2013/10/2

「ホワイトハウスはどんなところ?」「白いよ」  MOVIE

本日のDVDは
オリバー・ストーン監督のブッシュ大統領の伝記映画
「ブッシュ」

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です。

原題は「W」。

簡単に紹介すると
由緒正しい名家に生まれた何をやってもダメな嫡男が
何かと家名ばかりを重んじ
次男である弟ばかりを目にかけるている父親に
認めてもらうためジタバタすること幾歳月。
功績を焦りすぎて不確かな情報を鵜呑みにしてしまい
「大義」と云う名で利権と報復に塗れた戦争を
大々的に起こしてしまうというお話です。

その嫡男の名前は
ジョージ・W・ブッシュ。

フジテレビの人気クイズ番組「ネプリーグ」の
ファイブボンバーで
「アメリカの歴代大統領の名前を5名挙げなさい」
と云う問題が出題されれば、先頭で答えに詰まって
「(先に簡単なの云っちゃって)ごめんなさい!」
と、前置きした上で渋々解答されるであろう
そのくらい耳慣れた名前です。

原題の「W」と云うのは、
同じく41代アメリカ合衆国大統領である
ジョージ・H・W・ブッシュ(パパブッシュ)と区別するために
使われていた愛称のことだそうです。

ですから、クイズの答えが
ただの「ジョージ・ブッシュ」の場合は
父のことなのか息子のことなのか、
言葉尻だけでは判別できないはずですが、
おそらく視聴者の頭の中に浮かぶのは
息子の顔(↓)だと断言できます。

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ブッシュ役は「グーニーズ」のジョシュ・ブローリン。

そんなついこの間まで在任していた
記憶に新しいアメリカ大統領の
Movies Based On True Stories
ですので
海外情勢、歴史に疎い私でもすんなり頭に入ってきそう
と、期待を込めていそいそと借りてきたのですが、
残念ながら政治的なことはあまり追究されてはいません。
 



映画は
9.11の翌年となる2002年、
アメリカの首脳部の方々が
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、
イラン・イスラム共和国、
イラク(バアス党政権)の3か国を名指しで批判する際に
ぴったりくる総称をあれこれ議論している作戦会議の場から
始まります。

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アメリカの大統領は机に足を乗せるのが好きですね。

あの有名な「悪の枢軸」誕生のシーンです。
当時の大統領顧問団もずらりと勢ぞろいしていて
圧巻とも云えるオープニングです。

まずはこちらの写真をご覧下さい。

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この映画のモデルとなった方々です。

上の段左から
皆様ご存知のジョージ・W・ブッシュ
ディック・チェイニー
ドナルド・ラムズフェルド
コンドリーザ・ライス
下の段、左から
コリン・パウエル
カール・ローヴ
ジョージ・J・テネット
ポール・ウォルフォウィッツ
となります。

これらの主な登場人物が
映画が始まってわずか5分で一気に紹介されます。

演じる役者は、以下の通り。

ディック・チェイニー(リチャード・ドレイファス)副大統領。

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久しぶりにリチャード・ドレイファスを見たような気がします。年取ったなあ!

ドナルド・ラムズフェルド(スコット・グレン)国防長官。

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いかにも参謀という面構えです。雰囲気だけは掴んでいると思います。

コンドリーザ・ライス(タンディ・ニュートン)国家安全保障問題担当大統領補佐官。

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ライスご本人は以前ゴールデンラズベリー賞の最低助演女優賞を受賞しています。

コリン・パウエル(ジェフリー・ライト)国務長官。

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頑張っています。努力はしています。…たぶん。

カール・ローヴ(トビー・ジョーンズ)次席補佐官、大統領政策・戦略担当上級顧問。

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似させるとかというレベルではなくいつものトビー・ジョーンズです。

ジョージ・J・テネット(ブルース・マッギル) アメリカ中央情報局第18代長官。

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こちらは似ている俳優を択んできたと思います。

ポール・ウォルフォウィッツ(デニス・ボウトシカリス)国防副長官。

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…似ているのでしょう、おそらく。

これらの重鎮の方々が雁首並べて
マスコミに公表するに相応しい
仮想敵国3国を総称する名称を捻り出し
ようやく決定したのが「悪の枢軸」。

思いのほかナイスネーミングに落ち着いたため
ルンルン気分なブッシュジュニアなのでした。

と、まあ一見アホっぽい大統領ですが、
人には云えない、見せれない悩みを抱えています。

それは、子供のころから父親に
何かにつけてすぐ下の弟と比べられること。

長男としてはこれはかなり凹みます。

それでもなんとか起死回生し
大統領にまで登り詰めてみたものの
気がつくと周りを囲む側近の殆どが父親からのお下がり。

これが選挙における「三バン」(地盤、看板、鞄)か!!

そのため、今度は何かと父親と比べられてしまうことに…。

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アメリカ版大名行列。

当時のブッシュジュニアとその側近について
このような一幕があります。

郊外の牧場を
チェルニー副大臣を筆頭に主だった側近を引き連れ
悪の枢軸宣言以後の戦況について
軍のお偉方と語らいながら歩き回っているうちに話に夢中で
うっかり道を間違えていたことに気がつくブッシュジュニア。

それも相当の距離を歩いてから気づいたようです。

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側近はただ大統領の後を付いていっているだけなので道なんてどうでもいい。

問題は、
ブッシュジュニアが間違いに気がつくまで
誰一人自分たちがどこを歩いているのかなんて考えず、
ただ大統領の後を付き従っていただけの側近たち。

ブッシュジュニアの話に耳を傾けていたわけでもなさそうです。
(つまり、ぼんやり後をついてきただけ)

当時のブッシュ政権を絶妙に描いている1シーンです。

これが俗にいう思考停止状態です。

ブッシュジュニアとその側近については
こういうジョークがあるそうです。

千日ブログ 〜雑学とニュース〜 : ブッシュ語録

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ジョークに出てくるトニー・ブレア首相を演じているのはヨアン・グリフィズ。

まだこの時点ではイラクへの本格的制裁(開戦)は
始まっていません。

こんなほけほけっとした人たちが
アメリカとイラクの運命を握っていたのです。

ここで場面は変わり、一気に過去へとタイムスリップ。
大学時代の回想シーンとなります。

そこでは、諸先輩方々による
新入生歓迎会と云う名の新入生いびりの真っ最中。

本作の監督であるオリバー・ストーンの姿もあります。

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左下のいかにもいじめられそうな彼がオリバー・ストーンらしいです。

新入生に意地悪な質問をして
答えられないとイッキ飲みを強要するという
日本でもバブル時に流行ったいじめ宴会芸で盛り上がる
良家のお坊ちゃまたち。
(「イッキ!イッキ!」と云うイッキコールは
1985年の流行語大賞流行語部門で金賞を受賞)

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大学時代もジョシュ・ブローリンが演じているので一人だけ老け顔です。

正しくはアルコールハラスメントと云うそうです。

お里が知れるってもんです。

この通過儀礼をなんとか回避できたブッシュジュニア、
一目おかれる存在へと這い上がっていきますが、
素行の悪さばかりが目立ってしまいます。

なにしろ、こういう学生ばかりが威張り腐っているような
おぼっちゃま大学ですからね。

本人としてはかつて父親がそうであったように
野球部に入って活躍したいのです。

しかし、悲しいかな
運動神経に自信のないブッシュジュニアにできるのは
試合の応援団長ぐらいです。

しかも、試合に熱中しすぎて他校との傷害事件を起こし
父親であるブッシュシニアから大目玉を食らうことに。

父親と息子(主に嫡子)が同じ名前なのは
アメリカではそう珍しいことではありません。

しかし、同じ名前を受け継いだことが
ジュニアであるジョージ・W・ブッシュにとって
どれだけの負担になっているか、想像を絶します。

愛する父親の期待に応えたい思い、
愛する父親を失望させた罪悪感、
愛する父親から愛されていると感じられない悲しみ
を背負っているのが、オリバー・ストーン監督の描く
ブッシュジュニアの姿です。

人一倍、父親の期待に応えたい反面、
結果が全く伴わず苦しむジュニアに
父親がかける言葉がこの3つ。

@出来の良い弟との比較

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ジェブと云うのが7歳離れたすぐ下の弟の名前。

A息子へのあからさまな失望

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この一言がこの後長々とトラウマになります。

B息子への愛より家柄重視

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云うまでもなく政治家の家系です。イギリス王室の血も継いでます。

これらを面と向かって本人に云っちゃアカンでしょう。
心折れるわ。

お宅の長男は叱って伸びるタイプではありませんよ?
褒めて伸ばしましょうよ。

それでも、父親の目を自分に向けさせたいブッシュジュニアは
頑張ります。

本当に頑張ります。

政治家である父親の跡を継ぐため積極的に選挙にも出馬しました。

結構頑張っています。

パパ、褒めて褒めて!!

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身長と云う視覚効果だけでもジュニアは父親に勝てる感じがまるでしない。

なのに父親は同じ時期にフロリダ州知事選に立候補した
次弟のジェブ・ブッシュの応援演説に行ってしまいました。

それでもめげず、最終的に父親と同じ
アメリカ大統領の地位にまで上りつめます。

大統領と云えばアメリカのトップだけでなく世界のリーダーです。

それもこれも、湾岸戦争に勝利しておきながら
宿敵サダム・フセインを後一歩のところで取り逃がし
志半ばでビル・クリントンに惜敗し大統領職を追われた
父親の敵討ちのため。

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やったぜ!父ちゃん、明日はホームランだぁ!

なのに、父子の間はいまだぎくしゃくしたまま。

そこで、イラクが隠し持っているとされた
大量破壊兵器の所在を未確認のまま
戦争に踏み切ってしまいます。

その裏には戦争によるアメリカの石油利権の獲得という
美味しい目的もあったので
ブッシュジュニアやる気まんまんでした。

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アメリカの政府上層部の方々の話し合いを見るとこちらの方が悪の枢軸に見える。

これで父親に自分と云う人間を見直して貰える
そのためには側近たちが用意した神輿にも乗りますよ。
神の声だって聞きますよ。

しかし、結果は皆さんも知っているように惨憺たるものでした。

「お前には失望した。」

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世の中の親御さんはこの言葉を迂闊に子供に使わないように。

というかつての父親から受けた言葉から一生逃れられない
ブッシュジュニア。

いくら名門の家系に生まれたとはいえ
パーフェクトな人間や非凡な人間として
生れ落ちるわけではありません。

努力ではどうにもならないこともあります。

人の何倍も練習したからって誰しもが
100mを9秒台では走れないのです。

ブッシュジュニアは名家ブッシュ家のなかでは
憧れの職業プロ野球選手にすらなれない
学力においてもスポーツにおいて平凡な人間でした。

確かに大統領在任中は対岸から見ても
「アメリカ人はなんでこんな人を大統領として支持するのかしら?」
と思ったこともあります。

ただ、この映画を見るとカール・ローヴが励ましているように

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彼は人より秀でている才能はこれだけ。これだけで大統領になりました。

なんだか憎めないのです、このジュニア。

「ああ、もう、しょうがないなあ。」
と云う目でみてしまうのです。

これがブッシュジュニアの取り柄です。

歴史家のなかでは
「ブッシュ大統領をフーバー、ハーディング、ブキャナンの
各元大統領らと並び、歴代最低の大統領の仲間入り」
する動きもあるようです。

そのくらい、彼の行った政治の犠牲となった人々は
アメリカ国内外に大勢います。

でも、自宅のテレビでフットボール観戦中、
プレッツェルを喉に詰まらせて気絶するような人

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なんだか生暖かい目で見てしまう。

憎めないって…。

食事の際、いつもグラスに氷がぎゅうぎゅうに入っているのも

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水が入る隙間もないほど細かい氷がぎっしり入っているグラス。

この方の人となりを表しているんでしょうね。

父親のコネでテレビ局に入社しておきながら
記者会見で親に頭を下げさす芸能人のご子息や
親と一緒にバラエティ番組に出て親のおこぼれに預かっている
芸能人のご子息よりはなんぼか頑張っていると思いますよ?

ですのでこの映画を見ると
意外とブッシュジュニアのことが好きになるかもしれません。

そういう映画です。

















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