2014/2/12

毎日、吹雪、吹雪、氷の世界  MOVIE

本日はレディースデー、
女性のお客様は1000円ということで

「殺人の追憶」
「グエムル−漢江の怪物−」
「母なる証明」
などで韓国にて記録的ヒットを飛ばし
このたび海外進出を果たしたポン・ジュノ監督最新作

「スノーピアサー」

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を見てまいりました。


うん。

久しぶりにこんな
小学生の書いたよう
偏差値の低い
誰が見ても判りやすいディストピアストーリーの
映画見ましたよ。

良くこの規模での映画企画が通ったものです。

だって、製作費だけで
4000万ドル(約40億円)ですってっよ、奥様!

監督であるポン・ジュノのお膝元、韓国では
公開5日で観客動員数約330万人を突破したそうです。

「風立ちぬ」が公開9日で200万人突破
だったのですから、どれだけすごい数か判りますね。

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やけに力が入りすぎている韓国版のイメージビジュアル。これでほんの一部。

で、どういう映画かと云いますと、
ネタバレしない程度に説明しますと、

「トンネルを抜けるとそこは死体だらけだった

…ああっ!!雪渓がああああああ!!」

みたいな映画です。
 

以降は、公式サイト程度のネタバレがありますので
それでもOKな方だけ
「続きを読む」をぽちっとしてください。

 
 

「トンネルを抜けるとそこは」云々だけでは
何も語っていないも同然ですので
もう少し突っ込んだ説明をいたしますと

出だしから
普段から国語だけは得意な中学生男子
斉藤君(仮名)が

「なぁなぁ、聞いて聞いて!
俺、超面白い話思いついた!
あんな、今地球温暖化がどうとか云われてるじゃん。
で、このままじゃヤバいってんで
温暖化を食い止めるために
世界中に冷却剤を積んだロケットを撃ち込んじゃったら
ついやりすぎちゃって
地球全体が氷河期に突入して
地上に生物が住めなくなっちゃうの。
え?『何それ?』って。
う〜ん。……過度な地球温暖化防止に対する警鐘?
どうこれ、どうこれ?
俺、凄くね?
普通こんな発想しねえよな?
で、で、そんでどうなると思う?
ば〜かぁ、人類滅亡したら話になんないだろ!
実は、それ以前に
世界中をノンストップで横断する
半永久的にエネルギーが尽きることのない
万能列車が作られていて
生き残った人類はそこに避難することになんの。
え?なんで列車かって?
え〜っと、銀河鉄道99……。
いや、だって飛行機じゃ狭すぎるし、
海も凍っちゃってるから船ダメだし。
陸を走るのが一番安全なんだよ。
それに列車だと車両ごとに
農業も工業もサービス業もできて学校も作れるし
便利じゃん。
全ての産業を詰め込めば
列車の中は完全自給自足になって
一生そこで暮らすこともできちゃうだろ?
でも、安心したのも束の間。
列車の中ではもの凄い格差社会ができちゃうんだよね。
…。
な、格差社会、凄くね。
最近どの映画見ても出てくんだろ、富裕層と貧困層。
『エリジウム』とか『TIME』とか
『ハンガーゲーム』とか
あと……『アップサイドダウン 重力の恋人』?
世界的に流行語大賞「富裕層」、「貧困層」!!
地球温暖化だけじゃなくて
政治経済の二極化まで入れるの、これ凄くね。
俺、社会派〜。
もう池上彰、超えたね。
テレビ朝日で2時間SPやっちゃうよ!
…そうそう。ほんで、続きね。
その列車では前の車両には
富裕層が贅沢三昧に暮らしてるんだけど
貧困層は列車の一番後ろの車両に押し込められて
奴隷みたいにこき使われんの。
食べ物とかも…なんだっけ?
ドイツかどっかの世界一まずいグミ…
え、ああ、『ラクリッツシュネッケン』?
あんな感じで害虫をすり潰して
板蒟蒻状に固めたもの(*)を食べててさあ。
生まれた時から飢えてんの。
いいのいいの、最下層だから。
んで、氷河期に入って17年。
ここでようやく主人公登場。
人生の半分を外、残りの半分は列車の最後尾車両で
生きてきた男で
一応貧困層のリーダーになってるんだけど
でも、自分はリーダーには向かないと思ってるような奴。
まあ、実質リーダーなんだけど、
秘められた過去があって
そのせいで『俺が!俺が!』ってでしゃばらないの。
そういうのってカッコよくね?
そいつが、富裕層があまりに自分たちをこき使うってんで
先頭車両にいる列車の開発者に会って処遇改善を
つきつけるため、ついに革命宣言。
これよ、これこれ。
武器すら持たない貧困層が偉そうな富裕層を蹴散らしてく、
そんな話、面白くね?読みたくね?」

と、クラスの男子数名を前に吹聴しているのを
隣の席の女子吉田さん(仮名)が漏れ聞いていて

「…え?マジ?斉藤バカ?」

と、驚愕するようなそんな映画です。


そして、その週の土曜日
一昨年前にシネコンで「アベジャーズ」を見たのをきっかけに
急激に嵌ったキャプテン・アメリカ役クリス・エバンスが
主演と知り見に行ったSF映画が
斉藤君(仮名)がなにやら得意そうに喋っていた小説の構想
そのまんまの映画だったので
再び吉田さん(仮名)が驚愕してしまうようなそんな映画です。

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風呂さえない環境の中一人だけ高校球児のような爽やかな五部刈り主人公カーティス。

そんなわけで、吉田さん(仮名)が見た
「スノーピアサー」はこんな話↑↓です。

正しくは時はそう遠くない近未来。
西暦2014年7月1日、
日々深刻さをます温暖化に終止符を打つため
地球を人工的に冷やすため
環境保護団体や開発途上国が反対するなか、
79か国の合意し、人口冷却物質「CW-7」が
大気圏上層に散布されます。

ところが、気温を一定に留めるはずだった「CW−7」は
新たな氷河期を到来させてしまい、
その結果、地表は分厚い雪と氷に覆われ
生物が住めなくなってしまいます。

残された人類は精密な機械制御により
生存に必要な一切を備えた
大陸地球横断列車「スノーピアサー」にすべてを託すことに。

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自給自足ノンストップ永久的に走り続ける列車って…この設定だけでもおかしい。

…って、誰ですか?
この設定で映画化に許可出したのは?

来たるべき氷河期のために前もって用意されたかような
夢の超特急「スノーピアサー」。
(この矛盾はちゃんと劇中で説明されますが、
それでも取ってつけた感は拭いきれません。)

「氷河期」という字幕を見た途端
劇場内の体感気温が一気に下がりました。

アバンタイトルの時点で、劇場内の客席から
この映画に対する期待値や興味が
波のように引いていくのが肌で感じられました。

同じ氷河期でも
「デイ・アフター・トゥモロー」のように自然災害であれば
多少のことは目を瞑ってもらえるのですが、
この映画では人災。

天災ならば
「まあ、仕方ないか…人の力ではどうしようもできないし。」
となるところも
人災となると
「そんなばかなこと本気でするような奴いるか?」
と同じ人類として目を疑ってしまうのが人間です。

「CO2の排出削減なんてちまちまやってやれるか!」
と間違った「ストップ、温暖化」を強行した結果がこれ。

「このままじゃ、ヒトが、未来が、枯れていく。」代わりに
「このままじゃ、ヒトが、未来が、凍っていく。」になるとは!

…バッカじゃないの、ポン・ジュノ監督。

アバンタイトルだけで観客をドン引きさせるとは
只ならぬものがあります、この映画。

「こんな荒唐無稽な地球滅亡設定、
本当にあのポン・ジュノ監督が考えたの?」
と、軽く震撼していたら
もともと1984年発表のフランスの
バンド・デシネ(B・D)原作なんだそうですね。

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主人公の五部刈りヘアースタイルはここからきているのか?

なるほど、映画を引き続き見れば
現在地球が抱えている
環境破壊、食料問題、人口問題、経済格差
に鋭いメスを入れた作品となっているのですが(笑)、
このラストで解決にされたととっていいのでしょうか?

そういえば、過去の監督作
「殺人の追憶」
「グエムル−漢江の怪物−」
「母なる証明」
も俳優の演技に引き込まれてついつい見ちゃいましたし
面白いことは面白かったのですが、
それでも破天荒なストーリーに
数えきれないほど謎とツッコミどころを残したまま
終わってしまった映画でした。

映画を見終えて
「あんな話でもちゃんとした大人が関わったら
伏線もふんだんに盛り込まれ、それなりに回収もされるのね。
結果、全世界に公開されるだけの映画になれるんだから
斉藤(仮名)、バカにしてごめん!」
と、帰途に就いた吉田さん(仮名)。

演技なのか素なのか本人じゃないので判らないけど、
終盤、完全に目が死んでいたソン・ガンホ
の演技は流石凄まじかったなあ〜。
流石は韓国の至宝だなあ〜。
と、反芻しつつ
今見てきた映画の情報をネット検索していたところ

「こんな総理大臣がごめんだ!」
と思っていたメイソン大臣を演じているのが
「少年は残酷な弓を射る」で強烈な印象を残した
ティルダ・スウィントン

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云われるまで全然判んなかったよ!

と知り、またしても驚愕し

さらには彼女が劇中で2役演じていたことも知って
驚愕するとともに

「そんなら見る前に云ってよぉ!」

と、パソコンモニターに向かって
一人寂しく愚痴を溢したのでありました。

ティルダ・スウィントンだけでなく
キャスティングも製作費に負けず劣らず
もの凄く贅沢なんですよね、この映画。

クリス・エヴァンス
ソン・ガンホ
ジェイミー・ベル
ジョン・ハート
ティルダ・スウィントン
オクタヴィア・スペンサー
エド・ハリス
ユエン・ブレムナー
アリソン・ピル

アメリカからカナダ、イギリス、韓国と
いい俳優揃えてあります。

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このグレイ役のルーク・パスカリーノ青田買いの価値ありそう。

でも、吉田さん(仮名)が本当に驚いたのは上映終了後
座席を立つ観客の中に若いお母さんに連れられた
3歳くらいの幼女がいたことでした(実話)。

その夜
「あの映画、子供が見て面白かったのかしら?」
と、思いながら吉田さん(仮名)は眠りについたのでした。

 

*
「プロテインブロック」という食品なんですが、
あの原材料は飼育されているのか採取されたものなのか
気になります。

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