2013/8/16

大切なのはトリックじゃない。マジシャンなんだ。  MOVIE

本日のDVDは
トニー・レオン主演
「大魔術師”X”のダブル・トリック」

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です。

この「X」はいったいどこから出てきたものなのか
本編を見終わった今も判りません。

取ってつけたようなタイトルからして
配給会社の意気込みが見えてはきませんが、
とりあえずはストーリーを紹介。






張賢(トニー・レオン)は激怒した。
必ず、かの邪智暴虐の雷大牛(ラウ・チンワン)を除かなければならぬと決意した。
張賢には政治がわからぬ。
張賢は、魔術師である。
外国に修業に行き、一端のマジシャンとして帰って来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
きょう未明メロスは仲間と出発し、国境を越え海越え、何千里はなれた此の北京にやって来た。
張賢には父も、母も無い。しかし、師匠とその娘柳蔭(ジョウ・シュン)がいた 。
この柳蔭は、張賢を、近々、花婿として迎える事になっていた。
結婚式も間近かなのである。
張賢は、それゆえ、師匠以上のマジックを取得するため、はるばる外国に行っていたのだ。

(中略)

「雷大牛は、女を妻にします。」
「なぜ妻にするのだ。」
「自分に恋心を抱いている、というのですが、誰もそんな、恋心を持っては居りませぬ。」
「たくさんの女を娶ったのか。」
「はい、はじめは第一夫人を。それから、第ニ夫人を。それから、第三夫人さまを。それから、第四夫人を。(中略)それから、第七夫人の柳蔭様を。」
「おどろいた。雷大牛は男前か。」
「いいえ、男前ではございませぬ。女は、向こうからやってくる、というのです。このごろは、柳蔭様に、ご執心になり、父君を、人質として牢に監禁し拷問するよう命じて居ります。父君のこともあり柳蔭様は云うことを聞くしかないのです。」
聞いて、張賢は激怒した。
「呆れた雷大牛だ。生かして置けぬ。」
張賢は、単純な男であった。
マジックショーを開催して、のそのそ雷大牛が観覧に来るのを待った。
たちまち張賢のショーは、たちまち評判となり機会が訪れた。
しかし、日本の軍閥が絡んできたので、騒ぎが大きくなってしまった。


某有名小説の体裁を借りて説明するとこんな感じのストーリーです。

要するに、3年間の留学中に婚約者を権力者に奪われた
魔術師がお得意のマジックを使って
婚約者(とついでにその父親)を取り戻そうとする
それだけのお話です。

その少年少女冒険小説仕立ての映画の主人公に
齢51(撮影時50)のトニー・レオンが挑戦しております。

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早い人なら孫がいてもいい年なのにこういう役が来るところが香港映画。

それなら
序盤で早々にフェイドアウトしてしまう
ダニエル・ウー(38歳)の方が
まだ年齢的に合っているように思われますが、
いかんせん知名度が…。

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「え?出番こんだけ?」と思いきや再度登場しつつ
結局「え?出番こんだけ?」だったダニエル・ウー。


しかし、老体(!)に鞭打って頑張った割りには
いろいろ同世代のラウ・チンワンに
美味しいところを持っていかれているぞ、トニー・レオン。

金に汚く女好き
政治犯は片っ端から牢に叩き込み
歯向かう奴らはご自慢のタンクで踏み潰しちゃうぞ!
という典型的な子供番組向け悪役雷大牛司令官。

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自慢のタンク。子供(ファミリー)向け映画なので作りが甘いです。

演じるはもちろん香港が生んだ名バイプレイヤー
ラウ・チンワン。

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お子様が安心して見れる悪役面です。

ところが、のっけから
裕福な商人からはいくらでも金を受け取っても
貧しい農民から搾取することを禁じたり
本気で愛する柳蔭の我侭には手を焼いていたりと

どこか抜けたところが…。

雷大牛を拉致するため張賢が周到に用意した
マジックショーにそうとは露知らず向かう際は
劇場前に屯していた子供たちにお菓子を買い与えた上に
全員をショーに招待する雷司令官。

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長官の大盤振る舞いに子供たち大喜び。

実にいい人です。
SMAPのくさなぎ君くらいいい人です。



ラウ・チンワンならこのCMだってやってくれるはず。

さらに拉致に失敗した際には
そのトリックを見破るほど頭の方も良かったのです。

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単なる悪役ではない雷司令官。

拉致失敗の上、正体まで
雷司令官に見破られて大ピンチの張賢。

ところが、人のいい雷大牛は
どういうわけか張賢のことをすっかり気に入り
屋敷に招くまでになります。

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どうやらディオニス王ではなくセリヌンティウスの座を狙っているようです。

って気を許しすぎですよ、雷大牛司令官!

そいつはあなたから愛する人を
奪い取ろうとしている大悪人なんですよ!!!

…あれ?

いつの間にか立場逆転してますがな。
悪人は雷司令官の方ですよね、たしか。

そもそも、肝心の柳蔭は
3年間も恋人を置き去りにして
一人留学生ライフを楽しんでいた張賢に対して
すっかりおかんむり。

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張賢役のジョウ・シュンは当時37歳のアラフォー。結構みんないい年です。

雷大牛の手から逃げて張賢の元に走る気などないようです。
だからと云って雷大牛の愛を受け入れる気にもなれず。

女心は複雑なのです。

柳蔭の女心がそのようになっていることも知らず
大親友となった(と思っている)張賢に秘密を明かす雷大牛。

それは、張賢の仲間たちが必死で取り戻そうとしている
牢に収監されている囚人たちのこと。

実は、雷司令官が彼らを政治犯を捕らえていたのは
処罰するためではなく
迫り来る日本軍から彼らの身を護るためだったのです。

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囚人たちにも絶大な人気を誇る面倒見のいい雷大牛司令官。

巷の評価など全く当てにはならないものですね。
張賢の仲間たちも智将雷司令官の策に
すっかり騙されていたわけです。

勿論、張賢が柳蔭の許婚で奪回の機を狙っていることも
まるっとお見通し。

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それもかなり早い段階でばれてました。

それでも張賢を信用し自分の右腕に択んだのでした。

超かっけぇ!
超けっけぇよ、雷大牛司令官。

因みに真のラスボスは
映画化医者を隠れ蓑とした日本黒鷹党党首、御手洗太郎と
清朝復興の野望を持つ雷司令官の参謀、劉管家(ウー・ガン)
の2人でした。

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後ろの旗のコミカルな絵柄に泣けてきます。士気が下がるわ。

この時代の中国映画ですもの。
悪いのは日本人と相場が決まってます。

安直な…と思っても
この映画はいい年した大人が見るには
いささかきついものがありますので
ここは、
「今に始まったことじゃない」
と、ぐっと(ツッコミを)堪えて大目に見るしかありません。

でも、だからと云って子供向けって訳でもないんですよね〜?
子供向けならもう少し若手俳優が主演しているはず…。

アラフォー、アラフィフが青春を共にしてきた
トニー・レオンを主演において
どのあたりをターゲットにしているのでしょうか、この映画。

ヒロイン役のジョウ・シュンにしても
もう少し若いイケメンと主演を張りたかったろうに
と、若干同情してみたところ
ジョウ・シュン、実はそれなりにいい歳でしたし…。

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結局、恋の鞘当の結果は持ち越しに…。

しかも「クラウド アトラス」(2012)にも
香港を代表して出演している
ベテラン女優さんじゃないですか!!

一応、トニー・レオンも
カンヌ国際映画祭男優賞を受賞しているのに
なんでしょうか、この宝の持ち腐れ感は…。

香港映画にはありがちなこととは云え
う〜ん、ますます
この映画がどこへ向かっているのか判りません。

例えば、これが日本映画だとしたら
張賢=唐沢寿明
雷大牛=小沢仁志
と云ったキャスティングでOK?

あれ?小沢仁志とした時点で
日本でもありうる!
 
最後に余談ですが、
このDVD、デッキで再生する前まで
昨年台湾に社員旅行した際に
現地の映画雑誌の表紙を独占していた
「聴(正しくは旧漢字)風者」が

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こちらの方はDVDにならんのですか?

ようやく日本でもDVDスルーされたものか
と思って借りてきたのですが、
まさかこんな対象年齢不詳な映画だったとは…。
 
  


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