2014/3/28

インテリげんちゃんの、夏やすみ。  MOVIE

本日のDVDは

NHK朝の連続テレビ小説が
「ごちそうさん」から「花子とアン」に
引き継がれるのを記念して

「真夏の方程式」

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です。

今一つ意味が判らない方のために補足いたしますと、
この作品で
「ごちそうさん」のメインヒロイン、杏と
「花子とアン」のメインヒロイン、吉高由里子が
共演しているのです。

つまり、いつ見るか。
今でしょう!

と思い立ったまさにその時
GEOで準新作50円となっていたのでレンタルしてきました。

まあ、拳を握って力説するほどのことでもありませんが…。

ちなみに
杏さん演じるところの本作のヒロイン
川畑成美の幼女時代演じている豊嶋花ちゃんは
「ごちそうさん」でも
ヒロインである卯野め以子の幼女時代を演じています。

どうでもいい豆情報ですね。
 
原作は
今、日本で一番売れている作家と云うか
毎月のように新刊が出版されるので
実は一人の作家の名前ではなく、
複数の作家が共同で使っている名前なんじゃないか?
と、大学時代からの友人がことあるごとに疑いの目を向けている
東野圭吾先生の同名小説です。

中でももっとも人気の高い
帝都大学の物理学准教授、湯川学が活躍する
「ガリレオ」シリーズの第6作目に当たります。

主人公の湯川准教授を演じるのは
これまでシーズン2まで放送されているテレビドラマでも
同役を演じている福山雅治。

元々、佐野史郎をイメージして作られたキャラクターらしいのですが
今やすっかり福山雅治の当たり役となっています。

東野圭吾の小説は何を出してもベストセラーとなるので
市立図書館でも常に貸出し中。
棚には、作家の名前を書いた「東野圭吾」プレートしかなく
肝心の書籍があった試しがありません。

そのため、
「白夜行」「超・殺人事件」「探偵ガリレオ」「容疑者Xの献身」
ぐらいしか読んだことはないのですが、
印象としては30年ほど前の赤川次郎ブームを想起します。

何を読んでも
のめり込むほど好きになる登場人物がおらず
読んでいる時は寸暇を惜しんで一気に読んでしまうのに
最終頁を読み終わるとそれっきり。
しばらくすると、どんな内容だったかコロッと忘れてしまう
そういう印象です。

「ガリレオ」シリーズも湯川准教授を
いくら日本が生んだナイスガイ福山雅治が演じていようと
「好き!」と云う気持ちにはなれないでいました。



この映画を見るまでは…。
 
 



はじまりは1998年の冬。

東京都杉並区荻窪の歩道橋で
40歳の元ホステスが殺され、
その直後に犯人と思しき男が逮捕されます。

新聞の社会面を挟んで深刻な顔つきの母親と娘。

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この事件を長野五輪のラージヒル金メダルと同じくらい大きく扱う朝日新聞。

母親の名前は川畑節子(風吹ジュン)
娘の名前は成美(青木珠菜)。

どこにでもいるごく普通の親子です。

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この娘が成長すると杏になるんですね。判ります。

しかし、この事件をきっかけに2人は
父親である川畑重治(前田吟)にも
云えない秘密を抱えて生きていくことになります。

それから15年後、
川端家は東京を離れ玻璃ヶ浦で旅館(民宿?)を経営。
一家がこの地に来てちょうど15年になります。
29歳になった成美は旅館を手伝う傍ら
玻璃ヶ浦で進められている
海底鉱物資源開発の反対派の一員として
活動する環境活動家に成長していました。

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青木珠菜からの杏と云う成長過程だけでもうこの映画成功したも同然じゃね?

ここで特筆すべきは
アバンタイトルから
玻璃ヶ浦の海中を丁寧に撮影したオープニングクレジット
そこから
現在の川畑一家の穏やかな生活を垣間見せての
電車のパンタグラフの閃光
そしてタイトル
その電車で玻璃ヶ浦に向かう主人公の横顔
と云う流れの美しさ!!!

ドラマ「ガリレオ」はシーズン2の
ほんの2、3話しか見てない私も
この後始まる映画本編に対し俄然期待が高まりました。

さて、2013年の夏
小学4年生の柄崎恭平君(山崎光)は
親の事情からしばらくの間親戚である川畑家に
泊まることになります。

玻璃ヶ浦に向かう電車の中で恭平君は
うっかり親からかかってきた携帯電話に出てしまい
そのことで車内マナーがどうのこうのと
近くにいた頑固爺さんに難癖をつけられ
困っているところを一人の男性に助けられます。

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小学生のピンチをテキパキを片付けさりげなく去っていく湯川教授。かっけー!

その謎の男性に魅了される恭平君。
(でも、車内通話がダメだぞ、恭平君。)

奇しくも男性は川畑家が営む旅館「緑岩荘」の
泊り客でした。

思わぬ再会に恭平君は浮足立ちます。

折を見て何かと話かけてみるもの
大学の偉い物理の先生とか云うその男性は
なかなか取り合ってくれません。

すっかりしょげた恭平君を
重治伯父さんが花火に誘ってくれました。

その翌朝、同じ泊り客だった塚原正次(塩見三省)
と云う元警視庁の刑事さんが
浴衣姿で海に面した堤防の上から
約5m下の岩場に墜落死しているのを発見されます。

「緑岩荘」の窓から現場検証を盗み見し不思議に思う恭平君。

疑問点はこの2つ。

@堤防の上に下駄で登るのは絶対に無理。
A堤防付近は夜には真っ暗になるため散歩なんてできない。

さっそく
朝食中の大学の先生にその理由を尋ねてみますが、
明確な答えはもらえませんでした。

残念(>・<)恭平君。

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恭平君のこの言葉が物理学者である先生の心に火をつけたようです。

しかし、それ以降、
先生は急速に恭平君に対する態度を和らげ
次の日には、
炎天下、町まで歩いて大量の買い物をしてきたかと思うと
部屋に閉じこもり何かを作り始めました。

そして、
海底鉱物資源開発説明会をすっぽかして
恭平君を浜辺に連れ出す先生。

なんと先生は
泳げない恭平君のために200m先の海中を見ることができる
装置を作ってくれたのでした。

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それだけでなく何回も実験を繰り返すことで真理に辿り着くことも教えてくれました。

恭平君は知らぬ存ぜぬなことですが
この先生が子供に対してここまでしてくれることは
滅多にないことなのです。

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携帯電話の画面反射を抑えるため覆い布まで用意済の先生。

それだけでなくその日の夜には
実験が恭平君の「夏休みの自由研究」になるよう
写真とデータを判りやすくまとめてくれる先生。

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湯川准教授が一晩でやってくれました。

その後も一緒に夕食を食べてくれたり
塚原元刑事の事件を一緒に調べてくれたり
何かと恭平君の相手をしてくれるようになります。

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ただのペットボトル実験ではなく後々のことまで考えている湯川准教授。

夕食の席でも理科の実験をして見せてくれる先生を
恭平君はますます尊敬し大好きになっていきます。

ところが、恭平君がある実験を行おうとしたところ
なぜか先生に止められてしまいます。

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このできなかった実験が塚原元刑事が殺されたトリックに関わってきます。

その翌日、重治伯父さんと節子伯母さんが
塚原元刑事の事件で警察に自首し
業務上過失致死と死体遺棄の容疑で勾留されてしまいます。

結果「緑岩荘」は閉められ
恭平君と先生は別のホテルに移動することになります。

しかし、先生が出した事件の真相は
地元警察が初動捜査した事故でもなく
伯父さん夫婦による過失致死でもなく
れっきとした殺人でした。

事件の発端は
15年前に起こったあの殺人事件でした。

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ところで、湯川准教授はいつどの時点で事件の謎を全て解いたのでしょう?

その時の事件と同じく15年後に起きた今回の事件も
「余命少ない仙波のため冤罪の罪滅ぼしも兼ねて
川畑母娘に逢わせてあげたい。」
と云う塚原元刑事の思いも含め
自分以外の誰かを思い遣った結果
不幸にして起こった殺人事件でした。

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何気にこの映画、鏡やガラスの使い方が上手いです。

帰りの電車の中でこの夏休みのことを反芻する恭平君。

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自分の小学生時代になんでこんな大人が近くにいなかったのだろう?

大学の先生に真相を問い詰めるまでもなく
恭平君も薄々気が付いているのです。

真実を知りたい気持ちもありますが、
明らかになるのも怖いのです。

そんな恭平君を慮り
「ある人物の人生が捻じ曲げられる」を防ぐため
大学の先生も
警視庁から派遣された女の刑事さんも
伯父さんも伯母さんも従姉のお姉さんも
真実を胸の内に仕舞い込みます。

そして、真実が伏せられたまま
2013年の夏が終わります。



……。

民間人の大学准教授はそれで良いかもしれませんが、
警視庁の岸谷美砂(吉高由里子)警部補は
真相を知った以上そのままにしておいてはアカンのでは?

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今回いつもの決めポーズは湯川准教授ではなく岸谷刑事が披露します。

岸谷警部補を派遣した草薙刑事を始め
警視庁の方々も仙波が冤罪だったことに気が付いているようですし
そこから崩していけば、近いうちに真相は暴かれるのでは?

東野圭吾の非刑事を主人公としたミステリーでは
「警察の初動捜査は杜撰で間違っている」
が付き物のような気がするので
この映画での警察のお粗末さも仕方ないのかもしれませんが、
日本警察がこんな方々ばかりで構成されているか
と思うと心配になります。

15年前の事件で仙波が犯人と確定されたのは

@被害者と揉めていた(金銭関係?)
A捜査員が仙波のアパートを訪ねたところ逃走した
B凶器の包丁を所持していた
C犯行を自白した

この程度で容疑が固まっても
某警視庁特命係係長がいれば
「おやおや。妙ですねぇ……。」
とか云って再捜査しそうなものですが、
東野圭吾の警察はそこまでしてくれないようです。

最終的に塚原元刑事の事件も
一酸化炭素中毒で亡くなった場合の臨床実験に
成功していないようなのでどう事件は処理されるのでしょうか?

湯川准教授は披露した推理通りなら、
あくまで業務上過失致死として終わらせないと、
真相が暴露し事件にかかわったすべての人の思いやりが
無に帰してしまうのですが…。


それにしても
今回テレビドラマと比較すると
小学生の「夏休みの自由研究」の手助けをする一方
自ら進んで事件に頭を突っ込むなど
いろいろらしからぬ姿を見せた湯川准教授。

その反動からか
海底鉱物資源開発の説明会にアドバイザーとして
玻璃ヶ浦を訪れたというのに
本来の仕事の方はことごとく手を抜いています。

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説明会にはこの遅刻した1回しか参加していないであろう湯川准教授。

電磁探査のアドバイザーとして呼ばれているだけなので
説明会に出る必要もないのでしょうが…。

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ここで云う選択はゼロか100ではなくお互いを理解しベストな道を選ぶこと。
それは成美や恭平君の人生のことでもあり私たちのことでもあります。


これだけ平然とバックレられると
企業の方もわざわざ現地に招待した甲斐がありません。
助手の栗林君(渡辺いっけい)で事足りたのではないでしょうか?

湯川准教授が普段らしからぬなのはそれだけではなく
決め科白である
「実に面白い」
「実に興味深い」
「さっぱり分からない」
も一切使用されず
「真夏の方程式」と云うタイトルでありながら
所構わずチョークで数式を描く独特の推理スタイルも
一蹴され、テレビドラマ版とは一線を引いた作品となっております。

それだけに
エンドロールの最後にいつものテーマ曲が
流れたときにはほっとすると同時に
テンションあがります。

映画としても好きな映像が多く

「ガリレオシリーズを見るのはこの映画が始めて」
と云う方にはちょっと判りにくいとは思われますが、

湯川准教授が小学生の恭平君にいろいろ質問詰めにあった後
恭平君が立ち去ったのを見計らって浴衣の袖をまくるところ

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この時点では湯川准教授のこの動作が何を意味するか特に語られません。

が上手いですね。

これは後ほどそのしぐさが何だったのか岸谷刑事が
差し障りのないセリフで説明してくれますが

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まあ、岸谷さんがいちいち種明かししなくてもドラマを見ている人は知っていますがね。

敢えてそのシーンでは何の説明もされていません。

昨今、状況を映像でなく
わざわざ俳優が台詞で説明する日本映画が
増え、それに対する批難も少なからずあることを受けてか
本作はかなり科白に関して気を遣っているようです。 

中でも真相が明らかとなり
取調室のマジックミラー越しに川畑父娘が涙するところは
殆ど余計な科白を入れず映像だけで魅せてくれます。

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ここは何度見てももらい泣く。

それ以上に好きなのは
エンディングクレジットにも再流用されたこの
携帯電話の画面を見やすくするために湯川准教授が
恭平君の体に暗幕をかけるシーン。

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些細なことですが、湯川准教授の恭平君に対する思いが込められていて泣けます。

小学生の夏休みは6回
大学まで(順調に)進学しても16回。

その16回のうちにこんな素敵な夏休みを過ごすことができる
子供がどれだけいるのでしょうか?

少なくとも私はこんな思い出はありません。

てっきり沖縄か南の方の話かと思っていたのですが、
ロケ地は愛媛県松山市高浜町だそうです。

それでも、男の子とは云え小学生4年生が
一人で遊びに来る距離としてはかなりありますね。

この往復の移動だけでも十分冒険と云えるのに
おそらくは一生忘れることができない大人と出会うことなった
夏休み。

毎年夏になったら見たい映画が増えました。

 
 


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