2012/7/22

あったらあったでないならないで  MOVIE

DVDを借りてくるたびに
常々思うことに
「本編前の『新作案内』『劇場公開案内』を何とかしてくれ!」
というのがあるのですが、

本日のDVDはありがたいことに
いきなり「新作案内」なしで、
本編からズドンと始まります。

しかし、ここで改なる問題が
「新作案内」のない作品は、
意外とアレな映画にぶち当たる確率が高いとか…。

とは云うものの
この映画、外国での評価が非常に高いのです。

公式サイトで紹介されているだけでも

ファンタランド大賞(観客投票)5位
ニッポンコネクション(ドイツ・フランクフルト)2009 正式招待
バルセロナ・アジア映画祭 2009(スペイン・バルセロナ)正式招待
シアトル・トゥルー・インディペンデント映画祭2009 正式上映
ニューヨーク国際インディペンデント映画祭 2009 最優秀長編映画賞(外国語部門)
トレゴール映画祭(フランス・ストラスブール)
最優秀撮影賞受賞/最優秀助演男優賞ノミネート
第17回レインダンス映画祭(ロンドン)最優秀超低予算映画賞ノミネート
ニューヨーク国際インディペンデント映画祭 最優秀監督賞/最優秀スリラー賞
第20回ストックホルム国際映画祭(スウェーデン・ストックホルム)正式招待 特別賞

ざっとこれだけあります。

大半がインディペンデント映画祭というのが
少々気になりますが
それでもたいしたものです。

そして、日本でも

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2009
オフシアターコンペティション入選 




…ゆうばり。


ゆうばりですか、はいはい。
 
個人的には
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭と聞くだけで
どうも見る気力を削がれてしまうのですが


 
とりあえず一見は百聞に如かずです。
自分の目で見ないことには何も始まりませんからね。

というわけで
本日の映画は。「ロックアウト」

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です。

ジャケットにはスウィーニー・トッドみたいなのが
映りこんでいますが、ホラーではございません。

内容は
惹句である「抑えろ 内なる 暴力性。」
そのまんまの映画です。
 
 
 

ストーリーは

記憶喪失の青年が、現在地も目的地も判らないまま
車を走らせている。

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一見そうとは見えませんが、記憶喪失中。

財布の中にあった免許証で名前が判る。
青年の名前は、町田広。

時おり内なる暴力性が表に出そうになるが、
なんとか意思の力で抑え込み
先に進む広。

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主人公の凶暴性が具象化したもう1人の主人公。

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しかし、主人公が途轍もない喜びに打ち震えている時にはダンスをしてくれます。

…凶暴性関係ねぇ!!!


目についたスーパーで用を足して戻ってくると
いつのまにか車の助手席に見知らぬ少年が
勝手に座っていて中から鍵をロック中。

何とか引きずり出すことに成功したものの
親とはぐれたらしい少年を放っておけず
家まで送る広。

やがて仲良くなった少年と会話中、
徐々に記憶が蘇ってくるのだが…。




これと云った「オススメどころ」が見当たらない映画なんですよね。

何を考えているかちょっと判らないような風体から
(要するに典型的なイマドキの若者ってことです)
他人から誤解を受けたり、雑に扱われたり

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迷子の子供を親元に届けただけなのに
親からも警官からも冷たい視線で見られる主人公。


そのことで腹は立てるけど、
暴力行為を振えるほど兇暴ではない
どこにでもいるような日本人青年の話。

でも、ちょっとした諍いや他人の行為に切れて
刃物を振う人が増えつつある現在の日本では
逆に彼のような人物が特殊として見られ
映画の主人公になりえるのかもしれません。


勤め先の砕石場では
名前も覚えてもらえない非正規として扱き使われ
結婚のため貯金したお金は
実父が母親の治療費だと云って
端から巻き上げていき

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結婚できない日本の若者の現実。

メールで突然解雇を云いわたされ

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正規で働けない日本の若者の現実。

それでも尚、怒りを内に押し込める主人公。


そんな主人公に拾われる子どもの方も、
知らない相手に対しては極度に人見知りしたり
友達の輪に入るためカード付きのお菓子を欲しがったり
おまわりさんの前では緊張して一言も喋れなかったり
という世間が思ういまどきの子どもですし
出てくる人物は誰もがどこにでもいそうな日本人。

映画では、その誰もが
コミュニケーションがド下手で
云いたいことを云おうにも拙い言葉しか出てこないから
誤解や疑心暗鬼や思い込みが生じてしまい
事態が面白いように悪化していきます。

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母と子だけになり落ち着いて話し合えたことでようやく真相が見えてくる。

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警官も例外でなく、誘拐の疑いが晴れた途端、先程迄の態度を誤魔化そうとする。

だからこそ外国でのウケが良かったのかもしれません。


とはいえ

ストックホルム国際映画祭・映画評論家の
ダニー・ローグ氏においては
「カメラが捉えるガソリンスタンド、寂れたドライブインや閑散とした田舎の風景の空虚さは、晩年の小津作品を彷彿とさせる」
とまで仰っており
日本の我々にとっては見慣れた風景に
巨匠小津監督の名前まで出されると
他人事ながらお尻がもぞもぞしてきます。

 
DVDにはドイツ・フランクフルトでの
「ニッポンコネクション」の様子も収録されていて
私たちの知らないところで
こんなにも日本映画が愛されていると思うと
やはり嬉しいですね。
 
あ、それから
工場見学萌えな人には嬉しい映像も入っています。
 
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このあたりも
やたら工場見学を取り上げたバラエティ番組が増えてきた
2009年の日本を象徴しているかのようですね。
 
 
 
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