2013/8/15

毒を食らわば皿まで  MOVIE

本日のDVDは
前作「暴走!ターボ・バスターズ」
(原題:NEW KIDS Turbo)が

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オランダは今すぐ大麻の合法販売を中止すべきだと思う。

となり無事続編として作られた
「暴走!ニトロ・バスターズ」
(原題:NEW KIDS Nitro)

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です。

今からはるか昔、まだ日本が鎖国政策を取っていた頃、
当時医療の最先端を突っ走っていた
蘭方医の杉田玄白、前野良沢、中川淳庵は
小塚原の刑場での罪人の腑分けを見学。
人体の神秘に感銘を受けた杉田らは
その際に参考書として持ち込んだ
ドイツ人医師ヨハン・アダム・クルムスの医学書
「Anatomische Tabellen」の
オランダ語訳「ターヘル・アナトミア」の翻訳に
着手することに。

と、云ってもそこは語学の素人の集まり
唯一オランダ語の知識があった前野の頭脳を以てしても
医学書の翻訳は困難を極めました。

判るのは解剖図から推測される臓器の名前ぐらい。

翻訳過程の中で
「鼻は顔の中で『フルヘットン』」という文章から
フルヘットンを「うず高し」と訳したエピソードが
有名です。

おそらくは昭和生まれの方なら
人生のどこかでこのエピソードに
触れていることと思います。

そのくらいオランダは日本にとっては
近くて遠い国だったのです。

しかし、それから200年以上の歳月が流れ
折角、先達が試行錯誤の末広めた蘭語は
今や世界の共通言語「英語」にその座を取って代わられました。

もはやオランダのことを考えて暮らしている日本人など
絶滅品種。

そこに海を渡って届けられたのが
この「NEW KIDS」シリーズです。

ありがたいことに映画の方は、字幕翻訳家が
何語であろうと訳してくださるので
こちらは杉田玄白のような苦労をせずとも
異文化に触れることもできます。

これぞ文明開化と云えましょう。

さて、「暴走!ニトロ・バスターズ」。
原題の方も「New Kids Nitro」と
数字が入っていないので
知らずにいると続編と知らないまま見てしまうかもしれません。

「ニトロ」が付く方が続編です。
お間違えのないように。

だからと云ってこれ1本だけ見ても見れないことはありません。

しかし、「ターボ」が付く前作を前もって見ておくか
2本続けて見るのがモアベターだと
おそらくは今は亡き小森のおばちゃまも推奨すると思われます。

本作は前作から1年で続編公開とだけあって
前作の路線を正統に引き継ぎながら
自ら続編であることをしっかりアピールしている
正に由緒正しい「続編」となっております。

映画はまず映画館で今から映画を見る人々
というシーンから始まります。


映画内の観客が見ている映画のタイトルは
「暴走!ニトロ・バスターズ」です。
スクリーンには前回裁判で
公共福祉を命じられた主人公たちの姿が映っています。

映画内の映画館で上映されている映画を
映画内の観客と共に鑑賞するという
入れ子(メタ?)状態となっております。

これはこの映画の元になっているオランダの
スケッチブック・コメディー「NEW KIDS」
第1シーズンと第2シーズンが
主人公たちが見ているテレビ番組の映像が
視聴者が見ている番組の内容と云うスタイルだったことを
そのまま踏襲しているのでしょう。

「NEW KIDS」ファンならばニヤリとなるところです。

さて、公園清掃中(サボり中)の4人の元に
5人組の残りの1人ゲリー(ティム・ハールス)がやってきます。

手には拳銃を持っています。

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この後どういう展開になるかは云わずもがな。

ゲリーが銃を手にすると暴発し誰かが撃たれるのは
テレビ版を含めこのシリーズのお約束です。

そんな5人組の前に一人の少年が登場。

この少年がこのシリーズについて解説をしてくれます。
これで前作を見ていない人も
人気テレビ番組からの映画化であることを知らない人も
安心して映画を見ることができますね。

まず、少年はこの映画がテレビシリーズだったことを
それとなく観客に教えてくれます。

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因みに面白かったのはシーズン1だけだったそうです。

次にこの映画では車に轢かれるのがお約束だということを
教えてくれます。

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その直前にこの映画の監督でもあるバリー(ステフェン・ハールス)が車に轢かれます。

ちなみに轢いたのはパトカーです。
パトカーだろうがなんだろうが、このシリーズで
車輪が付いた乗り物が出てきたらそれは人を轢きます。

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この警官も準レギュラーです。彼はシーズン3でゲリーに撃たれて死亡しています。

そして、その惨状に全く動じることなく
少年は次にこの映画が「続編」であることを説明します。

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でも、クソつまらないので海賊版で充分だそうです。

なあんてことを少年がクソ生意気にくっちゃべっているうちに
お約束の銃暴発です。

銃弾は正確に少年の眉間を撃ち抜きます。

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あ、この映画こんな感じで子供や小動物とかバンバン被害に遭いますんで…。

相手が子供でも容赦がないのがオランダコメディの特徴です。

さて、ここまでで映画が始まってたった2分。

少年の薀蓄にも
仲間がパトカーに轢かれたことにも
少年が誤射殺されたことにも
彼らがまるで無反応なのもお約束どおり。

このパートはアバンタイトルに相当しますので
これから始まる映画の内容とは殆ど関係がありません。

しかし、これだけでこれから見る映画の全容を
全て判っていただけたと思います。

こういう映画です。

@人が車に轢かれる。
A銃が暴発して人が死ね。

この2点が観客の皆さんが笑うところです。
簡単ですね。

オランダにPTAがあったら(まあ、あるか…)
その年の「子供に見せたくないテレビ番組」に
即ランキングされるような番組の劇場版です。

是非よいこのみんなは(親には内緒で)部屋を暗くして
(見つかったらすぐに逃げれるように)離れて見てくださいね。

さて、前回の5人組は国家権力と闘いましたが
今回の5人組は
元々敵対する隣町スキンデルに住む同じような5人組と
それから少し離れた町フリーランスで発生したゾンビと闘います。
(たまにやはり隣町のウンセルの連中も混ざってきます)

最初はスキンデルの連中といがみ合ったのが
どういう経路でゾンビ退治になるのか
はたまたどこからそんな発想が生まれてくるのか判りません。

もし、今ここに私に子供が存在するとして
そのイノセントな瞳で

「お母さん、どうして映画の途中(それも葬儀のシーン)でCMになるの?」

と訊かれたとします。

「知らんわ。」としか答えられません。

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主人公のリチャードの母親の葬儀シーンの最中にジャンクフードのCMが一瞬入ります。

おそらくオランダ特有の笑いなのでしょうが、
お母さん(仮)は純日本人なので笑えないため、
説明できません。

もしくは、

「お母さん、どうしてゾンビと戦うのに全裸になるの?」

と訊かれたとします。

「知らんわ。」としか答えられません。

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これ、本国上映の際はぼかしなかったんでしょうね…。

さらに

「お母さん、この人誰?」

と訊かれても

「知らんわ。」としか答えられません。

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右側の男性はこの映画の節目節目に現れますが、何者かはお母さんも知らんわ。

この映画を見終わって
つくづく世のお母様に訴えたいのは
息子のヘアースタイルに「マレット」はやめとけ
ってことですかね。

マレット。

日本でも一時期流行りましたよね。
頭がよさそうには決して見えない髪型。

ヤンキーっぽい夫婦に限って
幼い息子のヘアースタイルと云えば
なぜか判を押したかのようにマレット。

日本だけの風潮かと思っておりましたが、
オランダでも流行ったんですかね?

で、その子供が大きくなるとこんなふうな大人になってしまうんですかね?

う〜ん、恐るべし、マレット。

マレットにまつわる日蘭風俗事情はともかく
見れば見るほどカルチャーショックというより、
異文化に対するコミュニケーション・ギャップ
に深く苛まれることとなるこの映画。


ああ、それなのにそれなのに
一見、何にも考えていないような
すっちゃかめっちゃかなストーリー展開にも係わらずに
テンポがいいのでついつい一気に見てしまいました。

それなりに伏線を踏んだ展開もあり
意外と侮れません。

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なんでこんな時に携帯?と思ったらこれが伏線だったことに驚きました。

あ、後前作の20倍ぐらい「ホモ」って言葉が出てきます。
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オランダで人をののしるときの言葉は「ホモ!」みたいです。


ということで、なんやかんや2本続けて映画を見ているうちに
すっかりこの世界に嵌ってしまい
「New KIds」をはじめオランダのテレビ局が制作した
スケッチ・コメディーショーを見つづけることに…。

勿論、オランダ語は解りません。
大学における第二外国語選択にも含まれていませんでしたから。

オランダのスケッチ・コメディーショーは
隣国ドイツでも人気があるらしく
google検索すると
かなりの確率で「ドイツ語のページ」を拾ってきます。

youtubeでも同じ結果となります。

でも、ドイツ語も私は解りません。
大学の第二外国語ではドイツ語を選択していましたが、
もはや記憶の彼方に消え失せてしまいましたから。

それでも何とか見れるのは、
「コメディー」だからでしょうか?

youtubeで拾い上げた
「NEW KIDS」シーズン1(2007)
「NEW KIDS」シーズン2(2008)
「NEW KIDS」シーズン3(2009)
を片っ端から視聴後は
「New Kids」の前身である
「Pulpshow」(2001)
にまで手を出してしまいました。

これだけ見ても相変わらず笑えません。
日本人には笑うところがありません。

映画を配給した日本の会社も
DVDをご覧になった映画ファンの方々も
声を揃えて「ジャッカス」と比較されていますが、
あちらは
「警告:番組内で危ない事をやっているのは、スタントマンかただのバカです。よい子やクソガキ、または精神年齢の若い大人のみなさんは絶対に真似をしないでくださいね」
と、テロップが流れているように
演じ手はプロのスタントマンだったり
プロのスケートボーダーだったりするので
それなりにプロ根性と云うか、
常人にはできない何かを見せてもらった!
と云う気持ちにもなるのですが、
オランダのスケッチ・コメディーショーは
そんな純度の高いものではありませんでした。

特に「Pulpshow」は
「ホームセンターやスーパーマーケットでショッピングカートに溢れるほど商品を積み込みレジまで持っていきながら買い物をしないでそのまま立ち去る。」だとか
「60秒内にショッピングカートにどれだけの商品を詰め込めるか試す。でも、買わないし、力任せに目につくものを詰め込んでいくので商品棚を滅茶苦茶にしてしまう。勿論アイスケースの中にも飛び込む。」だとか
「バケツにゲロ状の液体を作り、民家の車庫から出てきた車のフロントガラスにぶちまける。それを何度となく繰り返す。」
と云った映像が流れるだけ。

昨今ネット上で炎上している
保冷庫に寝そべるバイト店員とそう変わりません。

…大丈夫か、オランダ?
大麻を合法にしているとこんなふうになってしまうのか?
うさこちゃん(現ミッフィちゃん)も泣いてるぞ。

しかし、オランダでは10年もこのコメディーを
愛し続けているのです。

アメリカのコメディーや
イギリスのコントでも笑えない時には笑えませんが、
これはなんか嵌る。

オランダのコメディーもまた合法ドラックなのかもしれません。

さらにサウンドトラックが病み付きに。











まだまだ、見てみたい「New Kids」シリーズですが
残念なことにどうやら2012年に活動休止してしまったようです。

当初は20代だった5人も今は30代ということで
落ち着いちゃったのでしょうか?

映画第3作目がないのは非常に残念。

まあ、こんな話、ここでグチッてもどうしようもありませんけどね。

それでも、ゲームソフトが発売されるほど



オランダの人たちは「NEW KIDS」が好きなんですね。




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