1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2012/6/27
『櫻の樹の下に瓦礫が埋まっている』村上 龍
このエッセイは、2011年1月〜12年6月まで雑誌に連載されたもの
らしい。サッカーのこと、北朝鮮のこと、テニスのこと、卓球のこと、
食べ物のこと、新しい電子出版の会社のこと、ビジネス番組のこと、
若者のこと、そして自分の作品のことが書いてある。
そんな村上 龍氏も60歳ということだ。
『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞したのは、20代前半の
ことだ。
村上 春樹氏の最高傑作を『ねじまき鳥のクロニクル』とすると、
村上 龍氏の最高傑作は、『愛の幻想のファシズム』だと思う。
『半島を出よ』も『テニスボーイの憂鬱』も『ラブ&ポップ』も
悪くはないけれど。『コインロッカーベイビーズ』が最高傑作と
いう人もいると思うけれど。
僕も年を取るはずだ。
タイトルは、梶井基次郎の『櫻の樹の下には』という短編から
取っているらしい。日本橋の丸善に行って、画集の上に、そっとレモン
を置くという『檸檬』で有名な作家だ。檸檬は小さな爆弾のメタファーだ。
「櫻の樹の下には屍体が埋まっている」というのが、梶井基次郎のオリジナル版だ。
2011年3月11日から、1年と3ヶ月。
僕達は、少し忘れていないか。
大事なことを。

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