2013/3/23

おもしろき こともなき世をおもしろくすみなしものは心なりけり  MOVIE

本日の映画は

実在するイギリスで最も危険な囚人
ブロンソンことマイケル・ピーターソンの半生を
トム・ハーディ主演で描いた

「ブロンソン」

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です。

人の顔を記憶する能力に著しく欠ける
私にとってトム・ハーディは
「上唇の形」でようやく誰か判別できる

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矢印の部分。ここで「ああそうそう、トム・ハーディ、トム・ハーディ。」になる。

という俳優なのですが
本作では、
鼻の下に立派なカイゼル髭を生やしている上に
スキンヘッド
さらには高脂肪率食品の摂取と筋肉運動による肉体改造で
もはや誰が誰だか。




さて、主人公のブロンソンなる人物
フルネームはチャールズ・ブロンソンと云います。
リングネームですが、
もちろん「う〜ん、マンダム」(*)からそのまま名前パクっています。

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やたら瞳のキレイな犯罪者です。

とにかく生まれついての乱暴者で
教師を殴って学校を中退した後、
郵便局強盗で懲役7年を食らってしまい
それ以後69日間の釈放期間を除いては
相次ぐ移送と精神科病棟入院を繰り返して
34年間刑務所暮らし(内30年間は独房)
と云う人物。

そんなブロンソンですもの
現在も「男の世界」に服役中です。

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映画は舞台に立つブロンソンが観客に語りかけるというスタイルで展開します。

そんな彼の夢はただひとつ。

有名になりたい!!!!

欲望がはっきりしていてステキですね。

ところが、歌が上手いわけでも
演技力に優れているわけでもない
ピーターソン。

人より秀でた才能もないなかで
どうすれば有名になれるか
思案を重ねた結果が
この映画で語られる彼の半生です。

凡人がたいした努力もせず
それでいて手っ取り早くマスコミで大きく取り上げられるほど
有名になるにはいったい何をすればよいのでしょう。

答えは簡単です。

多くの人がそうであるように
彼の場合も犯罪でした。

しかし、彼の場合残念ながら
いくら乱暴者とは云え
おいそれと人を殺せるまでのワルではなく
世紀の大犯罪を企めるほど
頭脳が明晰と云うわけでもありません。

ですので
彼は本の僅かの小銭を盗んで服役し
その後イギリスで最も危険な囚人となることで
名前を挙げる道を択びました。

なかなかに賢明ですね。
「小事が大事を生む」です。

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苦労の甲斐あって新聞の1面トップを飾りました。良かったね。

しかも彼の場合、
暴力を振るう相手は看守一点に絞られています。

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普段は看守や囚人にニコニコしてお茶を入れたりしています。

たまに刑務所内の美術教師や図書館司書、
同じ精神病院の患者などにも手を出しますが、
本気で格闘する相手は看守のみとなっています。

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「看守とやりあう時は常にフルチン。それが俺の流儀。」なブロンソン。

それもタイマンなんてゆるい事はいたしません。
常に武装した看守軍団と全裸=丸腰で大立ち回りです。

その信条たるや清々しいほどです。

また、見るからに恐持てなピーターソンですが、
家庭の愛情に餓えているなんて事は一切なく
両親の溢れんばかりの愛情に包まれて育っております。

特に母親たるや全面的に息子を信じ
彼の暴力性を問題視する学校側に貸す耳をいっさい持ちません。

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息子が何をしようと「あなたは悪くないのよ。」と真顔を云うタイプの母親です。

そうなると子供の方も
当然このように考えてしまうわけで…。

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子供を無暗に叱らないという母親の教育方針の結果がこれです。

刑務所を転々をした後は
刑務所ではとても手に負えないと判断され精神病院送りに。
薬物治療を受けるものの
そこでも手がつけられず
26年間異常人格犯罪者を収容するブロードムア病院に入院。
ところが、刑務所に戻りたい一心で
その病院を放火しちゃったため
イギリス政府はとうとう厄介払いとして
(ようは彼を拘束する費用が莫大だったから)
彼を「人格正常」と認め、釈放。
街に放ったのでした。

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一点曇りもなくただ息子を抱きしめる母親と流石に気まずそうな父親。

釈放後は両親とともに両親の新しい家に帰りますが、
どうも馴染めずその足でピーターソンは
叔父のジャックのいる故郷ムートンに向かいます。

叔父は女性の斡旋業みたいなことをしており
いきなり魅力的な女性に囲まれ
借りてきた猫のようになってしまうピーターソン。

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女性から話しかけられてもろくに返事ができません。もじもじ。

え?何?このギャップ?
先ほどまで複数の看守相手に
大立ち回りを演じてた人物とは思えません。

若くして初恋の相手(たぶん)と
所帯を持ち子供まで作っているのに
(妻と子供は序盤であっさり消息不明になります。)
叔父の店の女性から云い寄られてこの有様です。

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キスの間中握った拳がずっと細かく震えています。

何年も「男の世界」に棲み付いて
女性慣れしていないためか
すっかり彼女にのぼせてしまったピーターソン、
盗んだ指輪を贈ってプロポーズしますが、
なんと彼女は別の男と婚約中。
上手いこと二又を掛けられていたのでした。

それでもいきなり切れて
彼女やその彼氏に暴力を振るうこともありません。

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それどころか「おめでとう」ですよ。これぞ男気。

粗暴に見えても
なにもかもが粗暴に出来ているわけではないんですね。

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指輪を盗んだ時も男の店員は殴っても女の店員には指一本触れません。

ブロンソンと云えども
紳士の国の男に変わりないのですね。

見た目スキンヘッドにカイゼル髭でも
どこかチャーミングで愛嬌があるのは
そのせいかもしれません。

でも、務所戻るとまたこんな感じで
複数の完全武装の看守相手に大格闘。

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勿論このときは全裸待機です。

折角、暴力以外に絵の才能を開花させてもらっても

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「ガロ」とかに採用されそうな才能です。

結局は、絵の先生を人質にして
複数の完全武装の看守相手に全裸で大格闘。

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いかなるときにも全裸待機です。

看守もこれはもう楽しんでやっているとしか思えないです。
既に祭化しています。

そうでなくてはもう少し対策練るでしょう。
それなのに明けても暮れても
完全武装で全裸のピーターソンと大格闘ですよ。

しかもよくよく見ると、看守の被害は
ピーターソンに比べると屁でもなく
ほぼ無傷に近いのです。

それでも、機会を見ては
看守とバトルを繰り広げるピーターソン。


どこか憎めないのは
演じているトム・ハーディによるところもあり
実在するピーターソンが本当にこのような人がどうかは
判りませんが、


こういう人生も中にはあるんですね。




(*)
株式会社マンダムが1970年4月、映画俳優チャールズ・ブロンソンと広告キャラクターとして契約し、CMでのブロンソンの台詞「う〜ん、マンダム」が、一躍流行語となった。ジェリー・ウォレスの歌うCMソング「男の世界」はシングル売り上げ120万枚の大ヒットとなった。ディレクターは大林宣彦担当。
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