2014/2/15

海が見たい人を愛したい怪獣にも心があるのさ  MOVIE

本日の映画は
昨年散々レビューし尽されて
今更私なんぞの入る隙間もないと思われる

映画ファン限定なら
2、3回は優に超えてリピートしているはずですから
興行成績は2013年No.1
真の2013年度ベスト1映画

「パシフィック・リム」

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直訳すると「環太平洋地域」。え?そんなお堅いタイトルなの?

です。

この映画を観賞するにあたって
下記の2つの単語さえ理解しておけば
だいたい後は何も考えず
ただ流れに身を任せ楽しむだけでOK。

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日本語はともかくなぜドイツ語。しかも意味は狩人。

今更説明するまでもありませんが、
太平洋の海底から次々と現れる巨大怪獣(カイジュー)に
2人で1組の兵士が操縦する巨大ロボット(イェーガー)が
ガチでぶつかり合うだけの巨大ロボットアニメ映画ですので
一応レイディングは全年齢対象とは云うものの、
今まさに子供時代を謳歌している世代より
むしろかつて
無骨なロボットアニメや怪獣映画に熱狂した世代が
より楽しめる仕様となっております。

それでもついていけるか心配な人のためにはこの映画における
必要最低限知っておくべき世界観については
冒頭3分39秒で
主人公兼ナレーターがまるっと説明してくれます。

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我が大日本帝国がアニメでしかできなかった世界が実写化されているよ、お母さん!

ナレーションとともに畳み掛けるように
流れるニュース映像に
映画開始5分で完全に心奪われてしまうこと保証付き。

「日本の漫画、ロボット、怪獣映画の伝統を尊重している。」
と、本作の監督であるギレルモ・デル・トロ監督に
ここまで云わしめておきながら
日本で同じ設定、同じ製作費で撮影したところで
間違いなく散々な出来に仕上がってただろうことは
これまでの実写映画化を振り返るまでもなく
思い知らされている日本の映画好きにとっては
嬉しくも残酷な映画です。

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日本が本気を出すとこうなります。これじゃ町工場でロケット作るようなもんだ。



そもそも主人公が筋肉隆々な白人と云うだけで
日本人にとっては付加価値がつき
映画らしい映画になるのです。

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主人公のローリー・ベケットと兄ヤンシー。裸でじゃれ合うほど仲がいい。

この見目麗しい金髪碧眼兄弟が乗り込むのは
アメリカ産イェーガー「ジプシー・デンジャー」です。

イェーガーは怪獣迎撃用の巨人兵器で
パイロットは「ドリフト」という自身の脳神経とマシンを
接続する方法で操縦します。

全長は約80m。
ウルトラマンの身長40mですので約2倍の大きさです。

それだけにこのイェーガーと云うのが食わせ物で
開発当初はパイロット1名だけで操縦していたのですが、
脳神経への負荷が大きすぎた為
パイロットは出撃の度に鼻血ブー状態。

「これではあかんわ。」となり、
今ではパイロットを2名に増やしそれぞれが
右脳と左脳の役割を分担して動かしてます。
(パイロットが3名の機体もありますが
余った一人は哨戒という役目を担っています。)

起動の際、パイロット2名の意識と記憶を同調させる
「ニューラル・ハンドシェイク」を行い
イェーガーに接続する「ドリフト」するため
パイロット同士は近親者もしくは夫婦が望ましいとされているのが
ミソです。

いやいや、上手いことを思いついたものです。

主人公のローリーは兄とともに戦っていますし
他の国のパイロットも兄弟、親子、夫婦コンビで
統一されています。

黒歴史と呼ばれる記憶まで相手に筒抜けになるのですから
パートナーはよほど慎重に選ばなくてはなりません。

心を許した相手だけがパートナー。

これって「萌え」の宝庫じゃないですか。

私のような「兄弟萌え」に
美味しい設定を持ってきますな、デル・トロ監督。

ただし、後半パイロット候補の数が少なくなってくると
この親族縛りはあっけなく崩れ落ちてしまいますけどね。

おそらくは
「巨大ロボットが巨大怪獣と戦う映画が撮りたい!」
そんな勢いだけで嬉声を雄叫びながら
カメラを回しているような潔い映画ですので
多少の粗は気にしていないのでしょう。

作る方もですが、見る方もその興奮の渦に巻き込まれて
周りが見えていないので些細なことは気になりません。

「あなただけしか見えない」状態で
映画を見ているものですから
ジプシー・デンジャーが出動する際の天候が
横殴りの雨というだけで
「監督判ってるね〜。」と思えてくるのです。

「やっぱりここは雨だよ雨。」
なんて腕組みしながらDVDモニターの前で
深く首肯いたりするのです。

バカですね〜。

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おかげでDVDで見ると画面が暗くてよく見えないのです。

さらには使い込み具合の判る塗料の剥がれ具合にまで
「監督判ってるね〜。」です。

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これが日本映画なら塗装したてのようなスーツにするに違いありません。

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そうそう。こんな感じで新品同様に……え?

ヘッドポッド(コックピット)はというと、
おやおや、こちらは
見慣れた座席タイプではないのですね。

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これが日本映画ならどっしり腰を下ろして戦うに違いない。

合理的に考えると、
シートに座って手ぎわよく戦えるわけがないので
このようなスタンドタイプの方は戦闘向きであるのは
自明の理なのに
どうして日本のロボットは
フォークリフトみたいな操縦席ばかりなのでしょう?

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たぶんこれのせい。なんだこの無防備なコックピットは?!

監督判ってるね〜。

ここまで徹底的にツボを付かれてしまうと
最終的に負け戦だった序盤戦だけで

「この映画の公開後に
なぜ『進撃の巨人』を自前で実写映画化などという
大それた企画を思いたったのか、日本?!」

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「進撃の巨人」を彷彿させる壁破壊シーン。

と云う思いが沸き起こるのを止められませんでした。

このようにVFXに製作費の大半を取られたのか
キャストには思ったほどお金がかかっていない様子。

イェーガーは各国で開発されているという設定だけに
キャストに様々な国の俳優女優を集めた割には
見覚えあるのが
菊池凜子と芦田愛菜、そしてロン・パールマン

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あれっ?と思う間に出てきて一瞬にして消えるロン・パールマン。

ぐらいです。

特に主人公のローリー役のチャーリー・ハナムと
彼とライバル関係となる
チャック・ハンセン役のロバート・カジンスキーなんて
始めてお目にかかる俳優である上に
体格も髪型も似ているため
うっかりしているとどっちがどっちか判らんようになります。

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ノーパソのDVD画面じゃ小さすぎて余計に判らん。

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見分けるときは服の色で見分けていました。

この2人が極端に似て見えるのは
日本のアニメの絵が意外と
キャラクターの描き分けができていないということの
オマージュなんですかね?

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描き分けのできていない一例。

そうそう、スタッカー・ペントコスト司令官役の
イドリス・エルバが
マイティ・ソー」のヘイムダル
そして
ゴーストライダー2」のモロー神父だということは
wikipediaを読んで初めて知りました。

今もっとも飛ぶ鳥を落とす勢いの黒人俳優なのに…。

単に私に人の顔を見分ける能力が欠けているだけだったようです。

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むしろこの映画は脇役の方がキャラが立っています。その代表格の御三人。

さて、映画も中盤に差し掛かり
これまでにない破壊力をもつ
カテゴリー4クラスの怪獣が出現し
これらの怪獣を前に次々敗れ去る各国のイェーガー。

こういうピンチが
ストーリーの盛り上がりには不可欠なのです。

中国人ウェイ・タン3兄弟が乗り込む
「クリムゾン・タイフーン」

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必殺技雷雲旋風拳がどういう技か判らないうちに破壊された「クリムゾン・タイフーン」。

最古参であるロシア出身のカイダノフスキー夫婦が乗り込む
「チェルノ・アルファ」

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怪獣2体に嬲り壊されたチェルノ。

は2体同時に香港に出現した過去最大級・カテゴリー4の怪獣
「オオタチ」と「レザーバック」に敗れ去ります。

ちょっとした顔見世程度で
使い捨てられるウェイ・タン3兄弟と
カイダノフスキー夫婦。

主人公コンビより弄りがいのありそうな
キャラクターだったのに…。

しかし、上映時間は2時間10分しかなく
巨額とは云え1億9千ドルの製作費では
各イェーガーとそのパイロットのサブストーリーまでは
描ききれなかったようで
サクサクと海の藻屑となっていくユーラシア大陸出身パイロット。

とうとう最後に残ったイェーガーは
ローリーと新人パイロット森マコの「ジプシー・デンジャー」と
百戦錬磨を誇る父スコット息子チャックの
ハンセン親子が操縦する「ストライカー・エウレカ」
2体のみとなってしまいます。

しかも先の香港戦でスコットが負傷したため
急遽代わりにペントコスト司令官が
昔取った杵柄で「ストライカー・エウレカ」に乗り込むことに…。

もう近親者がどうとか云ってられないところにまで
追い詰められている人類。

でも、赤の他人同士でどう「ドリフト」するの?
と云う心配はご無用。

ペントコスト司令官は
「心を無にするから大丈夫!!」なんて
禅僧みたいなことを云って乗り込む気満々です。

いよいよ最終決戦。

怪獣が侵入してくる海溝の裂け目に
爆弾を投げ込む役割を担っている
「ストライカー・エウレカ」と
その援護を一手に任された
「ジプシー・デンジャー」は
カテゴリー4の怪獣「ライジュウ」「スカナー」
そして人類未体験のカテゴリー5の「スラターン」
との戦いを余儀なくさせられます。

ところが、「ジプシー・デンジャー」が
「ライジュウ」にかかりっきりだったため
2体を相手にすることになった
最強イェーガー「ストライカー・エウレカ」は
後のことを「ジプシー・デンジャー」に託し
「スカナー」「スラターン」を道連れに自爆。

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そのための爆弾じゃなかったのに…。

そのために余儀なく計画変更。

デコボコ博士コンビの
ニュートン・ガイズラー(チャーリー・デイ)と
ハーマン・ゴットリーブ(バーン・ゴーマン)の活躍で
海溝の裂け目に入るには怪獣の引率が必要不可欠と判り
生き残った「スラターン」にしがみつき敵地に赴く
「ジプシー・デンジャー」。

ここから未知の領域です。
何が起こるか判りません。

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敵地の奥深く迄侵入してイェーガーもろとも原子爆弾を爆破する予定です。


「ライジュウ」に左腕をもぎ取られ「ジプシー・デンジャー」
はもはや死屍累々。

本来は「ストライカー・エウレカ」を補佐する立場だったのに
自らの生命を犠牲にして人類を護らなければならなくなった
ローリーとマコ。

と、いきなりローリーの口から意外な言葉が。

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え?

パイロット近親者主義を覆したかと思ったら
ここに来てパイロット複数主義も形骸化ですか?

それもそのはず、ここまで来たら
原子力で動く「ジプシー・デンジャー」はロボットではなく
ただの原爆にすぎません。
操縦する必要はもうないのです。

身体から操縦桿を取り外すと
てきぱきと作業を進め、マコを脱出させるローリー。

なんとこの機体には脱出ポッドが搭載されていたのです。

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日本のアニメでもおなじみのこういう奴です。

イェーガーの胎内に
脱出ポッドがあったのには驚かされましたが、
まずはパートナーの命を優先したローリーの男気は立派です。

いよいよ爆破まで19秒。

ここで徐に自分の脱出ポッドを用意するローリー。

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お前の分もあるんかい!!!

間一髪で脱出成功!

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作戦も成功しにっこり微笑みあうローリーとマコ。

…ってちょっ、待てや、こらぁ!
何、2人ともちゃっかり助かっちゃってんの?

よぉなんなんだよそれ
もうやんなっちゃうよEveryday

しかし、イェーガーの活躍をレーダーと通信でしか
確認できなかった司令塔内でも
作戦成功と判るや、お祭り騒ぎとなっています。

それはそうです。
長年苦しめられた怪獣との戦いに終止符を打てたのですから。

しかし、司令官(代理)のハーク・ハンセンだけは
素直に喜べません。

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作戦が成功に終わったのにこの表情。


それはそうです。
本来ならばここで人類を救ったヒーローとなっているのは
我が息子のはずだったのです。

補佐に入った「ジプシー・デンジャー」に脱出ポッドが
積んであるくらいです。
本命の「ストライカー・エウレカ」にも
積んでいないわけがありません。

「ジプシー・デンジャー」でローリーが行なったように
自爆作業が一人でも操作できるのなら
ペントコストの奴も俺の息子だけでも脱出ポッドで逃がせよ。
と、愚痴の一つでもこぼしたいのに違いありません。

例え、息子のチャックが自らの死を覚悟して
出撃しているとしても

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死亡フラグを立てまくって出撃していく息子。

父親の身からしてみれば

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ここまで頼んだのにせめて息子だけでも脱出ポッドで逃がせよ。

って念を押して預けただけなんだから返せよ。
と、亡くなったペントコスト司令官に訴えたいはずです。

そんな「親の心子知らず」とばかりに
おでこをくっつけただけでお互いの生還を喜び合う2人。

なんと爽やかな…。

日本映画ならここでここぞとばかりに
おもむろにキスとかさせるんでしょうね。

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できれば今後もこの恋人未満の関係を継続してもらいたいものです。


現在(2013年10月)、ギレルモ・デル・トロ監督は
「パシフィック・リム2」の脚本を執筆中とのことですが
これ1作で完成されているのですから
どうなることやら…。
 


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