2011/12/20

エリート狂走曲  MOVIE

大人になるということは
何気に怖いことでございます。

例えば、幼少の砌
「トム・クルーズ主演映画だけは一生見るもんか」
等というくだらない誓いを立てていた
いたいけな少女も数十年もたててば
前売り券まで購入してまで初日に見るようになるのです。

嗚呼、年月って怖ろしい。

今は昔、
「少年チャンピオン」というマンガ雑誌は
鬼門でした。
なぜなら
手塚治虫大先生の傑作中の傑作「ブラック・ジャック」が
載っていたから。

うっかりページを開こうものなら
精密に描かれた内臓の絵が
ババーンと、飛び出しかねないそれを
ちっちゃかった私は
どうしても直視することが出来なかったのでした。

それから、ん十年。

本日見たDVDは「ドクターズ・ハイ」。
人間様の内臓描写てんこ盛り映画です。





まずはあらすじ。

講談社ノベルスから出版ている
歌野 晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」
と云う本を検索してあらすじを読んでみてください。

ようはそのあらすじの医療研修医版です。

物語はハーバード大学医学部出身で
とんでもなく将来を嘱望され
美人で気立ても良く
医界でも一目置かれる父親を持つ恋人がいる
超をいったいいくつつければ気が済むんだい
と云うくらいの超リア充、テッド・グレイ君が
メトロポリタン大学医療センターに
赴任するところから始まります。

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額に深く刻まれた3本の皺が特徴のテッド君

このセンターにはそれこそテッド君みたいな
エリートが全国から集まっており
超優秀なテッド君は
そのなかでも

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「研修医の一部は自分達が択ばれた人間だと思ってる」

こんなエリート意識がアホみたいに高い研修医
しかおらんジェイク・ガロのチームに
組み込まれてしまいます。

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エリートの割にはあまり育ちがよろしくないジェイク君

彼らの指導に当たっているモリス教授は
講義の中でこのようなことを語っております。

「病理学者として
諸君は疾患の特性と原因
経過と進行そして結果を研究する
だがそれだけではなく
病理学は神の領域に近い学問と言える
病理学とは
魂をのぞく
人間のすべてを学ぶ学問だ
だが犯罪科学における病理学では
非人間性の探求も必要となる
不自然に腐敗し
ねじ曲げられた肉体を
目にする機会も多い
暴力や薬物、狂気の産物だ
我々は常に過去を推察し
元の状態までさかのぼる
そして死因を特定する。」


他の医学とは異なり
直接、人の生命を救うためでもなく
病気や怪我の治療にあたるのでもない
病理学と云う医学の特殊性を
端的に語っている言葉です。

その言葉通り
研修医達にとって
センターに送りこまれる死体は
自らが神となって解き明かす
「試験の問題用紙」
もしくは
「課題用紙」
のようなものなのです。
(実際はもっと厳かなものでしょうが
この映画ではそんな扱われ方です)

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なので高枝切りバサミで切り刻むこともヘーキでできちゃいます。

しかも、「正解」は指導教官ですら
モリス教授の云うように推察するしかなく
本当のところは判っていないのです。
なぜなら、「正解」を知っているのは
その殺人を犯した加害者だけだから。

さて、
赴任早々13歳の少年の死因を
病理学と心理学の両面から解き明かすテッド。

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云いかたはへりくだってはいますが、実はかなり自信あります。

その「真実はひとつ!」と云い切ってしまう
名探偵コナンのようなテッド君の姿に
なにか自分と同じものを感じたジェイク君から
放課後、呑みに誘われます。

翌日二日酔いの頭を抱えて
テッド君がセンターに出社してみると
前の晩ジェイク君に連れられて行った
とっても怪しい店の門番が
死体(=今日の課題)として担ぎ込まれていました。

勿論、殺したのはジェイク君です。

なんと
ジェイクチームのちょっと(頭の)おかしな面々は
自分たちの医学知識を競いあい
適当に人を殺してはその死因を
他のメンバーに当てさせるというゲームを
日常的に楽しんでいたのです。

つまりこの死体はジェイク君から
テッド君への挑戦状(というかゲームメイトになるための試験)です。

で、受けてたたねばエリートがすたるってもんで
その死因を解明するテッド君。

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青酸カリで毒殺されたと推察。

しかし、教授によると
どうもテッド君の解答は間違っていたみたいです。

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青酸カリではありませんでした。

だからと云って
モリス教授が「正解」を持っているわけではありません。


「正解」を知っているのは
ただ1人。

その死体を作ったジェイク君だけ。

それはそうと
物事に確かな「正解」があるって素晴らしい!!

こう云ってはなんですが
高校までは試験というと
たいてい「正解」があるのものですが
大学に上がると、
「正解」はそりゃ存在するだろうけど
その「正解」を知っている人がいない
もしくは居てもどこにいるのか皆目検討がつかない
って学問が一気に増えるような気がします。

エリートだって人間だもの
「正解は『越後製菓』!」
と、きっぱり答えて欲しいに違いありません。

後日、ジェイク本人に「正解」を叩きつけて
溜飲が下がったテッド君。

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正解はニトロでした。これは検出されないらしいです。

そんなこんなで
ついつい病理学の闇に惹き込まれて
彼らのゲームに加わってしまうテッド君ですが、

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2人の女性メンバーに挟まれて耳たぶをナメナメという誘い方にやられちゃったとかそういうのでは断じてありません。

それ以降はネタばれになるので一旦フェイドアウト。

ただ、
5人いる研修医(エリートというただの埒外)のうち
左上の男性だけが
まったくて云っていいほど
目立たず、
いてもいなくてもいいという存在なのは
大変気の毒なことです。

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右から2番目の彼。見せ場はおろか名前も出てこなかったのでは?



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2011/12/24  0:06

投稿者:あゆか

字際×
実際でした。


2011/12/24  0:05

投稿者:あゆか

タイトルの元ネタを判っていただけただけでも
ありがたいことです。

病理学だけはまっぴらごめんとなること請け合いです。
病理に携わっておられるドクターは字際にはとても真摯にしたいと向き合っていること思いますが、毎日のように遺体ばかりそれもその身体を開くようなお仕事を続けるとなるとこの映画のように、死体になんの尊厳ももてないような学生が出てきてもなんら不思議ないように思えてしまいました。


2011/12/23  23:50

投稿者:ブギウギ

弓月光日記と思ったら、なかなか厳しい描写の作品みたいですね>へ<
これはよう観ないかも汗

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