2012/9/29
朱に交わればシュラシュシュシュ MOVIE
何故か私、ときどき魔がさして
タイトルどころかスタッフ・出演者
並びに製作会社も聞いたことも見たこともない
そもそもどういう経路で配給されたの?
みたいなDVDを借りてきて
10割中10割の確立で
「やっぱりハズレだったわ。うん、ごめん、判ってた。」
ということをしでかすのですが、
今回、2枚借りて2枚ともそれ
という暴挙をやってしまいました。
1枚目はこの作品

「FAKE ID」。
こういう映画は配給会社も力が入っていないのか
字幕はついてはいるものの
ところどころ
「わざわざ訳すの面倒臭せぇ。」とでも云うのでしょうか
ごそっと字幕が抜けていたりします。
ストーリーは
主人公視点で語るとこんな感じ。
ハイ!僕の名前はデイヴィッド。

え?何だって?…猿顔ってゆうなあぁぁ。
こう見えても高校3年生(というか卒業はしたんだよ)。
え?老けて見えるって?
気のせい気のせい。
高校3年生と云えばそう、受験だよね。
ところが、僕とエリック…。
あ、エリックというのは彼のこと。

エリックは僕にとっては「二十日鼠と人間」のジョージみたいなもんなんだ。
高校時代、同じ演劇部で過ごした僕の大親友なんだ。
そんな僕たちは故郷カンザスを離れ
僕のおばさんの家に同居中。
どこに行くにも2人一緒だ。
あ、別に変な関係じゃないよ。

高校時代の僕ら。部活は同じだけど話したのはこの時が始めてだったんだ。
実は、僕たち2人とも
つい、大学入試の願書を提出し忘れてちゃって
今、おばさんに入学審査の遅い大学を探してもらっているんだ。
一応、演劇関連の大学を目指しているんで
その間、街の小さな劇団にエリックと入団して
演技力にさらなる磨きをかけているんだけど
劇団の人が…ちょっと…ね。

こんな人とか

こんな人とかばっかなんだ。その〜、どういうことか判るよね?
いや、いい人たちばかりなんだけど
まあ、何て云うか
僕たち以外ははみんなゲイ術家なんだ。
つまり、どういうわけか僕とエリックの周りには
女なら女が好き男なら男が好きって連中しかいないんだ。
もちろん、僕もエリックも彼らに対して何の偏見も持っていない。
むしろ、そういう偏見を持つ連中から
彼らを守るのが僕らの役目だとさえ思っている。
今日だって劇団の仲間を
うち(と云ってもおばさんの家だけど)に招いて
大いにパーティで盛り上がったんだぜ。
くどいようだけど、僕らは2人ともゲイじゃない。
重要だから念のため云っておくね。
だからと云って女の子にすぐに手を出すような
チャラ男(そのうち死語)でもない。
今日のパーティでも来てくれた女の子を
ちゃんとエスコートして家にまで送り届けたくらい根は紳士なんだ。
なにしろ僕なんて女の子と一晩夜を過ごしても
指一本触れない自信があるからね。
…ってあれぇ?
確かにちょっと女の子に対して押しが強くない。それは判ってる。
正直、女の子慣れしてないんだ。
まあ、今特別好きな女の子がいないって云うのも事実だけど…。
それにエリックといれば、十分楽しいし。
女の子は特に必要ないっていうか…。
…ってあれぇ?
そ、そりゃ、たまぁに演技の練習とか云って
レストランで「オカマ」の真似とかして
初心なウェイターをからかって
エリックに嫌ぁな顔されたりするけど…。
…ってあれぇ?
つうか、エリック、何カミングアウトしてんだよ!!

え?何?そのサプライズ?笑えないよ。
ちょ、おまっ、前にストレートだって云ってたじゃないか!!
え?前は確かにストレートだった?でも、今は違う?
そういうのって気がつかないうちに変化していくもんなの?
じゃあ
じゃあ
じゃあ
やっぱり僕もぉぉぉ?!

ていうかいつの間にちゃっかり彼氏作ってんだよ、エリックよぉ。
いやいやいやいやいや、そんなことあるわけない。
僕は女の子が好きなんだ。
ストレートなんだ。
ほら、こんなふうにキスだって普通にでき…。

でも、手近の女子と云えば彼女だけなんだよなぁ。これはこれでどうよ。
…って、ちっともときめかない!
しかも、相手に物凄く呆れられた!!
二度と会わないって云われた!!
彼女もぼくのことゲイだと思ってる?!
やっぱりそうか。そうなのか。
郷に入りては郷に従え。
類は友を呼ぶ。
朱に交われば赤くなる。
先人の教えは正しかったのだ。
そっか、そうだったのか。
よし、僕も今日から本腰を入れてゲイになるぞ!!
まずは見た目からだ。
ここは華麗に変身……。

…なんか違う。なんか違うのだけは判る。
判んねぇよ。判るわけねぇよ、ゲイファッションなんて。
判んないからおばさんの化粧品とワンピース勝手に借りちゃったよ。
ちげぇよ!無実の罪で逃亡中じゃねえよ!!
しゃあない。
ここは一つ劇団の仲間に助けを求めて…
……と思ったら、奴らの格好の遊び道具にされた!!!

もう少しのところで親から貰った身体に傷をつけるところだったよ。
もう誰も信じられない!!
見てろ、僕だってその気になれば男の一人や二人…。

え?「君の部屋で。」って。いきなり?いきなりですか?
寸でのところで大切な何かを失うところだった愚かな僕を
救ってくれたのが劇団の仲間、そして、エリックだった。

そう、「男にとって大切な何か」をだ。

もちろん、友達も「男にとって大切な何か」だが、もちろんそれではない。
彼ら、本当のゲイに云わせると
僕はどうやら違うらしい。
なんだ、僕の勘違いか。
早まらなくて良かった。
おかげで僕はありのままの自分を知ることができた。
ありがとう、エリック!!
僕の君への感謝の気持ちはこんなもんではすまないよ。

これはほんの御礼の気持ちだ!それだけだ!
と云う映画でした。
スクリーンサイズからもお察しの通り
「低予算映画」です。
日本ではビデオスルーであろうことはおおよそ見当がつきますが、
アメリカでの公開規模がいかほどだったのが気になるころです。
タイトルの「FAKE ID」は
未成年のエリックがマーケットなどで酒を買うときに
使っている偽造IDのこと。
自分の性癖に自信が持てず、ゲイでもないのに
無理にゲイになろうとするデイヴィッドのことを暗喩しています。
DVDパッケージで強烈な印象を与えている方は
ドラァグ・クィーンのキャリー・ジョー様
と云うお方。
最初にデイヴィッドにゲイの要素を見出し
彼を混乱の渦に陥れた方なのですが
それほど出番はありませんし
何しに出てきたか
何者なのかも不明です。

でも、この映画の顔となっています。
…こう順追っておくと
そこまでハズレでもなかったような気がするからなんだかなあ…。
1
タイトルどころかスタッフ・出演者
並びに製作会社も聞いたことも見たこともない
そもそもどういう経路で配給されたの?
みたいなDVDを借りてきて
10割中10割の確立で
「やっぱりハズレだったわ。うん、ごめん、判ってた。」
ということをしでかすのですが、
今回、2枚借りて2枚ともそれ
という暴挙をやってしまいました。
1枚目はこの作品

「FAKE ID」。
こういう映画は配給会社も力が入っていないのか
字幕はついてはいるものの
ところどころ
「わざわざ訳すの面倒臭せぇ。」とでも云うのでしょうか
ごそっと字幕が抜けていたりします。
ストーリーは
主人公視点で語るとこんな感じ。
ハイ!僕の名前はデイヴィッド。

え?何だって?…猿顔ってゆうなあぁぁ。
こう見えても高校3年生(というか卒業はしたんだよ)。
え?老けて見えるって?
気のせい気のせい。
高校3年生と云えばそう、受験だよね。
ところが、僕とエリック…。
あ、エリックというのは彼のこと。

エリックは僕にとっては「二十日鼠と人間」のジョージみたいなもんなんだ。
高校時代、同じ演劇部で過ごした僕の大親友なんだ。
そんな僕たちは故郷カンザスを離れ
僕のおばさんの家に同居中。
どこに行くにも2人一緒だ。
あ、別に変な関係じゃないよ。

高校時代の僕ら。部活は同じだけど話したのはこの時が始めてだったんだ。
実は、僕たち2人とも
つい、大学入試の願書を提出し忘れてちゃって
今、おばさんに入学審査の遅い大学を探してもらっているんだ。
一応、演劇関連の大学を目指しているんで
その間、街の小さな劇団にエリックと入団して
演技力にさらなる磨きをかけているんだけど
劇団の人が…ちょっと…ね。

こんな人とか

こんな人とかばっかなんだ。その〜、どういうことか判るよね?
いや、いい人たちばかりなんだけど
まあ、何て云うか
僕たち以外ははみんなゲイ術家なんだ。
つまり、どういうわけか僕とエリックの周りには
女なら女が好き男なら男が好きって連中しかいないんだ。
もちろん、僕もエリックも彼らに対して何の偏見も持っていない。
むしろ、そういう偏見を持つ連中から
彼らを守るのが僕らの役目だとさえ思っている。
今日だって劇団の仲間を
うち(と云ってもおばさんの家だけど)に招いて
大いにパーティで盛り上がったんだぜ。
くどいようだけど、僕らは2人ともゲイじゃない。
重要だから念のため云っておくね。
だからと云って女の子にすぐに手を出すような
チャラ男(そのうち死語)でもない。
今日のパーティでも来てくれた女の子を
ちゃんとエスコートして家にまで送り届けたくらい根は紳士なんだ。
なにしろ僕なんて女の子と一晩夜を過ごしても
指一本触れない自信があるからね。
…ってあれぇ?
確かにちょっと女の子に対して押しが強くない。それは判ってる。
正直、女の子慣れしてないんだ。
まあ、今特別好きな女の子がいないって云うのも事実だけど…。
それにエリックといれば、十分楽しいし。
女の子は特に必要ないっていうか…。
…ってあれぇ?
そ、そりゃ、たまぁに演技の練習とか云って
レストランで「オカマ」の真似とかして
初心なウェイターをからかって
エリックに嫌ぁな顔されたりするけど…。
…ってあれぇ?
つうか、エリック、何カミングアウトしてんだよ!!

え?何?そのサプライズ?笑えないよ。
ちょ、おまっ、前にストレートだって云ってたじゃないか!!
え?前は確かにストレートだった?でも、今は違う?
そういうのって気がつかないうちに変化していくもんなの?
じゃあ
じゃあ
じゃあ
やっぱり僕もぉぉぉ?!

ていうかいつの間にちゃっかり彼氏作ってんだよ、エリックよぉ。
いやいやいやいやいや、そんなことあるわけない。
僕は女の子が好きなんだ。
ストレートなんだ。
ほら、こんなふうにキスだって普通にでき…。

でも、手近の女子と云えば彼女だけなんだよなぁ。これはこれでどうよ。
…って、ちっともときめかない!
しかも、相手に物凄く呆れられた!!
二度と会わないって云われた!!
彼女もぼくのことゲイだと思ってる?!
やっぱりそうか。そうなのか。
郷に入りては郷に従え。
類は友を呼ぶ。
朱に交われば赤くなる。
先人の教えは正しかったのだ。
そっか、そうだったのか。
よし、僕も今日から本腰を入れてゲイになるぞ!!
まずは見た目からだ。
ここは華麗に変身……。

…なんか違う。なんか違うのだけは判る。
判んねぇよ。判るわけねぇよ、ゲイファッションなんて。
判んないからおばさんの化粧品とワンピース勝手に借りちゃったよ。
ちげぇよ!無実の罪で逃亡中じゃねえよ!!
しゃあない。
ここは一つ劇団の仲間に助けを求めて…
……と思ったら、奴らの格好の遊び道具にされた!!!

もう少しのところで親から貰った身体に傷をつけるところだったよ。
もう誰も信じられない!!
見てろ、僕だってその気になれば男の一人や二人…。

え?「君の部屋で。」って。いきなり?いきなりですか?
寸でのところで大切な何かを失うところだった愚かな僕を
救ってくれたのが劇団の仲間、そして、エリックだった。

そう、「男にとって大切な何か」をだ。

もちろん、友達も「男にとって大切な何か」だが、もちろんそれではない。
彼ら、本当のゲイに云わせると
僕はどうやら違うらしい。
なんだ、僕の勘違いか。
早まらなくて良かった。
おかげで僕はありのままの自分を知ることができた。
ありがとう、エリック!!
僕の君への感謝の気持ちはこんなもんではすまないよ。

これはほんの御礼の気持ちだ!それだけだ!
と云う映画でした。
スクリーンサイズからもお察しの通り
「低予算映画」です。
日本ではビデオスルーであろうことはおおよそ見当がつきますが、
アメリカでの公開規模がいかほどだったのが気になるころです。
タイトルの「FAKE ID」は
未成年のエリックがマーケットなどで酒を買うときに
使っている偽造IDのこと。
自分の性癖に自信が持てず、ゲイでもないのに
無理にゲイになろうとするデイヴィッドのことを暗喩しています。
DVDパッケージで強烈な印象を与えている方は
ドラァグ・クィーンのキャリー・ジョー様
と云うお方。
最初にデイヴィッドにゲイの要素を見出し
彼を混乱の渦に陥れた方なのですが
それほど出番はありませんし
何しに出てきたか
何者なのかも不明です。

でも、この映画の顔となっています。
…こう順追っておくと
そこまでハズレでもなかったような気がするからなんだかなあ…。

タグ: FAKE
2012/10/3 12:57
投稿者:あゆか
2012/10/3 2:06
投稿者:せー吉
本国でも劇場スルーじゃないですか(^-^;
ですよね〜。