世帯の所得格差、過去最大に…厚労省調査の05年ジニ係数
8月24日21時27分配信 読売新聞
厚生労働省は24日、世帯ごとの所得格差の大きさを表す2005年のジニ係数が0・5263で、過去最大になったとする「05年所得再分配調査」の結果を発表した。
同省は、一般的に所得が少ない高齢者世帯の増加が主な要因と見ているが、「非正規社員と正社員の所得格差などが影響している可能性も否定できない」としており、次の臨時国会などで格差問題を巡る議論が活発化しそうだ。
同調査は、3年ごとに実施されている。ジニ係数は0〜1の間の数字で表され、格差が大きいほど1に近づく。
今回の調査では、ジニ係数が前回を0・028ポイント上回り、初めて0・5を超えた。例えば、全体の25%の世帯が所得総額の75%を占めた場合などに、ジニ係数は0・5となる。
最終更新:8月24日21時27分
<所得再分配調査>格差示すジニ係数は過去最高値
8月24日22時23分配信 毎日新聞
厚労省は24日、05年所得再分配調査の結果をまとめた。数値が1に近いほど格差があることを示すジニ係数を02年調査と比べると、世帯単位の当初所得は0.5263で0.028ポイント上昇。再分配後は0.3873で、前回(0.3812)と比べると微増。再分配前・後ともジニ係数は過去最高値となった。
タイガー魔法瓶:派遣社員が提訴 違法申告で即契約解除
労働者派遣法に反する雇用状態を正すよう大阪労働局に申告したところ、突然契約を解除されたなどとして、タイガー魔法瓶(大阪府門真市)に派遣労働者として勤めていた大阪府の女性(30)が26日、同社に正社員としての地位確認と、毎月の給与約14万円など総額511万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こした。女性は06年11月の労働局の是正指導後、社から締め出されて精神的苦痛を受けたと主張し、請求額には慰謝料300万円も含まれている。
訴状によると、女性は01年9月、同市の派遣会社に登録され、タイガー魔法瓶の開発部門の一般事務として働き始めた。契約では派遣会社での就業となっており、いわゆる「偽装請負」の状態だった。
ところが、その後、派遣契約に切り替わり、派遣期間が最長で07年2月までと明示された。これを不安に感じた女性が06年8月、同府守口市の地域労組に相談。実質的には約5年も派遣されていたことから、労働者派遣法の規定に従って直接雇用するよう、大阪労働局に申告した。
大阪労働局は06年11月、派遣期間などが同法に抵触することを認めたうえで、女性の雇用を前提に契約を解除するよう指導。タイガー魔法瓶と派遣会社の契約は解除された。しかし、女性の雇用は実現しなかったうえ、門内への立ち入りを拒否され、私物もロッカーにおいたまま締め出される「屈辱的な扱い」を受けたという。
労働者派遣法は、派遣先に一定期間継続して働いた派遣労働者に直接雇用契約の申し込みをする義務があることや、違法状態を申告した労働者への不利益な取り扱いの禁止などを規定。女性側はタイガー魔法瓶の行為がこうした規定などに反すると主張している。
提訴後、記者会見した女性は「正社員から『帰ってくれ』と言われ、締め出された時のショックは忘れない。会社に謝ってほしい。もう派遣で働きたくありません」と話した。
一方、タイガー魔法瓶広報室は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。【山本直】
毎日新聞 2007年2月26日 23時32分
もっと大きいのは、労働者派遣の規制緩和であろう。1999年に労働者派遣法が改定された。これにより、従来は特定の業種にしか派遣労働は認められていなかったのだが、原則自由化の方向に大きく舵が切られたのだ。これもまた小泉の首相就任以前の政策であるが、現在のワーキングプアや非正規雇用の激増などは、この法律が大きな直接的原因であると言える。
もちろん、小泉はこれを止めるのではなく、さらに推進する方向で政策を進めた。2003年度と2006年度にさらに法改正を行った。派遣受入期間を従来の1年から3年まで可能になるようにしたことは、派遣労働の固定化に寄与することが懸念されているし、製造業や医療関連業務への派遣もできるように、さらに業種が拡張された。このように低賃金労働を固定化する政策を小泉政権は行ってきたわけだ。
あげれば切りがないだろうが、とにかく、小泉の政策はそれ以前の自民党政権がやってきた地方切捨て、労働者切捨て(低賃金化、雇用の不安定化)の延長線上にあったということである。
そして、所得水準というものは政策に対して数年のタイムラグを置いて効果が出てくるとすれば、2002年以降の格差の急速な拡大は、橋本、小渕、森内閣によって敷かれたレールからの帰結であり、それをさらに強硬に進めた小泉内閣の政策による「格差」、正確には「貧困化」の効果が出てくるのはこれからだと想定するべきであろう。
これが私の仮説的な主張である。
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99〜04年の全国の市区町村の納税者1人あたりの平均所得に関し、格差の度合いを示す「ジニ係数」を年ごとに割り出したところ、02年を境に上昇したことが3日分かった。ジニ係数は毎日新聞が東京大大学院の神野直彦教授(財政学)の協力を得て割り出した。平均所得の最高値と最低値の差は3.40倍から4.49倍に拡大、小泉純一郎前政権の間に地域間格差が開いたことを示した。神野教授は「感覚的に論じられてきたものを初めて定量的に示せた」と指摘しており、地域間格差は4月の統一地方選の主要争点になりそうだ。
ジニ係数は所得の不平等度を0〜1の間で表す数値。「0」は完全な横並びで、数値が高いほど格差が開き、「1」は1人(1カ所)だけに所得が集中する状態となる。
毎日新聞は、総務省が毎年まとめる「市町村税課税状況等の調(しらべ)」に基づき、年ごとに市区町村別の総所得金額をその自治体内の納税者数で割って平均所得を確定。これをジニ係数を求める公式に当てはめた。
その結果、99〜01年はほぼ横ばいだった数値が02年の0.070を境に上昇に転じ、04年には0.079になった。国内の個人所得のジニ係数が99〜04年で0.007ポイント上昇というデータがあることが「格差論争」の根拠の一つとされており、市区町村別が2年間で0.009ポイント上昇したことは大きな数字だという。
平均所得の上位はほとんどが大都市部。04年には東京23特別区のうち9区が上位20自治体に入った。これに対し、下位は軒並み高齢化の著しい町村部。最高値と最低値はそれぞれ、99年は東京都港区の751万円、秋田県東成瀬村の221万円で、04年が港区の947万円、北海道上砂川町の211万円だった。
神野教授とともに作業にあたった慶応大大学院経済学研究科の宮崎雅人氏は「小さい所を大きな所が吸収するケースを考えれば、平成の大合併はジニ係数を下げる方向に働いたはずだ。実際の格差拡大は今回の結果より大きいのではないか」と分析している。【統一地方選取材班】
◇ジニ係数 所得の不平等感を0〜1の間で示す数値。「0」は完全な横並びで、数値が高いほど格差が開き、「1」は1人だけに所得が集中する状態となる。イタリアの統計学者、C・ジニが考案した。日本の個人所得のジニ係数は80年前後から上昇。どの統計を使うかで数字は異なり、0.2台〜0.4台と幅広い結果が出ている。今回は各自治体の平均所得を使ったが、個人所得の差よりも平均所得の差の開きは少ないため、0.07台という低い水準で推移することになった。
毎日新聞 2007年2月4日 3時00分
中川幹事長:「地方公務員給与引き下げ、公約に」
自民党の中川秀直幹事長は8日、京都市で講演し、4月の統一地方選について「地方公務員の給与引き下げは国民への宣言だ」と述べ、官民の給与格差解消を争点として訴えていく考えを示した。
中川氏は「給与引き下げを中核とする地方行革をしっかりやるのか、聖域として守るのか。公務員天国は許さない」と述べ、自治労や日教組など公務員労組の支援を受ける民主党をけん制。さらに「民間並みの合理化なくして消費税の引き上げはない」と歳出削減と成長重視の経済運営を進める考えを強調した。【大場伸也】
毎日新聞 2007年2月8日 23時50分