2014/2/5

そんなシークに騙されて  MOVIE

シークという言葉を皆さんはお聞きになったことがあるでしょうか?

アラビア語で長老・族長などを意味する
シャイフの英語風読み方であるこの「シーク」。

普段使い道のない言葉ですが、
ある世界においては空前絶後の人気を博しております。

それは米国。
なかでも上質な大人の女性の読み物
「ハーレクインロマンス」の世界では
もう引く手あまたの人気っぷりなのです。

その人気たるや
こちらのページを見ていただければ一目瞭然。
米国の金髪美女たちはどいつもこいつも
黒髪で浅黒い皮膚をもつシークに誘惑されたがっているのです。

また、世界最大のネット書籍通販サイトamazon.com(日本版)でも
「シーク」を検索すると出るわ出るわ。

「シークにさらわれて」
「シークに買われた花嫁」
「シークのいざなう夜に」
「シークと砂漠の白い騎士」
「シークと偽りの花嫁」
「誘惑のシーク」
「シークと摩天楼の薔薇」
「シークの国のシンデレラ」
「シークと純真な秘書」
「愛に惑うシーク」
「恋するシーク」
「孤独なシーク」
「シークとの一夜」
「シークの選択」
「シークの略奪愛」
「シークの愛人」
「夜ごとのシーク」
「シークと砂漠の薔薇」
「シークの秘策」
「シークに買われた花嫁」
「シークの拒絶」
「シークと陽光の楽園」
「シークと結ぶ初恋」
「悩めるシーク」
「シークと青い瞳の花嫁」
「シークに娶られて」
「シークと令嬢」
「傲慢シークの誘惑」
「シークと結婚!」
「シークは恋を知らない」
「シークの妻に望まれて」
「黄金のシークと囚われの花嫁」
「シークが恋人?」
「シークの略奪愛」
「シークと婚約?」
「シークと禁断の美酒 」
「シークの国のシンデレラ」
「シークを愛したら」
「暗闇のシーク」
「砂漠のシークと桜の姫君」
「狙われたシーク」
「シーク―灼熱の恋」
「シークと乙女」
「シークと結ぶ初恋」
「シークに魅せられて」
「シークとどこまでも」
「傲慢シークにご用心」
「シークと偽りの花嫁」
「シークの胸は愛のオアシス」
「シークと運命の花嫁」
「シークと純真な秘書」
「情熱のシーク」

「いつか王子様が…」を夢見る女性の妄想の宝庫となっています。
しかもこれでごく一部に過ぎないのです。
ここに紹介したのはタイトルに「シーク」が使われているものだけ。
それでさえ全体の3分の1も紹介しきれていないのです。

誘惑したと思えば
愛に惑ったり、悩んだり
選択したり拒絶したり
毎日大忙しのシークです。

なかには
「シークのSはサドのS」なるBLコミックスまであるのです。
(流石にこれは日本の作品ですが)

私自身はロマンスからほど遠い人生を歩んでおりますので
ハーレクインなる分野の小説およびコミックス
を読んだことはございません。

そんな私の勝手なイメージとしましては

傲慢で愛を知らないシークが
自由奔放に生きるアメリカ人女性と知り合うことで
文化や身分、風習の違いからいがみ合いながらも
真の愛を知り紆余曲折の末2人は身も心も結ばれる

が定番のストーリー。

どれほどの米国人女性が
シークに抱かれたがっているというのでしょう?
どれほどの米国人がシークに夢見ているというのでしょう?

これだけシークに信奉しているのが米国と云う国です。

それだけにこれを利用しない手はありません。
女性を喜ばせているだけなんて資源の無駄。
シークを使って恩恵に与ろうという輩も出てきます。

それが本日の映画「アメリカン・ハッスル」

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です。

この映画、
ただの70年代米国男性ヘアーカタログ映画
ではなかったのです。

「シーク」を大フィーチャーした映画だったのです。




ちなみに一般的なシークのイメージはこちら。

左が小説版の表紙に描かれたシーク。
右がコミックス版の日本人マンガ家が描いたシーク。

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小説版はアメリカオリジナル版の表紙をそのまま再利用しています。

分析したところ
中には例外もありますが、
小説版のシークは
大半が半裸、もしくは白シャツ黒スーツが定番のスタイルで
昔ながらの「アラビアのロレンス」的な
グトラ(アラブの男性が頭に被る布)
トーブ(アラブの男性が着る一枚の布で作られた白いガウン)
を着せたがるのは日本人ということになります。

今やシークと云えども普段着は洋装ということなのでしょう。
シークとさほど縁のない日本は
まだ古いイメージに囚われているようです。

しかし、この映画が舞台にしているのは1978年。
何の心配もいりません。

グトラを被らせてトーブを着せれば町に繰り出せば
あら、不思議。誰でもシークに見えてしまうのです。

そして、こちら↓がこの映画が推奨する当時の
【70年代米国男性のヘアーカタログ】です。

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まずは海原はるか師匠。実際の師匠は月に2回美容室に通っているそうです。

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そして、公式では「アフロ」に分別されるらしいパンチパーマ。

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さらにはゆるふわリーゼント。

よくもまあこれだけいろいろ取り揃えたものです。

取りそろえると云えば、当時の女性の
ドレスコレクションもなかなかです。

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溢れる横乳にしか目がいかない女性キャストの衣装も最高です。


さて、公式サイトによるあらすじは以下の通り。

完全犯罪を続けてきた天才詐欺師アーヴィン(クリスチャン・ベイル)と、そのビジネス・パートナーにして愛人のシドニー(エイミー・アダムス)。遂に逮捕された二人は、イカれたFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に、自由の身と引き換えに捜査協力を強いられる。それは偽のアラブの大富豪を使って、アトランティック・シティのカジノの利権に群がる政治家とマフィアを罠にハメるという危険な作戦だった。ターゲットはカーマイン市長(ジェレミー・レナー)。しかし、アーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)が、アーヴィンとシドニーへの嫉妬から捜査をブチ壊す動きを見せるが−。


この作戦のためにFBIが用意した
偽のアラブの大富豪ことシーク役の捜査官は
なんとメキシコ人!

肌が浅黒ければ良いってもんじゃねえぞ、コノヤロ!!

しかし、市長をはじめ政治家もマフィアの怖い人たちも
みんな騙されてしまいます。

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こんなコスプレでも十分騙せます。しかし、モテる感じは一向にしません。

「シーク」と名乗れば
中の人がメキシコ人でも面白いように騙される人々。
なんといってもいざとなれば
「ワタシエイゴワカリマセーン!」で通じてしまうのです。

恐るべし、米国のシーク信仰。

劇中でも
しょっぱなから躓きそうになり
途中何度も疑われたこの詐欺計画が
無事に最後までこぎつけられたのも
アメリカ人にとっては
フィクションでなじみ深い反面
本の中でしか見たことのない「シーク」という存在が
あったからこそなしえた技なのでしょう。

シークというと
「ハーレクインロマンス」しか思いつかないからこそ
こんなことにあっさり騙されるアメリカの政治家さん。
大丈夫か?
と思わないでもないのですが。

いやあ、私、映画の中盤まで
てっきり、FBIも政治家もマフィアもロザリンも
ひっくるめてほぼ全員が
FBIに協力すると見せかけたアーヴィンの掌の上で
踊らされる話なのか
と、思っていました。

よもや、その天才詐欺師が
ターゲットである市長が思いのほか
善良すぎたのに中てられて
騙し続けられなくなるとは…。

よくそれまで人を騙してこれたものです。

でも、実在の事件を元にしているのですから
本当にそういう詐欺師だったんですよね。

…プロ失格じゃないですか?

天才天才と公式サイトに書かれている割には、
型に嵌った投資詐欺と絵画商法しかできない
天才詐欺師アーヴィンが途中から悔い改めしてしまい
デヴィット・O・ラッセル監督の前作
「世界でひとつだけのプレイブック」で
主人公カップルがダンス大会ではじき出す点数が
合格点ぎりぎりの50点だったのと同じように
アーヴィンが詐欺師としてその時できる
「最大多数の最大幸福」と云うか
「最低限誰もどん底の不幸にまでは陥ることのない大団円」
へと強引に話を持ってくるので
見終わった後もスカッとした気分にならないんですよね。

まあ、一応
深く反省もしているし、
誰かが死ぬこともなかったし、
一番ひどい結末になったリッチーでさえ辞職まで至らなかったので
お前ら(アーヴィンとシドニー)はそれでいいのかもしれないけれど

でもなあ…。

って気持ちになっちゃうんですよね。

ハッピーエンドなのにいまひとつのところが消化不良。

だからなのか
第86回アカデミー賞では
作品賞、監督賞、主演男優賞(クリスチャン・ベール)、
主演女優賞(エイミー・アダムス)、
助演男優賞(ブラッドリー・クーパー)、
助演女優賞(ジェニファー・ローレンス)と
「ゼロ・グラビティ」と並んで
最多ノミネートされるほどの映画なのか
若干首をかしげてしまうのですが、

2月現在、今年見た映画の中では断トツのベストです。


いやあ、
「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」の

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マイベストトム・クルーズ。床の間に飾るか抱き枕にしたいくらい好き。

トム・クルーズ以来のセクシーガイじゃないですか、
本作のクリスチャン・ベールは。

しかも、トム・クルーズの特殊メイクとは違い
クリスチャン・ベールの場合は
クリスチャン・ベールですので当たり前のように自前です。
(いえ、自腹です。)

女子驚愕のオープニングシーンからしてたまりません。

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Dラインの体型ばかりではなくこれも自毛ですよ、自毛!痺れるわ。

この映像だけで私ごはん3杯はいけます。

真のイケメンは
頭髪が簾となり、腹部がメタボになってこそ
真価を発揮するのですね。

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流石に体毛は特殊メイクだそうです。

シドニーとロザリンという美女2人が彼に惚れ
決して手放そうとしないのも納得納得。

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このクリーニングに囲まれて抱き合うシーンが好きです。

それだけでなく、ブレッドレイ・クーパーの
きっちりワインディングされたロッド巻で
とどめを刺してくるのですから堪ったものじゃありませんよ。

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私を萌え殺す気か!

地毛がこれですからね。

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70年代後半はナチュラルヘアーではモテなかったのか…。

髪を傷めていないか心配です。

シドニーといいところまで行きながら
やんわりと拒絶されキス以上の関係に進めない
今回の悪役であるはずの
はぐれ刑事純情派リッチー捜査官。
そんでもってママ大好き。

贔屓目もあるのでしょうが、
やはりブラッドレイ・クーパーが演じる人物は
どこか善人にしか見えない

それがたとえパンチでも


……って
全米女性の憧れ「シーク」にではなく
バーコートとパンチにときめかされてどうするの?

 
 
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