2013/10/31

時計仕掛けのギャング  MOVIE

本日の映画は
「ギャングスター・ナンバー1」

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です。

どうやら、日本では
「アイアンマン」シリーズのJ.A.R.V.I.S.と並ぶ
ポール・ベタニーの代表作だそうなので
よもやスプラッタ映画とは思わずレンタルしてきました。

たしかに改めてDVDジャケットを見返すと
血の色の赤をバックに
モノクロの男たちがゾンビのごとく
ゆらりと立ち尽くしている
このデザインだけでも十分に不穏な気配が感じられます。

ただのドンパチでは済まされないような
ただならぬ気配です。

それもそのはず。

映画の中盤において
普段は端正なポール・ベタニーの顔が
このような怖ろしい形相へと変貌を遂げるのです。

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始めて見るとビクッ!となります。

それも一度ではなく二度までも。

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嘘です。何度見ても、そのたびにビクッ!となります。

子供の頃にうっかり見たら
以後トラウマになりかねません。



しかしながら、
もしこの画像をプリントしたTシャツが
市販されていたならばどうでしょう。




うん、買うな。

3800円(税抜)までなら出すな。

たとえばこんな感じのTシャツ

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小売希望価格3800円。

なら3800円までなら出します。

ああ、ユニクロ UTあたりで限定生産してくれないかしら…。
ハードコアチョコレートからもうすでに発売済みだったりして?

とまあ、この映画では
そんな笑顔が素敵な(笑顔じゃない笑顔じゃない)
ポール・ベタニーがおおよそ人を殺すのには用いることのない
物騒な凶器を嬉々として並べ

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テキサスあたりが舞台のスプラッタ映画に出てきそうな小道具の数々。

部屋中を血の海にし
挙句の果てに血塗れな姿のまま恍惚状態に陥ってしまう

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血の赤にもっとも映える男のファッションといえば白ランニングに白ブリーフ。

のです。

何より恐ろしいのは
ポール・ベタニーが血に塗れているうちに
いつの間にか
マルコム・マクダウェルに変貌してしまうところでしょうか。

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あれ?思ったほど違和感がない…。

これぞホラー!



…というのは真っ赤なウソ。

タイトルから誰も騙されなかったと思いますが、
ホラー映画でもスプラッタ映画ではありません。

順当に「ギャング」を扱った映画です。

と、云っても純然たるギャング映画でも
TSUTAYAが独自でジャンル分けしている
「洋画アクション」でもありませんでした。

ちなみに私はこの映画を見るまで知りませんでしたが、
「ギャングスター」と云うのは
「ギャングの星」と云う意味ではなく
「ギャングの構成員」のことだそうです。
ギャングスターものは日本の任侠もの同様
人気のジャンルのようで
他にも
「アメリカン・ギャングスター」やら
「ブリティッシュ・ギャングスター」やら
「マイアミ・ギャングスター」やら
「N.Y.ギャングスターズ」
などの映画が存在します。

そのなかの「ナンバー1」を公言しているのですから
これはもう相当なギャングスターが期待されるところです。
 
 


舞台は1968年ロンドン。
若かりしギャングスター(ポール・ベタニー)は、

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過去と現代が交錯するオープニング。ベタニーが演じる青年に役名はありません。

「メイフェアの惨殺者」「暗黒街の貴公子」の異名を持ち
残忍極まりない前科を持ちながらも
高級品を身に着け身のこなし方も上品なことで定評のある
新鋭マフィアのボス、
フレディ・メイズ(デヴィッド・シューリス)に憧れ
彼の手下になります。

フレディを崇拝し、身を粉にして働く若きギャングスターでしたが、
肝心のフレディは、カレン(サフロン・バロウズ)と云う女性と
付き合いだしてからはどうも稼業に身が入らない様子。

若きギャングスターら手下が敵対勢力の侵攻に
やきもきしているというのに
そっちのけでカレンとの結婚の準備をウキウキしながら進める
フレディ。

男の男と見込んだ男が女にデレデレしている様ほど
みっともないものはありませんからね。

そんな矢先、敵対勢力がフレディを襲撃する計画を進めていることを
知った若きギャングスターでしたが、
カレンにベタ惚れのボスに対して多少思うところがあり
襲撃計画を見逃します。

そのため、当初の予定通り計画は実行され
カレンは喉をナイフで切られ、フレディも重傷を負うことに。

少しだけ胸が空く思いの若きギャングスター。

警察はこれを機会にフレディを逮捕。
弱り目に祟り目となったフレディは
そのまま禁固30年の刑に処せられます。

その後、ボスの座に収まった若きギャングスターは
敵対するものであれば敵味方問わず惨殺し

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こんなにも白ランニングと白ブリーフを堪能できるとは

それまで禁じられていた麻薬や強盗にまで手を出すことで
フレディの時代とは比べ物にならないほど
勢力を拡大するのでした。

それもこれもいつかは出所したフレディを迎える日のため。


そして、30年後。

すっかり年老いたギャングスターは
フレディがとっくの昔に刑期を終えた事を耳にするのでした。


…ええ〜っ?!







とにかく映像がずば抜けてキレイ。

ガラスや鏡を使った反射映像や
スプリットスクリーンの数々は
見ているだけで目の保養になります。

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人物より建物の方がキレイに撮られているんじゃないか、これ?

ストーリーの方は何の捻りもない

名前もなく
健康的な身体の他には何も持たない若きチンピラ青年が

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恋は盲目とは良く云ったもの。

自分を拾い上げてくれたマフィアのボスに

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その相手がいいところのお坊ちゃんタイプの正統派二枚目デヴィッド・シューリス。

勝手な思い込みで心酔し、身も心も捧げた末に
あっけなく捨てられちゃうだけの
ラブストーリーになっております。

普通男が男に惚れるようなストーリーでは
惚れられる側の男は
映画を見ている観客も納得できる
男の中の男である場合が多いのですが、
この映画は違います。

肝心のボスであるフレディは
身内に対しては強く出ることができても
制裁などの手を汚す仕事は全て手下に任せており
たまに矢面に立たされ
敵対するマフィアのボスと対面することがあっても
事を構えることを良しとせず
なあなあで手を売ってしまうような
威勢の良い噂ばかりが先行しているだけの
どうしようもないヘタレでした。

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手下たちの凄惨な仕事っぷりに「え〜もぉ〜勘弁してよ〜。」と云う表情のボス。

良く云えば無駄な争いごとを極力避ける
節度ある大人の男ですが、
ギャングという暴力の世界に生きるのは
ちょっと内面がひ弱な感じがいたします。

しかし、目が節穴となっている若きギャングスターは
そのことに一向に気が付きません。

なにしろ、イタリアから直輸入した生地で仕立てた
スーツを身に着けているボスなんてそうそういないのです。

まさに理想の男です。

ボスが愛用のイニシャル入りのタイピンを
気まぐれに譲っただけでもう青年は天にも昇るような気持ちです。

徐々に青年の中で

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ウィンドウに写る自分のスーツ姿にうっとりとなるというベタなシーンもあります。

いつかは彼のような洗練されたギャングスターになって
ボスと2人でこの町を牛耳るぜ!

なんて夢に胸ふくらませていた矢先、

ボスに結婚を前提としておつきあいしたい彼女ができます。

その女性カレンに
もう少し思いやりと云うものがあればよかったのですが
最初の出会いが最悪だった上に

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元はと云えば彼女が人間違いをしたことが原因。

若きギャングスターが自分と同じくらい、
いえ、それ以上にボスに執心していることを
女の勘で察知したためか
彼に対する敵愾心が半端ではありません。

蛇蝎のようにカレンに嫌われる若きギャングスター。

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ボスの子飼の手下に唾を吐きかけるような女性が姐さんになると思うと憂鬱ですね。

フレディの方も
日に日に目に余るようになってきた敵対勢力の制圧よりも
彼女との結婚の方が目下のところ最優先事項となって
部下に対しても他のマフィアに対しても示しがつきません。

これにはフレディに対して
「理想の男」を押し付けていた
若きギャングスターも失望を隠しきれません。

失望どころではなくもはや失恋です。

そんな若きギャングスターへの牽制球として
フレディのためなら「人殺しも辞さぬ」宣言を
高らかにする勝ち組カレンでしたが、
その直後、フレディが敵対勢力に襲撃され滅多刺しされた時には
ただ突っ立っているだけで助けを呼ぶことも
大した反撃することもできませんでした。

そして、あまつさえフレディの前で喉を切り裂かれてしまいます。

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何なん、君は?公言通りちゃんと恋人守り抜けよ。

重症を負ったフレディは退院後、そのまま警察に逮捕され
刑務所行きに。判決は懲役30年。

その間に、若きギャングスターは
単独でボスの仇を取り
ボスの後を継いで組織を大きくします。

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ボスの座を引き継いでもフレディがデザインした内装はそのまま。愛です。

多少汚いことには手を染めましたが、
それもこれもいつかフレディが出所したときに
温かく迎えて組織を一緒に運営していきたいから…。

ところが、何ということでしょう。

あの愛するフレディは年老いたギャングスターが
知らないうちに刑務所を出所し、
てっきり死んだと思っていたカレンと結婚し
さっさと引退して郊外に家を買って
無農薬野菜とか作っていました。

60歳からのスローライフか?!つうの。

どこまでも手下の気持ちに疎いボスだったのです。

若き頃ギャングスターが憧れてやまなかった
フレディのライフスタイルなんて
所詮は
「(女に)モテる男のライフスタイル」
だったのです。

最後にこんな事実を突きつけて
年老いたギャングスターを完全に切り捨てるフレディ。

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30年間も悪口を云い続けたカレン。何がそこまで彼女を追い詰めたのか…。

え〜、それを云いますか?
結婚して穏やかな生活を求めることより
ここで何気にカレンを持ち出すボスのやり口に
失望してしまいますよ。

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これにはギャングスターも唖然となるばかり。

もう少し手下に対して心を配れるようなボスだったら
30年前も
30年後も
こんなことにはならなかったと思うんですけど…。

フレディにとってカレンは
30年も待っていてくれる代えがたい女性なのかもしれませんが、
最初からボス目当てで他の男など平気で足蹴にし
ボスの女になってからはその威光を笠に着る
気の強いところしか見てない側としては
どうしてもギャングスターに同情してしまうんです。

そのぶん、
カレンに簡単に絆されるフレディの票も下がっちゃうんですよね。

まあ、カレンにしてみてれば
頭も顔も悪くなく若くして権力もあり財産もあり人望も厚い
フレディはまさに理想の男性です。

表面上は他のホステスとは違い
野心を持っていないように取り繕って、
「ギャングの相手などまっぴらごめん!」
と、云っているカレンですが、
それがボスともなると話は違います。

況してや、紳士的且つスタイリッシュなボスとくればなおさらです。

なにしろ、イタリアから直輸入した生地で仕立てた
スーツを身に着けているボスなんてそうそういないのです。

ところが、気が急いたためか
勘違いで若きギャングスターに先に声をかけてしまったのが運のつき。

その後上手くフレディに取り入ることができましたが、
強かで浅ましい女心がギャングスターに見透かされてしまいました。

これは大きな失点です。

彼女にとっては許されないことでした。
それ以降、若きギャングスターを目に仇にするカレン。

そして訪れる襲撃事件。

歌手志望だった秘かな野心家カレンにとってこれは大変な痛手となります。

自分で切り開く未来が失われた上
当てにしていたフレディは投獄されてしまいます。

だからと云って今更フレディ以上の上物を吊り上げることは
不可能です。

時代は暴力的なシノギを好む若きギャングスターへと流れています。
カレンの出る幕はありません。

こうなったら残るのは意地だけです。

人生を台無しにした恨みつらみは全て
若きギャングスターに押し付け
いつか目に物見せると
苦節30年、フレディが釈放されるのを待つことに。

その甲斐あって、出獄後はカレンの元に戻ったフレディ。

しかし、
かつての威厳も精彩も失ったフレディと田舎に隠居する老後が
果たして彼女が望んだものなのか判りません。
フレディはともかくカレンの方は
すでに子供ができる年でもないのです。

2人の人生を狂わせておきながら
一人のほほんとしているフレディ。

「死ぬほどがっかり」ってこういうことなんでしょうね。
 
 






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