1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2010/7/28
「darkness ahead of inch」
生活
ずっと積んであった本に手をとった。ペーパーバックだ。ここ数日、
ずっと読んでいる。
"How Starbucks Saved My Life" Michael Gates Gill だ。
大手の広告代理店でエグゼクティブだった男性が、突然、解雇を言い渡されて
(アメリカではよくあることだ。その日に首を言い渡されて、机はなくなる。
大リーグでも、当日に他チームへのトレードを言い渡されるということもあるらしい)
路頭に迷ってしまい、仕事を探し、スターバックスの店員になり、人生の本当の
意味を学ぶというnon fiction だ。そのスターバックスのお店の店長は、28歳の
アフリカンアメリカン。その女性は、まともに両親と接したことがない。
母親は、薬物中毒で死亡。父親も早くに亡くなっている。男性は、常に人生の
「成功者」で、家族もあり、子どももいる。ある日突然、自分がメンターとなって
育ててきた部下(上司)に、首を言い渡される。そして、自分の病気が見つかり、
浮気をして、子どもまで出来てしまい、離婚ということになる。
エール大学を出て、広告代理店のエグゼクティブになったとしても、
職がなくなり、医療費にも困ってしまうようになってしまうのだ。
アメリカは、日本のような健康保険制度がない。健康保険に加入していないだけ
で、医療費のために破産ということもありうるのだ。
オバマ大統領は、そ制度を変えようとしている。歴代の大統領がやりたくても
できなかったことだ。当然、その財源は、国民からの税金で、まかなわれる。
darkness ahead of inch
一寸先は闇。僕が勝ってに、その日本語からつくった英語だ。
『ビッグイッシューの挑戦』 佐野 章二
を読んだ。朝日新聞の書評にも載っていた。
http://book.asahi.com/review/TKY201006290156.html
ビッグ・イッシューは、イギリスのロンドンで、1991年に始まった。
創始者は、ゴードン・ロディックとジョン・バード。ゴードン・ロディック
は、パートナーのアニータ・ロディックと共に、「ザ・ボディショップ」を
立ち上げた。ボディ・ショップは、独自のコンセプトで、「地球に優しい」
商品を作り続けている。
ビッグイシューは、各国にある。
そのビッグ・イシューを日本で立ち上げようとしたのが、佐野 章二さんだ。
そもそも、チャリティの文化背景がない日本で、そんなビジネスが成り立つわけ
がない。作者は、何人もの友人や専門家に、日本でビッグイッシューが成立
する可能性は、0%だといわれ続けたらしい。
ビッグ・イッシューは、ホームレス支援の「ビジネス」だ。
10冊で無料配布をし、1冊300円で販売する。それを元手に、次からは、
1冊140円で仕入れ、160円を収入とする。そしてお金をためて、次の自立へと
つなげていくというプロセスだ。
雑誌は、しっかりとした読み物であり、オアシスやアンジェリカ・ジョリー
やジョニー・デップやレディ・ガガ(最近では)などのインタヴューも
出ている。
2003年8月、大阪西成区の釜ヶ崎地区(東京の山谷、横浜の寿町のような日雇い
労働者の街だ)で行われた説明会では、全く、ホームレスの人たちには相手に
されなかったらしい。それは、そうだ、雑誌を路上で売るというのだから。
2009年9月11日の販売初日。JR大阪駅前に集まったのは、19人。販売開始。
そこには、イギリスからやってきた、ジョン・バードも応援にやって来た。
北九州でも、たくさんのホームレスがいると思う。小倉の駅でも売れると
思う。何か働きかけが出来ないものだろうか。
年間、応援費15000円をビッグイッシュー基金に振り込んだ。
にっこり応援会員として登録された。月に2回発行のビッグ・イッシューが
送られてくる。
それどころじゃない、自分が「救って欲しい」くらいだと言っている、
あなた。あなたは、まだ恵まれているのかもしれない。
今の自分が、まわりの人によって支えられているということ、そのことを
思い出して欲しい。そもそも、覚えていない、あなた、毎日のひとつひとつ
のこと、まわりの人たち、それらをただじっと見つめて欲しい。
自分の出来る範囲内で、寄付をするなどということをすること。
そんなことから始めること。
上記のような本を読んで、誰かに話をすること。
そういったことでもいいのだ。
明日は、あなたが助けられる身になるかもしれないの、だから。

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