。

行きのバスでソクが乗り合わせた女の子が
4年間も思いを寄せていた彼氏も実はゲイでした。

たまたま前日同じ最終バスに乗り遅れた彼女に
たまたま街で再会したソクは
「自分が男でないことがすごく憎い」
と泣きつかれ

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男にしろ女にしろ恋愛に障害は付き物なのです。

と一緒に泣くしかできませんでした。

数日後、今度は
休暇が取れたミンスの方がソクに逢いに来ました。

母親に自分たちの交際が
認められたわけではありませんでしたが、
認めてもらうまで諦めない覚悟ができたからです。

誰もが同性同士の恋愛に眉を顰めるわけではありません。

ソクが勤めるカフェの女店長は
2人のことを理解して応援してくれます。

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店長役は「サニー 永遠の仲間たち」のコ・スヒ。ナイスキャスティング!

先は見えませんが、
悪い事ばかりが待っているわけではありません。

2人は手に手を取り合って
人通りの多い光化門前の通りを駆け抜け
ミンスの実家に向かいます。
ちゃんと交際を認めてもらうために。

ここで映画はドラァグクイーンメイクの
ダンサーによるエンディングロールに突入。

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ゲイカップルのシリアスな現状を描いていますが、映画は終始こんな明るい感じ。

踊っているのは、映画の主な出演者である4人。
ソクとミンスとバスの女の子と
たぶん女の子が逢いに行った兵士の子。

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金髪はミンス、紫頭がソク。ノリノリで踊っています。

この映画
本編のはじめと終わりにこのように
主題歌が2回流れるのですが、その曲調がモロ韓国。
オヨネーズ「麦畑」を彷彿させるので
日本人の耳になじむこと請け合いですが、
こんな爽やかで可愛いBLストーリーに
こんな曲を持ってくる
キム=ジョ・グァンス監督の類まれなる音楽センス
好きです。癖になります。

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キム=ジョ・グァンス監督。まさに仰る通りの映画です。

コミカルでポップなエンディングの後には
それから数年後の2人の姿が…。

入隊したソクの元に
すでに兵役を終えたミンスが面会に訪れます。

2人がいい雰囲気になったところに
今度はソクの母親が面会に来るところで映画は終わります。

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今度はソクが親を説得する番です。

28分しかない映画ですので
調子に乗って最後までネタばれしてしまいましたが、
特典映像の中で監督が語っている

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上映後の質疑応答の会場にはそれっぽい女性客しかいませんでした。

がこの映画のテーマです。

映画を見る限りは、
同性愛に対する偏見もさほど色濃く出ておらず
世間的には困難である恋愛を
とても明るく描かれていますが、
撮影現場ではそうはいかず
ソク役のイ・ジェフンは
光化門でのキスシーンの撮影現場で
通りがかりの外国人から

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この近距離での撮影です。映画の撮影と判って怒鳴ってきたんですよね?

と怒鳴られたそうです。

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宗教上の理由から怒ってきたそうなので撮影地が日本ならまた違ったかも。

そのあとの撮影秘話に癒されますが

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2人の親も友人も映画出演に協力的だったので余計ショックが大きかったのでしょう。

「バンジージャンプする」
「後悔なんてしない」
「霜花店(サンファジョム)」
「王の男」
「西洋骨董洋菓子店−アンティーク−」
「新しき世界」(…え?)
などの映画を輩出している韓国では
クリスチャンが多いだけに
訪韓している外国人も含め
実際は日本より遥かに偏見が厳しいことが判ります。

様々な理由から同性同士の恋愛を
受け付けることができない人がいらっしゃると思いますが、
キム=ジョ・グァンス監督には
明るくて元気なクィア映画を撮っていただきたいです。

といったところで、本記事は〆ようと思ったのですが
他2本の説明がすっかりお留守になっていました。

「少年、少年に会う」は
タイトルからもお判りのように
「Boy meets boy」なストーリーで
直接的な描写はありません。

バスの車内で、
カメラフィルムのケースを落としてしまう少年と

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このDVDの中ではもっともBLが似合いそうな美少年です。

そのケースを拾い上げた少年が

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韓国でも大人しい少年と不良の組み合わせが求められているのでしょうか?


心を通わせるだけの物語です。

殆ど科白のない映画ですが、
途中でミュージカルが入ります。

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歌っている女の子が適度にブサイクな感じなのがいいです。

だって、キム=ジョ・グァンス監督作品だから。

この作品は評判が良く続編を希望する声が多かったため
撮られたのが「ただの友達?」となったそうです。

この作品ではカメラを通して
2人の少年が知り合うことになるのですが、
同じカメラが「ただの友達?」も
小道具として使われています。

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上の画像でソクが持っているカメラと同じカメラです。

この作品でゲイ差別とは別のお国柄を感じたのは
少年がフィルムケースを返してもらうため
ちょっと席を立っただけなのに
他の人がその座席に断りもなく座ってしまうところ。

それも座席にはまだ少年の荷物が置いてあるのに。

え?韓国ってそういうとこなんですか?

韓国では若者は優先席に坐ることはなく
高齢者はもちろん、幼児にも笑顔で席を譲ることで
有名ですが、
若者がちょっと席を立つとこんな目に遭うんですね。

驚きです。

3本の中では最も新しい作品である「愛は100℃」は
耳が不自由な少年ミンスが、
女の子にはなく同級生の男子に
どうしようもなく惹かれてしまうことに悩みながら
たまたま訪れた銭湯で垢すりの仕事をしている
少年にナンパされ関係を持つというお話。

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異性でさえ脈があるかどうか判らないのにどうして簡単に相手を見つけるのか?

主人公を演じるキム・ドジン(キム・リフ)は
韓国で初の聴覚障害者の映画俳優だそうです。

映画「カウントダウン」で
ダウン症の少年を演じたクォン・ヒョクチュンも
そうですが、
障害のある役どころに対して
真摯に向き合い誤魔化さない韓国の映画界に
素直に感動を覚えます。

この作品は他の作品には見られない
ちょっと際どいシーンがありますので
オススメはできませんが、
明るく元気な面ばかりではないのが
はっきり判る作品になっていますので
DVDでの収録順番に見るととても心に残ります。

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と云っても一番エロティックなシーンは単なる垢すりのシーン。
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