2014/3/15

「大人になれ」の先にあるもの  MOVIE

本日のDVDは

本年度第34回ゴールデンラズベリー賞で9部門で
ノミネートされておきながらまったく相手にされなかった

「アダルトボーイズ 遊遊白書」

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です。

日本では例によって例のごとく
DVDスルーされました。

「遊遊白書」などと云うふざけた副題をつけた
DVD販売元
ソニー・ピクチャーズエンタテインメントによる
この映画の惹句は
「コメディーセンス抜群の安定感に、
ただ笑って過ごせる100分間!」


うん…まあ、そうでしょうね。
丸一日頭を捻ったところで
そういう言葉しか思い浮かばなかったんですね
判ります。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが
用意したあらすじも実に簡潔にまとまっています。


家族や友人たちと穏やかな生活を送るため、生まれ育った田舎に戻ってきたレニー(アダム・サンドラー)。

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どれだけ田舎と云うと夜中ドアに鍵をかけておかないと寝室に鹿が侵入するレベル。

そんなある日、幼なじみのカート(クリス・ロック)から「高校の時のようにハチャメチャなパーティをやろうぜ!」ともちかけられ、親友のエリック(ケヴィン・ジェームズ)やマーカス(デヴィッド・スペード)らに声をかける。かくして’80年代にタイムスリップした大仮想パーティを開催するが、そこに突然、地元ブランズ大学の学生が殴り込みにやってきた。かねてから“遊び場”の縄張り争いで彼らと対立してたレニーたちは怒り心頭!両者にらみ合いの末、パーティは一転、大乱闘の場となる!



前作「アダルトボーイズ 青春白書」で
中学時代のバスケットコーチの葬式に参列するため
故郷に帰り当時のチームメイトを再会し

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残念ながら「遊遊白書」ではロブ・シュナイダーが降板しています。

彼らと彼らの家族とひと夏過ごすことで
自らの人生や家族との生活を見直した
売れっ子タレントエージェントのレニーでしたが、
本作では、本格的に故郷に居を移して
気の置けない昔馴染みとの地元ライフを満喫中。


前作がどういう映画かどこよりも判りやすく説明している映像。

前作が「夏休み映画」ならば
本作は「日常系映画」です。

どちらも共通して云えるのは
「結婚して子供がいても
まともな仕事に就いて税金も保険料も毎月納めて
家族を養っても大人になれないもんはなれんのじゃ。」
な映画だと云うこと。

ここ数年、特にアメリカのコメディ映画で
好んで取り上げられているテーマのひとつに
「大人になれない大人」があります。(映画評論家町山智浩氏談)

この場合の「大人になれない大人」というのは
仕事に対する姿勢が中途半端、責任感に欠け
特に将来の展望もなく、
共通の趣味の友人やいつもつるんでいる親友はいても
伴侶どころか恋人もない
もしくは恋人がいても
いまのところ結婚する気のないいい加減な人物のことです。

この映画でそれに当てはまるのは
手荒り次第に目に入った女性をナンパする
マーカスぐらいで後のメンバーは数年来の妻子持ち。

家族に不自由させないくらいの収入を確保しており
夫婦仲も良好、子供たちも成績はともかく
かなり「いい子」として育っています。

しかも主人公のレニーに至っては
ハリウッドで成功した町一番のセレブです。

でも、小学生並みの下ネタ大好き。
くだらないいたずら大好き。
いい年した大人がプールでおしっこだってしちゃいます。

怖い奥さんの顔色を覗いつつも
隙あらば、仲間で集まって童心に返りやりたい放題。

40代も半ばを過ぎると
下手に人間ができてしまっているので
その姿勢は最後まで揺るぎません。

他のアメリカコメディ映画が
「大人になれない大人」にいくばくかの試練を与え
ちゃんとした大人になるよう促してきたのに対して
この映画では登場人物のほとんどが
「大人になれ?もう大人だよ!それが悪いか。」
と、舌出しているのです。

レニーもエリックもカートもマーカスも
この作品のなかで大きく成長するなんてことはありません。
だって、もう大人なんだもん。

この4人どころか、レニーに係わるこの町の住人が
みんなそんな感じ。

本作では舞台を本格的に地元に移したためか
そんなお気楽な登場人物が一気に増えた感じが否めません。

まあ、前作から2年近く時が経っていますので
登場人間が一気に増えたように見えるのは気のせいかと思いつつ、
wikipediaで確認すると

前作「青春白書」のキャスト欄が
レニー:アダム・サンドラー
エリック:ケヴィン・ジェームズ
カート:クリス・ロック
サリー:マリア・ベロ
マーカス:デヴィッド・スペード
ロクサーヌ:サルマ・ハエック
ロブ:ロブ・シュナイダー
の7名だったの対して

本作「遊遊白書」では
レニー・フェダー - アダム・サンドラー
エリック・ラモンソフ - ケヴィン・ジェームズ
カート・マッケンジー - クリス・ロック
マーカス・ヒギンズ - デヴィッド・スペード
ニック・ヒリアード - ニック・スウォードソン
ロクサーヌ・フェダー - サルマ・ハエック
サリー・ラモンソフ - マリア・ベロ
ディアン・マッケンジー - マーヤ・ルドルフ
ブレーデン・ヒギンズ - アレクサンダー・ルドウィグ
ウィリー - スティーヴ・ブシェミ
マルコム・フルズィー - ティム・メドウス
ロビドークス - ジョナサン・ローラン
Muzby - ケヴィン・グラディ
Tardio - リッチー・ミネルヴィーニ
Jackie Tardio - ジャッキー・サンドラー
サヴァンナ - アリソン・ミシェルカ
デニス・"トミー"・キャバノー - スティーブ・オースチン
Officer Fluzoo - シャキール・オニール
男性チアリーダー - アンディ・サムバーグ
グレッグ・フェダー - ジェイク・ゴールドバーグ
キース・フェダー - キャメロン・ボイス
ベッキー・フェダー - アレクシス・ニコール・サンチェス
ドナ・ラモンソフ - エイダ=ニコル・サンガー
ビーン・ラモンソフ - フランク・ジンジャーリッチ
ラモンソフ夫人 - ジョージア・エンジェル
アンドレ・マッケンジー - Nadji Jeter
シャーロット・マッケンジー - チャイナ・アン・マクレーン
ロニー・マッケンジー - Kaleo Elem
Frat Boy Andy - テイラー・ロートナー
Frat Boy Milo - マイロ・ヴィンティミリア
Frat Boy Cooper - パトリック・シュワルツェネッガー
Frat Boy Zac - デヴィッド・ヘンリー
Frat Boy Jimmy - ジミー・タトロ
Frat Boy Jared - ジャレッド・サンドラー
カイル - オリヴァー・ハドソン
Hot Dance Teacher - エイプリル・ローズ
Hippie Teacher - アレン・コヴァート
女性チアリダー - エリン・ヘザートン
男性チアリーダー - タラン・キラム
男性チアリーダー - ボビー・モイニハン
男性チアリーダー - ウィル・フォーテ
男性チアリーダー - ポール・ブリッテン
男性チアリーダー - ヨーマ・タコンヌ
男性チアリーダー - アキヴァ・シェイファー
Nancy Arbuckle - ハルストン・セイジ
ペニー - チェリ・オテリ
マリー・フルズィー - エレン・クレッグホーン
Officer Dante - ピーター・ダンテ
Dickie Bailey - コリン・クイン
Squats Fitness Janitor - ジョン・ロヴィッツ
The Great Rinaldo - クリス・バーマン
ダフィ - アレックス・ポンシオ
キティ - クリス・ミュレル
Gym Teacher - ダン・パトリック
フットボールのコーチ - マイケル・ケイ

の55名。

倍増どころではありません。

おかげさまで
登場人物を目で追うだけでぐったりなってしまいます。

そのなかでひときわ目に惹くのが
マーカスが若き日に一夏過ごしただけの
名前も顔も碌に覚えていない女性から
いきなり電話で「あなたの子供よ。」と、告げられ
突如送り込まれた息子のブレイデン君。

電話を受けてマーカスがしぶしぶ
一度も逢ったことのない我が息子を
最寄りの駅まで迎えに行ったら
両腕にびっしりいたずらがきをした青年が
降りてくるではありませんか。

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身長は188cmあります。マーカスは170cmなのでその差18cm。

てっきりもっと小さな子供が来ると思っていたので
すっかり萎縮してしまう、マーカス。

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それでも同じヘアースタイルにチェックのシャツと云うところが親子。

恐る恐るプレゼントに用意したクマのぬいぐるみを
渡したところ、愛用の飛び出しナイフで
クマちゃんの首と胴体を泣き別れ。

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え〜っ……。

まあ、シャツの袖千切っちゃってるような息子さんですしね。

息子の蛮行を目の当たりにし怖気づいたマーカスは
「炊き出しのボランティアがあるから」
と、苦しい云い訳をしてろくろく会話もしないうちに
ブレイデンを学校に追いやってしまいます。

しかし、その嘘はその日のお昼までには
あっけなくばれてしまい

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始めて逢う父親に騙されて怒り心頭なのであります。

ブチ切れたブレイデンは腹いせに
父親と友人たちが使っている車のタイヤを4つとも
愛用ナイフで切り裂いてしまいます。

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これが原因でマーカスに更なる不幸が降りかかります。

その一方で
川遊びに来た父親とその仲間を些細ないざこざの末
無理やり全裸で湖に飛び込ませた

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水面下は全裸です。初対面から息子にひとつもいいところを見せない父親です。

生意気盛りの地元大学の学生たちにも
報復するブレイデン。
大学生の集う学生会館でひと暴れ。

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これを一人でやりました。


そのことで警察に迷惑行為で逮捕されてしまいます。

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逮捕されたことより父親に騙されたことの怒りで半泣きになりながら身を震わせる息子。

マーカスの方も怖いとは云え
息子から逃げてばかりはいられないので
警察から戻ってきたブレイデンに対して

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これのことかしら?

と提案。
はじめて自分から歩み寄ってきた父親に対して
ブレイデンは

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めちゃめちゃ嬉しそう。

とびきりの笑顔を見せるのでした。

って…あれ?なんか可愛いぞ、この息子。

その後、カートの30回目の結婚記念日にかこつけ
レニーの豪邸で開かれるホームパーティー
(ホームというレベルのパーティーじゃない!)
に父子で参加することになり
パーティーのテーマ「80年代」に合わせ
ホール&オーツのコスプレをマーカスが提案すると

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あ〜、この世代の子はホール&オーツなんて知らない世代なんですね。

めっちゃ乗り気。

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なのに意外なほど食いつきを見せる現役高校生の息子。

もうノリノリ。

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パーティではダリル・ホールのコスプレで子守。何?凄いいい子じゃん!

ブレイデンをはじめ、とにかく嫌な奴はいても
心底性根の腐った奴なんてこの映画には存在しません。

他にも魅力的な住民が多すぎちゃって
一度見ただけでは整理がつかないくらいです。

小さな子供たちのかわいらしさはもちろんのこと

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前作では4歳で母乳を飲んでいたビーン君。相変わらず可愛い。

マーカスの今カノも

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これがブレイデン君のもう一人の母親になるのか…。

まだまだ女を捨てていないレニーたちの奥方軍団も

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夫がいようがいまいがイイ男を前にすると色めき立つ主婦たち。

その彼女たちが通うジムに新しく赴任した
ゲイのインストラクターも

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関根麻里ちゃんが「米国のいい男は全部ゲイ」と云ってますが、多分本当。

高校の頃、レニーを顎でこき使っていた
今回の悪役(?)キャバナーも

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実はできた男。こりゃ、婚約者(巨乳)も惚れ直すわ。

素晴らしい個性の持ち主たちなのです。

もちろん、彼らは氷山の一角に過ぎず
実際はこの何倍もの数の個性的なキャラクターが
登場します。

101分の上映時間内に
これだけ多種多様の人物を詰め込みながら
それぞれにちゃんと見せ場が用意されているのには
正直驚かされます。

主人公レニーにとっては
朝、目覚めたら野生の鹿が夫婦の寝室に入り込んでおり
なんとか家族総出で鹿を追い払い、
酩酊中の友人の代わりに通学バスを運転して
身体の大きい同級生から
いじめにあっていると思しき次男を学校に送った後、
カートの結婚記念日を自宅で盛大に祝うため
そのままスクールバスで他の友人連中を集め
スーパーマーケットに買い出し。
その勢いで娘のバレエ発表会を友人ともども参観。
長男のアルバイト先に挨拶に行った帰りに
子供の頃泳いだ川まで道草したところ
川べりでバーベーキュー中の大学生たちに体よく追い払われ
這う這うの体で逃げてきたら車がパンク。
修理しているうちにふざけていたマーカスが
巨大タイヤの中に入って町中を暴走。
それが片付いて友人とはいったん別れ、次男とアメフトの練習。
ところが、レニーのミスで次男が足を骨折してしまい病院へ。
病院で駆けつけた妻のロクサーヌにこってり叱られ帰宅し、
遅めの昼食をとった後はパーティー用食料の買い出し。
パーティー開始直前、なぜかこの日に限って朝から
「もう一人子供が欲しくない?」
としつこく訴えていたロクサーヌの妊娠が発覚。
そして、パーティ。
途中からは学生会館を滅茶苦茶にされた大学生との乱闘騒ぎ。
でも、パーティの間に
次男のいじめも
長男の片思いも
妻の「もう一人子供が欲しいの」問題も
全て解決してめでたしめでたし。

これだけのエピソードをブチ込んでも
夏休み前日(1学期終業日)の朝から晩までの
たった20時間ほどで起こった出来事なんですよ、これ。

それがちゃんと1つの話としてまとまっているのは
並大抵なことじゃありません。

パーティーシーンでは
それぞれ80年代を連想させるコスプレを披露してくれるので
その元ネタを楽しむこともできます。

「ゲックシャブー」に代表される下ネタは健在とは云え
ラジー賞で無冠なのも納得。

そんなに悪くないですよ、この映画。

「大人になれ」と云われ続けそれなりに頑張ってみたものの
「大人になれない大人」が行き着く
究極の「大人」の姿がこれなのかもしれません。

呼び出しを掛ければ数分で集まるような
気心の知れた友人に囲まれ
近所の住人をはじめ町の人はみんな親切で
愛する妻は、人生の折り返し地点を過ぎてからの
コスプレパーティーに眉を顰めるどころか
ノリノリで参加し多少のことはたいがい大目に見てくれ
子供たちはこぞって「パパ大好き」。

地元の大学生はそんな中年男たちを見て
「ここの住民は川で遊びはじめる8歳の時から
何も変わらないぼんくら野郎ばかりだ。」
と揶揄しますが、世のおとうさんは
こういう家庭を持ちたいのではないでしょうか?

レニー邸でパーティーを開くきっかけに
「夫が結婚記念日を覚えていて前もって
アニバーサリープレゼントを用意していたのに
妻の方はすっかり忘れていて
そのため妻は夫に頭が上がらなくなってしまう」
というエピソードを使っていますが、
これなんて
何かあれば記念日を強要していくる彼女や奥さんを
どうにしてやり込めたい男性にとっては夢のような話ですよね。

私が結婚してかもしれませんが、
いやあ、面白かったです。

レニーだけでなくエリックやカート、マーカスの
家族の行く末が気になるので
できればラジー賞に負けず
この後もシリーズとして続いてほしいくらいです。
 
 
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